先立つものと言えば、アイデアも必要だが金が0ではどうにもならない。金はあったら便利でないととっても不便だな。外部からの受託予算をやっともらったので、これで作業を進めることができるぞ。
プアマンズ・スパコンその1では、大体、考えた通りにできあがったのだが、この上で走らせるアプリケーションに変化があった。つまり、これまでのアルゴリズムだと、各ノードの計算時間が殆どで、結果をサーバに持ってくるまでの時間は無視できる程だったのだが、アルゴリズムを見直したら、時間のかかっていたexp、sin関数の計算なんかをリカーシブな乗算で置き換えることができることが分ったのだ。そうなるとデータ転送の時間が目立つようになるだろう、というのが予想される事態なのだ。
最初に考えるのはネットワークの高速化だ。今は100baseTを使っているのだが、これを1Gbaseにすることだ。だが、問題なのは、その1で作った各ノードはネットワークブーツになっていて、これが1Gbaseでもできるかどうかというところだ。探してみたが、肝心のIntelのインターフェースカードにも、まだネットワークブーツにはなっていないようだ。まあ用途から考えて暫くは無理だろう。おまけに64bit PCIなんだな。100baseと1Gbaseを混在させることも考えられるが、1Gbaseは10倍の速度にはなんないだろうから、一寸、躊躇するところだ。
他にも64bit PCIを持っているマザーがあまり市場に出ていないな。サーバー用だけだ。ただ、あれこれ調べると例のbeowulfプロジェクト関係で、etherを使わない、特別のハードウェアによるノード結合システムが売られているのが分った。まず値段を調べることにするぞ。
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OS Xはよいぞ(2000/12/15)
アルゴリズムの見直しだが、まだ続く。カーネル部分は二重ループになっていて、内側ループを並列にする仕掛けにしてあったのだが、アルゴリズムに合わせると、ループの内、外を逆にした方がよいようだ。プログラム自体の変更は簡単だが、結果の数値が正しいかどうか、テストするのが面倒だな。先立つものがあれば、誰かに頼みたいもんだ。
で、並列システムは実験室においてあるので、この年になると別の部屋に行くだけで億劫になるな。コンピュータに対する熱意みたいもんがなくなったせいもあるんだろうが。そこで、PowerBookにOS Xをインストールしてあったので、telnetでできるところは手を付け始めた。ついでに今まではちゃんと見たことがなかったMPI関数のマニュアルをダウンロードしてきた。
さて、このPoweBookにはlinuxも入れてあるんで、二つのOSのユーザインターフェースが比較できる。一言で言えばlinuの方はナード(おたく)が作ったものでOS Xはアーティストの作ったもの、の違いだな。つまり、おたく、の作ったものはいつも眼鏡の先50cmの範囲と前後1週間くらいしか見ていないってことだ。確かにOS Xは誰でも使える初めてのUNIXだと言える。こいつはPowerPCでしか動かないようにしてあるからあまり世の中には広がらないだろうが、歴史には名を残すだろうな。
だが、問題もあるように思われる。デスクトップがユーザのホームの配下にあるのだ。UNIXはファイルシステムツリーだから、これしかよい方法がないようにも思えるが。それにまたデスクトップ(ファインダー)が、UNIXだから当然のように一つのプロセスになっているので、OS9までのように他のプロセスに対して優先的な地位を与えられているわけではない。だから他のプロセスにアクセスするために、どうしてドックを通じて(あるいは依頼して)行わなければならないのだ。で、デスクトップというメタファーがOS Xでは崩れてきているのだな。
この問題は根本に関連しているのでOS 9とは違うものだと認識するより他にない。だからドックというよりポートと呼んで、見方を変えた方がよかろう。ファインダーの配下に置くものとしては、昔のデスクアクセサリーのようにした方がよいのではないかと思われる。
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イルカがよいか(2001/1/22)
やっと外部の金が使えることになったので、改めてノード間のデータ転送について考えてみることにした。まず、1000BASE-Tの話しだが、32bitのPCIでも使えるようだな。ただ、IntelのNICボードにも、Boot Agentは含まれていないというので、ノードのリモートブーツはできないようだな。これが\43,900だな。3COMのはもっと高いようだ。1Gといっても3分の1のスループットが出れば上々だろうから、1byte=10bitとして30MBぐらいだろう。
で、例のノード間のデータ転送のためのドルフィンだが、問題は結構な値段だ。ボードが@\177,000でケーブルが\42,000/1mだな。1次元トーラスを始めるために最低でもこれが2組必要だ。カタログデータでは170MBのスループットが出ると言うんだが。
さて、速度的にはイルカが5~6倍は早いだろう。100baseで今、各ノードが一斉に送信してもサーバでは順番に、ということでデータサイズがうんと大きい場合には10秒くらいの時間がかかる。1000BASE-Tで10倍早くなったとして1秒くらいか。だが許容範囲だな。計算する気層の数が増えても、ネットワークをうまく分割してサブサーバをおけば、そう時間は長くならないだろう。L2FTVを実行するシステムである限り、つまり、ネットワークのトポロジーを計算のパターンに合わせれば、問題は緩和できそうだ。
イルカを使えば、転送時間の問題は無視できるようになるな。ただ、値段の他にカーネルにパッチを当てなくちゃ、いけない所が気になるな。つまり、イルカは専用のメモリを占有する必要があるのだ。ユーザレベルからはシェアードメモリ型の並列計算システムになるわけだな。トポロジーは単なるリングから始まって二次元トーラスにするような、凝ったことができるようだ。だが、ボードの値段はどんどん高くなるな。
どっちが良かろう。別の問題として、1000BASE-Tの場合だと、スイッチングハブの値段が300,000位するので、買うとこれが設備になってしまう。受託の予算では設備分を用意していなかったので、実際には今回は100BASE-Tのハブを消耗品で買って、トポロジーのテストをするしかない。イルカならボードとケーブルなので消耗品扱いで全部買える。
こういうハードウェアだ。ノードはEtherを通じてリモートブーツする。データ転送を高速化するために専用のネットワーク(SCI)が組み込まれている。どちらが簡単か、という話しなら1000BASE-Tの方だな。ステップを踏んで考えてみると、各ノードにNICを入れてもブーツの時には100BASEのBootAgentが立ち上がって、TFTPを通じてカーネルをダウンロードし、システムが立ち上がる。で、ここで、1000BASE-Tの別のNICを使ってrootはNFSマウントできるだろうか。???だな。たしかNFSマウントするzImageは共通だったから、1000BASE-Tが活躍するのはMPIでノードを1000BASE-Tの名前で指定した時からだろう。ここらあたりは2枚差しで苦労したことを思いださにゃいけない。イルカではこれがどうなるかって言うと、カーネルにパッチをあてるからzImageから作らなきゃいけない。後は、全く別のI/Oだから、そんなに問題はないように見えるな、一見では。
どうも直ぐには答えが出ない。両方やってみるのが一番か。そうだな、ノードにNICを2枚差したらどうなるかは100BASEのカードでも試験できるしな。
ところで、ノードのCPUを取り替えるため、1GのPen-IIIを取りあえず2個、購入した。リテール品を入れたのだがヒートシンクが大きい。今のMBにはCPUソケットの周りのコンデンサが邪魔になって、ヒートシンクが付かないのだ。しょうがないので、以前に使っていたクーラを取り付けた。心配だったのでBIOSの温度データを30分ばかり見ていたが、ほとんど温度上昇がなかったので、そのまま使えるだろう。CPU負荷がかかったら温度も上がるんだろうが、その時はその時ということで。
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Athlonコンチワ(2001/2/1)
Pen-IIIばかりじゃつまらないのでAthlonを使ってみることにした。1.2Gを注文したんだが、リテール品がないという。バルクとクーラーを買ったら高くついたな。もっともPen-IIIが先週大幅値下げしたのでAthlonより安くなってしまったのだが。で、買った目論みというのは、Dolphinのボードをテストするのに今あるサーバにいきなり組み込むのはいかにまずいので、別のシステムでやってみようというわけだ。MBはMSIのK7T Masterというのにした。Athlon用ということとUltra160SCSIがオンボードで付いている、ということでその気になった。
以前に買ってあったM-ATXケースのMBを取り払って入れたんだが、なんとか入った。以前のMBはFSBが66MHzで300MのCereronが入っていた。そんなに古くはないんだが、随分と昔の機械のような気がする。BIOSは何も変更しなくともすんなりと動いた。だが驚いたのがCPUの温度だな。まだ何も動かしていないのに50°Cを超えたな。51〜2°C位で落ち着くような気配だが、相当なもんだ。ケースを触るとMBの裏側のバックプレーンまで暖かくなっている。これでは小さいケースでは熱的に難しいな。Pen-IIIの1Gがほんわり暖かくなる程度なのに比べると大分違う。ノードには向かないかも知れない。ただAMDはプロセスを新しくしてダイをどんどんシュリンクしている最中だから、そのうち良くなる可能性は大きいと思われる。
さてLINUXは例のとおりRedHat2.2.xをサーバということでインストールしてみた。CD-ROMからブーツしてから1〜2分程度であっという間に終わってXが立ち上がるまで行ってしまった。ディスクに160SCSIの10000rpmを使ったからだと思うんだが、こんなに早いならもっと回転数の速いやつにすればよかった。だが、IDEのATA100でRAIDにすると相当速くなる、という話しもあるので、何とも言えないな。
というところで、ネットワークの設定やらあれこれ、イルカのテストベッドにするため、やらなきゃいけないんだが、面倒臭くなったのでしばらく休み。
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choreチョア(2001/2/2)
あれこれパラパラとやっていたのを書いておくことにした。Mac OSXなんだがX-windowにもなるツールが出ている。だからlinuxのwindowをOSXから使えるわけだ。ダウンロードして試してみたら調子よく動いた。βが取れたら買うことにしよう。
RealBasicもX対応のが出そうだ。これもβバージョンをダウンロードして使ってみたが、そこそこ動くな。ただGUIを作るのにはMetaCardよりは大分面倒なようだ。
で、まだOSXの話しだが、OSXはip経由のAppleFileServerしかサポートしていないので、昔のままのファイルサーバが見えない。Win2000サーバならOKなんだが、自分からNTを2000にする勇気はないな。ということで、7200が余っていたのをもらってきて、これをOSXサーバにすることを考えた。7200はPCIなのでうまくすればOSXが動く可能性がある。もちろんアクセラレータをくっつけなきゃいけないんだが、このカード一応OSXに対応させる、とは言っているな。たぶん大丈夫だろ。
Mathematica4.1がリリースされたな。取りあえずは必要ないのだが、HP用のVer.3があるので、そのうちこれをlinux用に変更しておいた方がよいと思われる。
パラレル計算用のサーバのCPUはこの前1GのPen-IIIに替えて、すんなり動いたのだが、今日ブーツしてみるとhdaがなんとか、というエラーが出る。ディスクが壊れたのかと驚いたんだが、ファイルシステムには別状がないようだ。どうも、例のディスクアレイのコントローラがCPUに追い付かないような感じだ。いつかSCSIに替えた方がよさそうだな。
後は、後生大事にとっておいたMac用15インチディスプレイやら、1倍速CDRや、この頃の世間では見たこともない光ディスクドライバや、MacCentrisなんかを捨てた。他にも15インチディスプレイなんかはまだあるんだが、もったいないのでまだ捨てていない。不燃ゴミの捨て場が一杯になってしまうのも無理ない話しだ。
だが、君、君が余った予算で買ったカラープリンタなんだが、ネットワークにつなげるようになっていないと、すぐにゴミになるのが見えているぞ。
p.s.
Macのディスプレイなんだが、PCに使えるかとケーブルアダプタを使って試してみたんだが、だめだった。VGAにもならないのだ。残念でした。
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choreチョアの2(2001/2/13)
データセンターのカラープリンタなんだが、くっきりはっきりのピクトグラフィがなくなって、フェーザーになった。フェーザーも元はテクトロだったのにXeroxに売り渡されたらしい。で、新しいフェーザー780なんだが、トレイを指定できるようになっていて紙とOHPが選べる。Macからだとフェーザー用のPPDファイルかドライバがいる筈なんだが、DCCに相談したらMac用のそんなものはなくて手差しにするしかないし、手差しにすると曲がってしまう、とのご託宣だ。しかし、探したらちゃんとPPDファイルが見つかったぞ。今使っているOSは8.5.1だが、インストールしたらちゃんとトレイが選べて無事OHPにカラー印刷ができたな。
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サーバ強化だぞ(2001/2/26)
Ultra160SCSIがオンボードで付いている例のAthlon用MBを使ったサーバなんだが、ディスクに160SCSIの10000rpmを2台、用意してある。素直にディスクをくっ付けてRedHat6.0をインストールしたら問題なく完了した。とするとブーツディスクもRAIDにしてみたい、という気が起ったのでAdaptec のSCSI-RAIDカードを買ってみたぞ。
で、インストールしてReadmeを見たら、「Linux2.2.xではデータが壊れる可能性があるので、ソースを持ってきてコンパイルしてくれ」なんて書いてあるじゃないか。おまけに、ボード上のBIOSでセットアップしても、LinuxのインストールCDに入っているAdaptec用のSCSIドライバでは、このカードを認識しないのだ。宣伝文句ではBIOSだけでLinuxをインストールできる、なんて言っているが、どうもマニュアルに小さく書いてあるAdaptecがリリースしているLinuxのインストールCDが必要なようなんだな。詐欺じゃないの。取りあえずどうにもならないので、あきらめようか、とも思ったがしつこくAMIのMegaRAIDを試すことにした。RedHatには、これ用のドライバが準備されているようなのだ。
で、MegaRAIDが来る前に、ディスクを5インチベイに入れるためのホットスワップケースを揃えた。別にホットスワップにする必要はないのだが、ファン付きケースが他に見つからなかった、と言うのもある。ところで、用意してあるUltra160SCSIディスクはIBMのDDYS-T18350なんだが、もう、プラッタあたり30だか60だかのディスクが出そうだなんて話しがあるようだな。
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RAID道だ(2001/3/7)
SCSIのRAID道はなかなか険しいものがある。例のMegaRAIDが来たので試してみたが一筋縄で行かない。まず、雑誌UNIX User 2001/2月号の付録のVine Linux 2.1を使ってみた。こいつはカーネルが2.2.17でUSBなんかが使える。2.2.4はそろそろ出てくるらしいがこいつはPen IVのFPをサポートするようになったらPen IVと一緒に使ってやろう。その時分にはPen IV、3GHzくらいにはなっているだろうからな。
で、このVineの2.1なんだが、用意されているSCSIドライバにMegaRAIDが含まれているので、bootでexpertを選択すれば簡単、そうに見えた。が全然認識しないで「デバイスが見つかりません」でお終いだ。だが、オンボードのSCSIに繋げたディスクをRAIDカードに付け替えてやると取りあえずブーツする(勿論、ドライバが入っていないので、ルートをマウントできずパニックになって止まるんだが)ので、ハード的には問題なさそうなのだ。インストーラをexpertモードにしてカード付属のドライバをインストールしても同じく「デバイスが見つかりません」でお終いだ。
RAIDカードのささった状態で、マザーとカードのブートプロセスでは、「RAIDカードのBIOSはインストールされました」と「オンボードのSCSIのBIOSはデバイスがないので、BIOSはインストールされませんでした」なんて表示が出るな。ところが、マザーの搭載SCSIはディスクのあるなしに関わらずLinuxのブートプロセスでは認識されているので、これが邪魔しているんじゃないかと思ったぞ。よくわからんので、今度はSCSIの搭載されていない普通のマザーボードに替えてみたぞ。こうなりゃとことんつき合いましょう。
同じことを繰り返してみると、インストールの最中、MegaRAIDドライバを指定するとデバイスを調べるところで、「2 error 成功しました」なんて矛盾したメッセージが出てきてディスクを見つけられないな。それではと、雑誌UNIX User 2001/1月号の付録のRedHat7Jを試してみたら、こいつはCDを読む途中で「crcエラー」なんかが出てきて話しにならんぞ。
やっぱりMegaRAIDでブーツディスクを作るのは無理なのかと、思って探したら「やればできる」という情報もあったな。で、真面目にカードについてきたリリースノートを読むことにした。方針は、IDEにまずLinuxを構築する、カーネルを作り直してMegaRAIDを認識させる、RAID上にパーティションをきる、ファイルシステムを移す、ブートレコードを設定する、の順だな。少しいやになったな。
リリースノートにはもちろん、「RedHat6.2のインストール途中でドライバをアップデートすれば簡単だ」なんて書いてある。Vineは手抜きじゃないのか。ただだからしょうがないんだが。でソースコンパイルをすることにしたぞ。まず、Vineより信頼できそうなLaser5をIDEにインストールした。次にRAIDカードに付属のCDからソースをコピーするんだな。それから他のソースを少しいじる。それでもってmenuconfigを実行してからmake dep clean bzImage modules modules_install を実行だな。でき上がったbzImageを/bootにコピーする。
で/etc/lilo.confに書き加えるんだがリリースノートには、initrdを使う、と書いてあるな。でinitrdを作るためにmkinitrdするんだそうだ。このinitrdが何かはここのHOWTOに書いてあったな。initialize ram diskの略のようだ。つまりramdisk上にファイルシステムをテンポラリに作って途中でmoduleやら何やらをくっ付けてから本式にブートするという仕組みだな。ところで、このHOWTOの著者、内部にいた覚えがあるな。内部の人間だったらしくて、何が書いてあるのかよくわからんぞ。
initrdが何なのかよくわからないままにリリースノートに従ったらmkinitrdの後、liloを実行するとfatalエラーなんて出てくる。そこで、initrdを使わないでbzImageのコピーをそのまま参照するように/etc/lilo.confに付け加えてlilo実行後、ブーツすると全然MegaRAIDを認識しないな。確かにリリースノートには「たとえmegaRAIDのドライバをスタティックに取り込んでもinitrdを使う」なんて書いてあるんだが。カードの認識はcat /proc/scsi/scsiで見るんだが空っぽだった。この/procの仕組みもよう分からんぞ。
もう一度気を取り直してやってみた。mkinitrdなんだが、{version of the kernel}パラメータの意味がよく分からん。/lib/modules/にあるディレクトリと同じでなくちゃいけないと言われるぞ。今度は、/etc/lilo.configの後に、image=/boot/vmlinuz-megaraid; label=megaraid; initrd=/boot/initrd-2.2.7-rxxx; read-only; root=/dev/hdax をくっつけてやった(xは今覚えていないんで適当にやってくれ)。/sbin/liloした後、ブーツしたら確かにmegaRAIDカードを認識したな。/proc/scsi/scsi にも書いてあったし、fdiskでもデバイスを開けた。
この後も面倒そうだな。
p.s. (2001/5/15)
mkinitrd はこの後も何回も使うことになった。カーネルをしょっちゅうcompileしなくちゃいけなくなったからだ。で、ちゃんとした手順というのは、次のようにするのだ。
まず、make menuconfig してから、make dep clean bzImage modules modules_install する。次にbzImage を/bootにコピーするんだが、適当な名前をつけてよい。例えばvmlinuz-SMI みたいにだな(vmliuzという部分は必須なのかも知れん、調べてくれ)。それから#mkinitrd /boot/initrd-SMI.img 2.2.16-22 てなふうにすると、initrd-SMI.img ができるんで、これを/etc/lilo.conf に設定してから/sbin/lilo を実行すればいいのだ。この時バージョンの番号、この場合2.2.16-22はどこかに書いてあるんで、そいつを使う。
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SCのRAIでbooだ(2001/3/14)
SCSIのRAID設定は相当てこずった。前回はIDEにシステムをインストールしてからmegaRAIDを認識させたまでだった。で、手持ちのインストーラは何がなんでもmegaRAIDを見つけようとしないな。そこで、IDEからSCSIにコピーすることを考えた。最初はddでやってみると、うまく移動して、/etc/fstab, /etc/mtabをそれなりに変更してから、lilo.confのルートデバイスもsdaに変更してliloすると、確かにIDEでブーツしてからSCSIをマウントしてシステムがSCSIで動き出す。しかしddだとパーティションがそのままコピーされてしまうから、SCSIの折角の大容量が生かせない。
でtarで移してみる。例えば元の/usrをtarでアーカイブしてから、ターゲットの/に移動してtar xfするとターゲットの/usrが他のパーティションであってもきちんとコピーされるな。問題は/だな。やはりtarを使うとおかしなことになってしまったぞ。で、取りあえず動いたので、最後にSCSIにliloをインストールすれば出来上がりなんだが。だが、だめだった。あれこれ、コンパイルし直したり、mkintrdしたりしたんだが、やっぱりだめだった。liloがLIでストップしてしまうのだ。
ここまでマザーボードを替えてみたり、あれこれインストーラをいじってみたり、レスキューシステムを試したりしたが、どうにもならない。一晩、考えて思い付いたのが、次の手順だ。まず、マザーボード上のSCSIで(こいつはどのインストーラも認識するのだ)インストールする。次にmegaRAIDのドライバをインストールしてコンパイルする、できたカーネルをliloに認識させる、と。実際には、ドライバが旧いせいだろうが(2.2.5のディストリビューションの時には、SCSI160なんて高速なのはなかったからな)、パーティションの設定の微妙な具合でいきなりリブートしたりで、手間取ったが、なんとかブーツしたぞ。考えてみると、一番最初に戻ったような気がするんだが。
それから、やおらmegaRAIDカードをボードに差し込んで、できあがったシステムの入ったドライブをmegaRAIDにくっ付ける。するとmegaRAIDが/dev/sdaとして認識される。この時点でmegaRAIDはRAID-1の片一方しかないから、あれこれ文句を言ってくるが無視する。で、ちゃんとブーツしました。この後、RAID-1の片一方を取り付けてから、「間違いないように」、再ビルドすればできあがりだ。
で、次の日のことだ。再ビルドも無事終わってブーツして、各種の設定を始めた。nfsやらdhcpやらだな。ところが時々ハングしてしまう。リブーツして何回かfsckしないと元に戻らないことがある。どうもtarなんかで一杯書き込むとまずいことが起きているようだ。RAIDの設定を変えたり、あれこれやってみたがだめだった。そのうち、fsckでも元に戻らなくなって、megaRAIDは諦めた。
今度は1年前の雑誌の付録のRedHat6.1を使ってソフトRAIDに取りかかってみた。何の問題もなくインストールされたので、xを立ち上げてみたらいきなりハングした。リブートしてもfsckのところでパニックになってしまった。SCSI160では速すぎるようなんだな。終にお手上げだと思った。
また、その次の日なんだが、RAIDなしのSCSIをセットアップして作業していたら、やはりtarでハングしてしまう。topで見るといやにメモリを使っているし、swapなんたらというエラーがでるな。どうもおかしい。そんなにメモリを使っているわけじゃないんだから。で、ひょっとして「メモリがまずいんじゃないの。」メモリバンクを見てみると、256Mと128Mが2枚、それに64Mが入っているんだが、どうもマニュアルを見ると順番がありそうだな。64Mが途中のバンクにささっているところが問題なようだ。
で、64Mを外して、マニュアル通りに差し込んで動かしたら、何をやってもパニックにはならないぞ。つまり、メモリが悪かったんだな。だから、ロードがかかったところで、リブートしたり完全にフリーズしたりしたのだ。適当に差したワシが悪かった。というわけで、またもや2.2.17(Vine 2.1)でカーネルコンパイルに走って(インストールでドライバディスクをつっこんでもだめだったので)、元通りmegaRAIDのブーツシステムにした。ちゃんと動いているようだな。
ここで教訓だ。「あまり、新しいもんには手を出すな」だな。もう一つ、メモリがおかしくなると、ファイルシステムが全部いかれてしまう場合もある、ってことだな。
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イルカの餌付けだ(2001/3/22)
SCSI−RAID設定の再ビルドは無事終わった。例のDolphinのカードもが到着していたんだが、手間取ってしまった。クライアント用のファイルの設定なんかは、おおまかなところは、このhtmlに書いてあったんだが、細かなところを忘れていて少し時間がかかった。クライアントにexportするファイルシステムは殆ど同じなんだが、例えば etc/sysconfig/networkなんかのホストの名前は、それぞれのクライアント名にしなくちゃいけない、なんてところだ。
で、まずDolphinのカードをサーバとクライアントの2台にとり付けたんだが、ソフトのインストールがよく分からん。取りあえずマニュアル通りにやってみたんだが、クライアントからの返事がない、というエラーになるな。二つの理由が考えられる。まずはライセンスキーワードなんだが、期限切れになっているようだな。だが、期限切れ、とはインストーラは言ってこないな。だから、その前で躓いている可能性があるな。一つはrootでrloginできる必要がある、とマニュアルに書いてあるところだ。
以前はrootでも例えば/etc/hosts.equiv に書いてあったりすれば何の問題もなくログインできたんだが、linuxも一般化したせいか、こんな方法では許してくれない。この話しは大分前からなんとかしようと思っていたのだが、その方法が調べても分からなかったのだ。
あれこれ調べたら、/etc/pam.d ディレクトリの中の各種コマンド用の制御ファイルを書き換える必要があるようだな。例えばrloginというファイルにあれこれ記述してある。あるんだが、manではひっかからなくて、書き方がよくわからん。そこで、help文書をpam.dで調べたら一つだけ出てきた。こいつはブートフロッピーの作成文書なんだが、その通り書き換えたら、確かにrootでrloginできたな。
linuxも複雑になってきたので簡単に使うのも大変だぞ。
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イルカのドライバ(2001/3/23)
さて、普通に考えたら新規ハードにはドライバが必要だな。昨日はインストーラが何でもやってくれるのかと思ったが、Dolphin社のWWWに行ってみたら、ちゃんとドライバがあってこれをインストールしなきゃいけないことが分った。まあ当然か。このドライバ、カーネルにあるサイズの物理メモリを占有して、これをバッファに他のノードと通信を行うようだ。
で、tarファイルをダウンロードしたんだが、カーネルにパッチをあてることになっている。ところがサーバは2.2.17なんだが、パッチは2.2.5と2.2.13用しか用意されていない。取りあえず2.2.13用のパッチをあてたら、パッチでエラーが出て、カーネルコンパイルも当然のように失敗してしまった。
patchのmanを見たがよく分からん。うまく行かなかった場合にはバックアップが残って、xx.rejectというエラーの内容が書かれたファイルが作られる、というぐらいしか分からんぞ。で、xx.rejectを見るとincludeファイルを1行書き込むことができなかったらしいことが分った。2.2.13と2.2.17で変化があって2.2.13のパッチは十分な情報を持っていないんだろう。そこで、この尤もらしいinclude行を1行付け加えてmake menuconfigの後、make dep clean bzImage modules modules_install をしたら、最後までコンパイルした。
さらにインストールマニュアルの先を見ると、lilo.conf にカーネルに渡すパラメータを付け加える必要がある、と書いてあるな。ここで問題が起った。ワシの作っているクラスタのノードはネットワークからブーツしてliloは使わない。さて、どんなふうに、カーネルパラメータを渡せばいいんじゃろうか。
普通にはrdevを使うと思われる。だが、rdevはramdiskの場所だなんぞ、ごく限られたパラメータしかカーネルに渡すことができん。さらに調べました。で、pxelinuxにはconfファイルがあるんだが、これにlilo.cfgと同じようにパラメータを書けることが分った。なんとかなりそうだぞ。
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ドライバー連(2001/3/29)
前回の続きなんだが、ドライバはごく低いレベルのチェックは通るので、何とか動いているようなんだが、その上のレベルのコンフィギュアになるとうまく応答しなくなる。まあ、使っているボードがD330で、Dolphinの頁から取ってきたドライバがD32x用なんで、しょうがない、と言えばしょうがないんだが。
このドライバなんだが、状況が予想以上に複雑だ。まず、ハードウェアにまつわる話しだ。購入したボードはD330というタイプなんだが、こいつのドライバは実はDolphin側では用意されていない。ボードの種類はD330に統一されていくようなことを価格表に書いてあるので、そのうち出てくるんだろうが、とにかく今は見つからない。日本の代理店に聞いてみたが、あります、といっていたWeb頁にはないのだ。実にいい加減な代理店だな。
じゃなぜD330ボードが販売されているのかというと、Scaliという別会社がWulfKitとして、ドライバとMPIソフトとをこみで開発しているのだ。このScaliという会社、Dolphinとは別ながら同じ販売チャンネルを使っているところがまぎらわしい。というよりScaliはシステムのインスタレーションやサポートで商売しているらしい。で、ドライバについてもD32xまではDolphin側のドライバはカーネルでドライバ用メモリを確保する必要があったのに、Scaliのソフトではその必要がなくなっているらしいのだ。
で、このScaliソフトなんだが、まずインストールの途中でライセンスキーを要求するところがいやらしい。おまけにこのキー、最初はデモキーということで有効期限が1ヶ月位しかなくて、しょっちゅうメールでもらわなきゃいけない。パーマネントキーもあるようなのだが、インストールが完成してからユーティリティを動かして、まず要求フォームを作らなきゃいけないといういやらしさだ。おまけに、このデモキーをもらってからも、インストール自体が、Scali側の指定した通りの環境でないとうまく行かないようなのだ。例えばカーネルは2.2.16が要求されていて2.2.17ではWarningが出たりするのだ。おまけに付属のGUIを動かすのにOpenGLのlibがいる、なんて言ってくるぞ。取りあえずインストールを済ませたんだが、どうもハードが働いていないようなのだ。しかもハード回りの情報が殆どないので、どこがまずいのかが判然としないな。
その他にもScaliには気に入らないところがあるぞ。このシステムはあくまでもノードクラスタで完結するという考えだ。つまりDolphinのカードはScaliシステムでは、ノード間を結合するためにだけ用いられていて、サーバがノードの一つとなる、という考えがないようなのだ。そうすると、ワシが重要と考えている、ノードの計算結果を取りまとめる、という部分がデータ転送のボトルネックになるんじゃないのか。
Scaliには嫌気がさしたので、他を調べるとMPICHというMPIのリリースがあって、この中にDolphinのD330カードをサポートするドライバが用意されていることが分った。ところがこのWeb頁、いくらftpリクエストを出しても、全然送ってこないんだな、これが。これで丸二日間もトライしているんだぞ。
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イルカは要るか(2001/4/6)
ドライバやら何やらどうも見通しが悪いぞ。つまり関わっている人間が段々に少なくなってきて、情報も少なくなっているのだな。こうなるとPtoPしかなくなるわけだ。というわけで、まずDolphin社のカードのドライバからだ。このカード、そもそもSCI-PCIカードというんだが、SCIは、IEEE/ANSI 1596 -. 1992 Scalable Coherent Interface (SCI) protocolsからきているんだそうだ。だが、これを実現しているインターフェースカードは実のところDolphin社のものしかないらしい。で、そのドライバもDolphinと例のScaliにしかないようなのだ。
まずD330カードの件なんだが、Dolphin社にメールで聞いてみたら、D330カードはPSB66という通称で呼ばれているらしい。PSB32とPSB64の両方のPCIカードを兼ねているという意味らしいぞ。だが、このオプションはDolphin社のWWWページにあるドライバソフトパッケージには含まれていないのだ。またもメールを出したら、実は社内用のftpサーバにあることを教えてくれたので、ダウンロードした。Macでダウンロードしたので、Fetchをbinaryにしなくちゃならないのに気が付かなくて少し手間取ったな。おまけにドライバをインストールする時、linux-2.2.16が要求されていて、ワシの使っている2.2.17用にはscriptを修正する必要があったぞ。だが、取りあえずドライバのインストールはできたようだ。
そこで、やっとこのSCIカードを使う段になったんだが、現在使っているLAM-MPIでは、少し探したんだがサポートしないのが分った。やっぱりMPICHに含まれているSCI-MPIというパッケージを使うしかないようだな。MPICHは元々は米国のANLで開発されたようなんだが、ドイツの大学のサーバからダウンロードした。で、このSCI-MPIは、SMI(Shared memory interface)なるNUMA(Non-uniform memory access)型並列コンピュータ用に開発されたAPIをベースに使うようになっている。で、このSMIは、各ノードにrankを与えて、制御するところはMPIに似ていなくもないが、これをダイレクトに使うのは非常に面倒なようだな。だから、SCI-MPIでは単なる高速なメッセージパスとして使っているんだろう。だから、最後まで到達するには、カーネルのパッチ -> SCIドライバインストール -> SMIインストール -> SCI-MPIインストール、という長い手順を踏まにゃいかんのだ。おまけにまだ、クラスタノード用のカーネルを作っていないんだが、これも面倒そうだな。
さて、SCI-MPIでは32bit-PCIで、74MB/sのパフォーマンスが出る、64bitではこの倍、と言っているんだが、これだけの手間とカードを買う金をかけて果たしてペイするのかを考えなくちゃいけないな。もっとも、この評価をするのが、Dolphinのカードを買った目的なんだが。1000base-Tの性能評価についてはSoftware Design誌の2001/3-4月号にあるな。linuxの2.2.18で試したら100base-Tとあまり変わんなかった、というレポートだ。linuxのtcpスタックが遅いというのはよく聞く話しなので、1000base-Tがまともに使えるようになるのは、2.2.5のあたりか。結論としては、金があるなら、1.5年くらいはDolphinカードのアドバンテージがある、というところだな。
ところで、PowerBookにOS-Xを入れたんだが、悪くないぞ。ただし、termではsuが使えなくて(パスワードがはねつけられる)、sudoを使わにゃいけない、というところで少しはまった。インストールしたままではきちんと動かなかったapacheのconfファイルをいじろうとしたら、chmodをする必要があったからなんだな。だが最終的にはうまく働いたぞ。
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パッチは夜なべ(2001/4/10)
作業は続くぞ。前回に引き続いて、実際にクラスタノードのカーネルを作ってリモートブートまで持っていかにゃいけない。まず、カーネルは面倒を少しでもなくそうと、サーバBOXの2.2.17ではなく2.2.16にした。これにbigphysareaというパッチを充てなきゃいけない。Dolphinカードのローレベルドライバが常駐のメモリエリアを必要とするからなんだな。だが、マニュアル通りではうまくいかないとことろがあるんで、xx.c.rejectの結果を見て、手でパッチを充てるんだぞ。
それからmake menuconfig でコンパイルする。ところで、pxelinuxはカーネルをtftpbootを使ってクラスタノードにインストールするんだが、その前にdhcpを使ってipを取得する。だから、コンパイルする時にはbootpやdhcpなんかのクライアントはサポートしなくても良いような気がするんだが、どうもpxelinuxは自分の仕事が済んだら、さよなら、ということらしい。だが、"The Linux BootPrompt-HowTo" によれば、nfsルートを使うためにカーネルにipアドレスを渡すことができるので、この方法を使えば、カーネルにdhcpを組み込む必要はなくなって、少し、カーネルサイズが小さくなる、という利点はある。だが、結局のところ、手間ひまかかるのは同じだな。後は、Dolphinカードのドライバがモジュールを要求するので、Loadable module をサポートしておかなきゃいけない。もちろんnfs rootもだぞ。
さて、コンパイルしてbzImageを作るんだが、これはデバイスとしてサーバにあるディスクが指定されている。これはrdevで変えなきゃいけないんだが、あらかじめ mknod /dev/boot255 c 0 255 なんてふうにデバイスを作っておいて、それから rdev bzImage /dev/boot255 みたいにしなくちゃいけない(どうしてだか分からんのだが)。こうしないと、ノードの側でカーネルが展開されてから(カーネルはrdevしなくてもノードで展開されるんだなこれが)、nfs root を取得できないのだ。じゃ、BootPromptにnfsルートパラメータを渡せば、rdevしなくてもいいんだろうか? そのうち確かめてみよう。
取りあえずは、次にbigphysarea のサイズを指定しなきゃいけない。サーバではliloを使うんでlilo.conf にappend="bigpysarea=1024" みたいに指定するんだが、クラスタノードの場合、pxelinux.conf に同じことを書く必要がある。コマンドの展開の都合上、liloでは""が必要だったが、pxelinux では、これを append bigpysarea=1024 みたいに書いておくのだ。
ところで、Dolphinのカードがいつまで有効か、という話しを前回もしたが、FireWireを使うというのも十分ターゲットの範囲内だな。調べたらやはりあったな。日本のグループもあるぞ。ちょっと見では、なかなかいけるんじゃないか、tcpシミュレータもありそうだし。
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イルカ勢揃い(2001/4/11)
以前にも書いたが、Dolphinのカードとケーブルは3組用意してある。そこで、ノードをもう1個セットアップした。Dolphinのドライバは各々のノードでセットアップしなくちゃいけない。このあたりのツールは、サーバの/homeにおいて、これをnfsで各ノードが共通にマウントするようにしてあるんだが、特に問題はないようだな。Dolphinのツール(例のDolphin社内のFTPサーバから持ってきたやつなんだが)で./dv-installするとドライバがインストールされて./sciconfigで各ノードをコンフィギャすることになっている。
各ノードはidを持つ必要があるんだが、ノードはクラスタになって、あるリングを構成することになっている。このリングがスイッチポートを通じて繋がる仕組みだな。で、このスイッチポートの例えばスイッチ0のポート0に繋がるリングのノードは0から60までのidを持つことになっている。また、どういうわけか、idは4の倍数である必要がある。だから、各リングは最大15のノードから構成されることになるな。Dolphinは6ポートのスイッチを売っているんだがこれが\720,000だな。結構な値段だ。
で、idをセットアップしてから、どこかのノードから./scidiagでダイアグノスティックをかけると、リング全体を調べて結果を教えてくれる。とりあえずokが戻ってきたな。
ところで、この数日、昼間の室内が30°Cにもなってしまう。天井裏のせいもあるんだろうが、季節的にちょいと早すぎる気がするな。桜も1週間早かったし、温暖化が現実化してきたような気がするぞ。
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インストール道(2001/4/27)
ゴールデンウィーク直前となったな。SCI-MPICHパッケージのインストールはなかなかうまく行かないぞ。このMPIパッケージはMP-MPICHと言うんだが、このパッケージはSCIもサポートしているので、その部分はSCI-MPICHと呼ぶのだ。で、前にも言ったが、SCI-MPIを動かすためには、まずSMI(Shared memory interface)ライブラリをインストールしなければならない。この時、SMIがDolphin社のSISCIカードのAPIを使うわけだ。しかし、もっと別の名前のつけ方がないもんか。ややこしいぞ。
で、まず、SMIのディレクトリに入ってconfigureするんだが、この時、SCIをサポートするために、Dolphin社のWWWからダウンロードしたSISCIライブラリが必要だ。#configure --with-sisci=/usr/local/SISCI という具合にライブラリの場所を指定してやるんだが、これがうまく行かない。MPICHの開発元であるドイツの大学の関係者と何回かメールをやりとりした結果、SISCIライブラリのツリーが、configure の予測しているものと違っていることが分った。まあ、仕方がないんだが。その後、なんとかconfigureはうまく行ったんだが、次のmakeでまたエラーが出てしまうな。これもMPICHの開発元に投げたんだが、時間がかかるぞ。
そうこうしているうち、世の中も変わってきているな。皆が半信半疑だった、PS2のlinux kitなんかも出たな。ネットワークブーツなんぞはまだできないから、すぐにクラスタのノードにする、なんてのは無理だが。AMDの64bitチップも今年中に出るそうだし、 安い早いうまいは 、当分続きそうだぞ。
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イルカの追い込み(2001/5/14)
さて、休みも終わってMPICHの開発元からメールが届いていて、SMIについては結局、新しいバージョンを開発用のページからダウンロードすることで解決した。次にSCI-MPICHをconfigure してmakeする。それからexample をコンパイルして実行してみるという手順なんだが、サンプルのmakeでエラーが出るぞ。
またまた開発元に聞くと、LINUX用の開発がまだ途中なんで、との答だ。それによると#./configure --with-sisci=/usr/local/SISCI --with-smi=/usr/local/SMI --disable-romio なんてふうにしなきゃいけないと言う。マニュアルには書いていないんだが。まあ、これをやり直して、再度、例題を実行すると、今度はデバイスエラーだと言ってきた。これも聞いてみるとSCIカードが動いていないんだという。調べたら、確かにSCIカードが動いていないようだ。以前に動作を確認したのでOKだと思っていたんだが。一旦インストールすると起動用のスクリプトが作られるんだが、どういうわけか、スクリプトの中で指定された実行ファイルと実際のファイルの名前が違っていた。一つにはサーバが2.2.17でノードが2.2.16のせいもあったらしい。よく分からんのだが。
/SISCI/sbin/dev-install をadd をつけて動かすと起動スクリプトが/etc/rc.d/init.rd/に作られる。これが毎回起動しなくてはいけなかったわけだ。で、mpirunを実行したら、動くことは動いた。SCIの速度計測サンプルもあって70MB/secぐらいのパフォーマンスが予定通りでるようだぞ。ところが、サーバも計算ノードの一つとして組み込むとabortされてしまうんだな、これが。サーバ単独では動くんで何か問題がありそうだ。マニュアルによると「mpirunをinvokeしたノードではプロセスは実行されない、だが、machinesファイルに書いてある場合には、最後のプロセスを割り当ててやらんでもない」、というような書き方がしてあるので、「問題が起きないでもない」ということなんだろか。これも開発元にメールを出したぞ。
ところで計算工学Vol.6,No.1 2001に「PCクラスター〜その製品概要と動向〜」なんて記事がある。これによればPenIII-1GのSPECfpはAlpha-833Mの丁度半分だな。だが値段は1/10以下だから、Alphaを買うなんてのはもはや物好きだけになってしまった。この記事はノード間の接続システムについても紹介がある。SCIも取り上げられているんだが、Myrinetなんてのもある。こいつはipエンカプセルができるようだな。ただし値段が1ノード15万円位でSCIより高めだし、最低8ポート50万円はするスイッチが必要だ。こっちの方がよかったかも知れん、余裕があればの話しだが。一方、全体コストを考えると、AppleSeedみたいにMacを使ってもいけるかも知れないな。なんといっても1000Baseが最初から入っているし、MacOSのプログラム間通信機能がダイレクトに使えるからな。だが、Macだと、これが消耗品では買えないんだな、これが。どうも先立つものの話しになってしまうところが残念なところだ。
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昔の落とし穴(2001/5/15)
サーバでmpirunが動かない話しだったが、開発元からはすっきりした答が返ってこない。こっちでも見直したら、マニュアルにlinuxの場合、カーネルをいじらにゃいけない、なんて記述があるのに気がついた。メモリのバッファのサイズに関する部分なんで、変更しなくてもいいんじゃないか、と思っていたんだが。
そこでカーネルを書き換えてからコンパイルしたんだが、nfsエクスポートしなくなってしまった。/sbin/exportfs -a とするとnfssvc関数が定義されていません、なんてエラーが出てくる。ここで丸1日はまってしまった。nfsサーバは大分昔に設定していたから、今さらmake menuconfig でひっかかるとは思ってもいなかったぞ。最初は、どうしてもnfsサーバが設定できない、というのにはまった。つまりnfs-fsを選んでもnfs-serverの選択スイッチが出てこなかったのだ。そこで/usr/src/linux/arch/i386/defconfig にデフォルトがあるんで、これをロードしたら、初めのうち、nfs-serverのスイッチが見えているのに、そのうち消えてしまうのだ。
相当悩んで、バグじゃないか、と疑ってみたりしたんだが、最後に分った。menuconfig の最初の設定スイッチである、Code maturity level option =yes にする必要があったのだ。つまりnfsはサポートしているが、nfsサーバはまだα段階と看做されている、てことだったんだな。こいつはWWWを探しても見つからなかった。昔は何も考えずにこのスイッチが入っていたのだが、linuxに慣れて来て、取りあえずは何も設定しない、というやり方が、落とし穴で、見事に落っこちたわけだな。ついでに動いていたdhcpまでも最後に動かなくなってしまってあせった。まあ、これはbootの時に、packet filttering がどうこう、というメッセージが出るんで、どうすればよいかは、気がついたんだが。
linuxの設定は、穴だらけの道を歩いているようなものだ。一旦はうまく通れても、二回目にはまったりするな。つまり、通った後には、できるだけ、ここは安全、という目印の旗を立てておかなきゃならない。おい、君、一寸時間がかかり過ぎるんじゃないの。
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イルカに手綱(2001/5/16)
変更しなきゃいけなかったカーネルのソースは/usr/src/linuc/include/asm/shmparam.h だ。サーバには2.2.16と2.2.17の両方があるんだが、ついでにノードのバージョンと同じ2.2.16にしたのが昨日までの話しだ。2.2.16ではUSBを使えないんだが、取りあえずは問題が少ない方がいいだろう。
で、やっとノードのブーツもうまくいったので、SCI-MPIのサンプルのテストを実行したら、ようやく、ちゃんと動いたな。始めてから二ヶ月近く掛かったことになるぞ。イルカはまるっこいだけあってharnessを掛けるのが大変だ。これまでを振り返ってみると、問題点が多々あるな。
まず、SCI-MPIはlinuxのカーネルをいじらにゃいけない。最低でもbigphismemの部分とshmparamの二ケ所だな。性能を出すためなんだろうが、MPIの内部に組み込まれる必要があるというのも何かと面倒だ。使う方から言えば、tcp-ipにエンカプセルされていた方が見通しがよいな。また出自からなんだろうが、SMIというソフト的な階層がドライバとAPIの間に挟まっているのも話しを複雑にしている。サポートの部分もDolphin社とSCI-MPIの開発の両方に聞かなきゃ分からんというのも面倒だな。だから、例のSCALI なんて会社があるんだろう。
ただ、コストから考えると、適当と考えることもできるな。ソフトが大学で開発されているのも、利点だ。ということで、次に予算ができたらどうしようか、ということだ。Firewireなんかが面白いかも知れん。
しばらく手を付けていなかった。Dolphin社のカードを残りの3台分購入して、ハードに差し込んだだけだったな。そうこうしているうちに、例のニューヨークテロがあったり、そのせいで出張が取り止めになったりして、気持ちが萎えてしまった。だが、そろそろ涼しくなったので、また始めようじゃありませんか。
ところで、Pen4はSSE2なる浮動小数点ユニットが付いているんで、Alpha並みの速度が出るらしいんだが、相変わらずgccなんかは変わっていないようだ。ProFortranが7.0になって"FPUコントロール機能"が付いて以前のバージョンより速くなった、と宣伝文句には書いてあるんだが、SSE2サポートとは書いていないな。どうもまだまだのような気がする。だから、Pen4のボードの購入に走るのは少し早いようだな。
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死ぬなよ8500(2001/11/8)
別の仕事を始めて、衛星データ、といってもAVHRRのデータ解析なんだが、二次元データなもんだから、Mathimeticaで取り扱うとやたらとメモリが必要だ。今のメインマシンの8500には640MBも積んでいるのにこれでも足らない。Mathematicaのカーネルのメモリ使用インディケータの目盛りがどんどん上がっていって、もう少し、というところでメモリがなくなってしまう。Mathematicaを止めてIgorにしようかと思ったが、何でもできるMathematicaでやるとやっぱり便利だ。
そこで、128Mを8枚も買い込んで1Gにすることにした。とりあえずメモリを総取り替えして、ブーツしてみたら128M分だけ足らない。もう一度開けてみたら、古いまんまのメモリがしかも中途半端に差さっているじゃありませんか。ボケが進んだか。まわりを見回したら確かに1枚残っていたので今度は差し込んでから確認した。
で、話はここからだ。あちこちのコネクタを元に戻して、リセットスイッチを入れてもうんともすんとも言わない。こりゃ接触不良が起きたのか、それともボードが壊れてしまったのかと、あれこれ、いじってみたがらちが開かない。そのうち、リセットボタンを押した時、かすかな音がして電源のファンが僅かに動くのに気がついた。電源が壊れてしまったか。参ったね、というわけで、古いマックを開けてみて、同じ電源がないかと探したが、やはりなかったな。
こりゃ、新しく買うしかないかと思ったが、買ったばかりのメモリがいかにも勿体無い。やはり修理に出すか、ということで、CPUアクセラレータをオリジナルに戻し、高速SCSIボードとミラーディスクを外し、そこんとこで確認のためリセットボタンを押すと、動くじゃありませんか。
つまり、電源の容量がぎりぎりなんですな。でも一度動いたんなら、ファンの油が固まっていて起動の時の電流が足らなかった可能性もあるので、最初にメモリを全部さしてと。動きます。次にミラーディスクを取り付けてと。動きます。SCSIボードを差しても動いたね。じゃ、とコネクタ全部を差し込んでリセットすると、一寸動きそうなそぶりをしてから黙ってしまうんんだね、これが。それじゃと、USB+ファイアワイアボードを外すと、おい、動くじゃないか。
だが、USBはPalmのシンクロに使っているので外したくない。で、フロッピーを外してやったら、おお、動きました。USBのフロッピーが用意してあるから、必要な時にはUSB経由でよい、という寸法です。
だが、この調子だと、寒い朝、電源のファンが固まっているような時には起動しなくなる恐れがあるな。その他にもディスプレイをもっと大きいのに換えたいと思っているところへSXGAで85000円なんて液晶が出てきたので、受託の消耗品で買っておきたい。だが、たぶんビデオメモリが足らんだろう。メモリを追加しても電源に余裕がなさそうだし、たぶん8500の内蔵ビデオじゃ能力不足だろうから、ビデオボードが必要になるんだろうが、やりくりしても電源の容量に空きはできないだろう。
ということで、しばらくは我慢の子だな。期末に余裕があればディスプレイを買っておいて、来期にマックを更新するという段取りかな。8500もあと一息がんばてもらわにゃいけない。というところニュースを見ていたらIBMが出した3.5インチは40GB/プラッタで120GBなんてモデルを出したな。2.5インチのTravelstarで60GBなんてのも出たが、本当に使い切れるのか、なんて議論が冗談ぬきで起きそうだぞ。
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G4こんにちは(2002/9/25)
月日の経つのは早いものだ。私も人並みに早いことが実感できる年になったな。ということで、前回以来、約10ヶ月か。Macの8500は何とか頑張ってもらっているのだが、Power Mac G4の新型が出たというのでもう、そろそろ潮時だろう、ということで発注した。申請書を書いている途中で調べたら、8500を使いはじめて5年が経っていることになっている。もう、元は十分とったと言えるだろう。
G4の現物は10月に入らないと来ないようだが、OSX10.2はPowerBookに入れてみてあれこれ試した。メーラーが前のバージョンでは今ひとつだったのが改善されているし、プリンタやらサーバのアクセスにも問題がなさそうなので、普段使いにG4-OSXを充ててもよかろう。発注したG4は1.25GHzのツインCPUを奢った。本来ならIBMの最新CPUになってもいい時期なんだが、相変わらずCPUの開発速度は遅いな。Macにまで2GHzあたりがまわってくるのは来年以降になりそうと思ったのも、今回発注した動機だ。
さて、binbowスパコンの話しだが、今年は話があまり進まなかった。ただ、ハードウェアについては予想通りと言うか、1000Tベースにする準備が整ってきた。玄人志向が8ポートのハブ(GSW08AL-HUB)を3万円あまりで出したし、カードの方は1万円を切るようになったな。カードについてはIntelのPro/1000T Desktop Adapterを購入済で、これが例のディスクレスブーツをサポートしているのは確かめてある。ところでこの1000Tアダプタなんだが、ロウプロファイルが用意されているとIntelのWWWページにあったので追加注文してみたのだが、うまく手に入るかどうか。
ネットワーク関係は値頃感が出てきたんだが、Pen4になってから、ノードになるべきボックスに小さいものがなかなか出ないな。熱設計がかなり難しいと見える。MCJのCube-50なるPen4 対応ベアボーンを買ってみたが、思ったほどには小さくなっていない。どうしてもCPUクーラーの高さとその後の空気の流れを引き受けるボックス背面のファンのサイズが必要なようで、薄くできないようなのだ。おもしろいことに、このCube-50ベアボーンなのだが、AMDのCPU用もあって、これはファンなしCPUクーラーとこれをヒートパイプでつなぐボックス背面のファンが組みになっている。この方式ならもう少し小さいのが現れそうだ。
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まだまだ道は遠いぞ