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2010年以前はこちら




B級グルメ

プレミアムバーガー

このところ四六時中ジェンマに乗っていなくちゃならないような気がしているので、ランチはシアトル系のカフェでサンドイッチ程度をとることが多い。しかし、そんな自分でもたまには脂ぎったものが食べたくなるので、何にしようかと考えて、ハンバーガーがよかろうということになった。はやりのプレミアムバーガーだ。ジェンマに乗っているので、今までは交通の便を考えると候補にすらならなかった店でも十分にターゲットとなる。

ググってみると駒沢のあたりに、このプレミアムバーガーの店が何軒か集中しているらしい。カフェも集中していて駒沢は中々良い所だ。で選んだのがエーエス クラシックス ダイナー。駒沢のオリンピック公園を通り過ぎてすぐの駒沢通り沿いにある。オリンピック公園沿いの通りにはいつも車が駐車していて、バイクも止められそうなのもポイントだ。

店に入ったのは1時も大分に過ぎたあたりだったので客は殆どいなかった。注文したのは、ハンバーガーにチェリーコーク。ここのハンバーガーのポイントは峰屋のパンズだろう。パンズの存在感がすごい。パティと野菜はそこそこと思う。もちろん値段も値段なのでまずくはない。こっちも脇目もふらずに食べた。店の説明によるとバーガーを上から押しつぶしたうえ、紙が三角になったバーガーバッグに入れてソースが垂れないように食べることを推薦しているらしいが、こっちはそのままソースを皿にだらだら垂らしながら食べた末、今度はフライドポテトをこのソースにつけながら食べたのだった。

(2011/1/某日)

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行きつけのバル

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チョコレート・ケーキも入ったチョコレート・パフェである

バイクで走り回るようになって、行きつけのバルができた。以前に何度か入ったことはあったのだが、ほぼ隔日で早朝に行くようになって、何時の間にか馴染みとなった。早朝、ごみの収集車やら酒の配達車やらが通りに目立つころ、まだ取り締まりの二人組も現れまいと、店の前に路上駐車して、バンコ(立ち飲み)でコーヒーを飲んでいる。以前、会社勤めの頃はコーヒーは好みの飲み物ではなかったのだが、酒を飲む機会が減るにつれ身体の方が変化したらしく、コーヒー好きとなった。コーヒー好きといっても、いわゆる難しい顔をしたマスターが丁寧にドリップで淹れる、というのではなく、エスプレッソ・マシンでさっさとカップで出されるコーヒーの方だ。

とりわけ寒い時期にバイクで冷えた指先を暖めるのには、一杯のカプチーノが欠かせなくなった。カプチーノを飲みつつ、たわいもない会話を交わして、さらりとまたドアをくぐってバイクに跨がる、というのは、早い朝の御陰で充分に長い一日の始まりとしては、なかなかハマりがよい。

この店、スタンプ・カードがあって毎回、勘定をトレイに金と一緒に出してはスタンプを押してもらうのだが、通う回数が多いこともあって、割合に早く貯まっていく。この前は、バリスタが作る創作スイート、というカードを貰って、そのカードを使って、だしてもらったのがチョコレート・パフェだ。その他にも自分で絵を書くカプチーノであるとか、まかない飯を出してくれるであるとか、スタンプの数によってあれこれと工夫された特典が繰り出される仕組みになっている。

もちろん、この店が気に入っているのは、バリスタと朝の挨拶をしたり、天気の話をしたり、昨日はどこそこに行ってきただの、のたわいもない話のできるところだ。シフトで変わるバリスタとも全員、顔馴染みになるというのは、楽しいものだ。今日も寒いね、がいつの間にか、いやー、朝から蒸し暑いな、こっちは雨降った?途中で降られちゃったよ。明日も猛暑だってさ、なんて話が交わされるようになった。こんな暑い日には、シェカラートが良い。エスプレッソとミルクと氷をシェーカーで振って、スプマンテのグラスに注いだ飲み物だ。いや、シェカラートってさ、飲むとハアーってなるよね。そうですよね、私もこの前自分で作って、ハアーってなりました。

(2011/7/21)

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横須賀PAのハンバーガー

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横須賀で有名なハンバーガーであるらしい
横浜横須賀道路を終点にむかってまっしぐら、の途中、バイクで飛ばすばかりでは、如何なものか、という声に従って、横須賀PAに寄ってみた。横須賀バーガーをPAで売っているという情報が頭の隅にあったこともある。横須賀は米海軍基地のある関係を引っ張って、横須賀バーガーなるご当地グルメを展開しているらしく、それらの店の一つであるらしい、特製らしく思われるバーガーを食したのだった。ピクルスとチリソースは自分で好きなだけかけてくださいね、と言われて多めにかけてみた。

ネットの記事で読んだ程ではなかったと思ったが、自分の味覚はあてにならないので、これを読んで信用することのないように。こういう記事を書くところをみると、自分、意外にハンバーガーが好きらしい。サンドイッチも好きなのだが、つまるところ、食べるのが面倒くさくなってきた、というのがあるのかも知れない。余計なお世話であるが、ドブ板という単語はこの場合、なくした方が良いのではないか。

横須賀ドブ板ハンバーガー 480円である。

(2011/9/7)

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能登のおやつ

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珠洲の道の駅で購入したおやつ。中身は既に手をつけてある

能登は珠洲への一泊二日のツーリングを楽しんだ。そのおり、珠洲の道の駅で購入したおやつ、二種類である。ひとつは「かたやき」。堅やきは北陸で広く親しまれているらしいが、元々はヨーロッパ系であるらしい。その名の通り、いやそれ以上に堅い。不用意に齧ると、年寄りの歯は欠けて仕舞うかも知れない。

現地ではどのように食べているのだろうか。当然、お茶うけであろう。ふと思いついて、お茶に浸しながら食べてみた。なるほど、堅いまま齧るより、おいしいかも知れない。「失われし時を求めて」では紅茶に浸したマドレーヌの味から話が展開するというならば、お茶に浸した、「かたやき」から物語が展開してもよいのではないだろうか。そうでもないか。

もう一つが、かたくりだま。片栗粉と砂糖を固めたもので、水でゆるめてから、お湯をさしてかき混ぜると、独特のおやつが出来上がる。筆者の子供時分に、母方の祖母にせがんで、よく作ってもらったものと同じものである。一瞬にして気付いた。母方の祖父が子供の時分、明治27年に珠洲郡小木村から転出していたのだが、その妻、母方の祖母も能登に縁の深い人であったのだ。 (2011/10/12)

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がっつり肉@肉の大山

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揚げ物に飢えていたのか?エビフライはまだか

ワレも肉が喰いたい時があるんじゃ、年寄りだとて菜っ葉ばかりじゃイケンのじゃ。なんて何処の言葉か解らないセリフが頭に浮かんだので、肉を喰いに行くことにする。しかもワインじゃなくてホッピーも一緒に飲みたい、となるとほぼ此処しかあるまい。御徒町の「肉の大山」だ。普段は店先の立ち飲みばかりか店内までも客でいっぱいであるのだが、まだ宵の口にも早いくらいなので空いている。しかし、この暑さでもあるので、迷いなく店内を選んだ。

誰も待っていないし席も空いているのに、ウェイティング・リストの紙に名前を書かされて、席は空いていても少し待たされた。別に気になるほどの時間じゃない。これから夜の部らしく、その手順通りにやらなきゃ気が済まないとみえる。カウンターに案内されたので、間髪を入れずホッピー・セットを頼む。取りあえずの「やみつきメンチ」も。ホッピーを一口飲んで、メニューを眺めるとこれから肉を喰らうんだというテンションが上がってくるのよ。

最初に頼んだ「やみつきメンチ」を齧りながら、あ、うまいなこれ、追加の注文をする。えーっと、150gのステーキとコロッケと特製メンチと、それにあれだな海老フライを二本も。がつがつと喰っていると隣にサラリーマンが座らせられて、というのもこの店、店員がカウンターであろうが席を指定するのだ、ビールを頼んでいる。大ジョッキだな。ああビールも飲みたいな。そのうち、聞くともなしに携帯に話す声が聞こえてきて、「今、同僚と飲んでてさ、もう少し経ったら帰るよ」なんて家の奥さんに連絡してるらしい。同僚なんていないじゃないの、きっと、事情という程じゃない理由なんぞがあるんだろうけど。

エビフライにはタルタルソースが好きなんだけど、ま、別に構わないよ。ホッピーセットのナカもお代わりして油分たっぷりの独り飲みだった。何が良かったかと言って、これだけ頼んだ後の驚くべき勘定の安さだったね。(2012/7/20)

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門前仲町のあの居酒屋

門前仲町の「あの」居酒屋は開店同時に常連がなだれ込んで、その後はもう誰も入れやしないという噂の店だが、たまに店の前を通っても、何時も噂通りいっぱいで入れやしないという店でもあるのだが、今日は土曜の所為か、たまたま開店から間もない時間帯だった所為か、独りだった所為か、すんなりと席に着くことができた。

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この店の最高峰大トロの刺身

刺身や天ぷらがメインの店でホッピーもないので、少し迷って「お酒」にした。燗か冷やかと言うので冷やにして、最初はマグロブツだね、直ぐに両方揃って目の前にやって来た。刺身の類いは目の前にある冷蔵ケースに用意されているらしい、なるほどね、ラップに押さえつけられていた格好が残っていて、少し乾いているけどこんなもんでしょ。狭い店に客を詰め込むためにカウンターは折り畳まれた紐のようにあるいはDNAのようになっていて、いやでも対面で酒をのむお一人さま、アベック様、オヤジ二人連れなんぞの酔っぱらいの様子が目に入ってきて、これはこれで楽しいかも。

客の回転は意外に早くで、次から次へと新しい客がカウンターに座っていく。なるほどね、ここは淡々と酒を飲んでいかなきゃいけない場所なんだな。ということで次は升酒と小柱を頼む。小柱は刺身なんだがやはりかき揚げがベストかね。一個ずつ醤油を付けてはちまちまと口に運ぶのは年寄りのリハビリに似ているな。箸を使うのはボケに良いというくらいだからな。

刺身ばっかりじゃアレなんでコチの天ぷらも頼んだ。あ、升酒もお代わりお願いします。はい、コチがやってきました。揚げたてなんで美味しいね。ま、下ごしらえに少し難があるけどね。時間がかけられないというのは分るよ。熱いうちにコチを片付けて、店のお品書きをキョロキョロしてると「大トロ刺身」の札が目に入った。絶対的には安いんだが相対的にはこの店の最高額のつまみで、いわばこの店のフラッグシップで、この店の横綱格で、これを食べればこの店の全てが分りますよというつまみだね。若干の気合いとともに注文した、「大トロ刺身お願い」。

この前の三崎漁港でも思い知った筈なんだが、同じ結果だった。つまり分類から言えば確かに「大トロ」なんだが、筋がわんさとある部分に、包丁を最高度に扱うのは時間がかかり過ぎてコスト超過になるので、ざっくり切り分けて後は客任せという仕事だ。ま、元々寿司ネタにはどうにもできない残り部分だね。養殖の餌が油に替わって溜まっている感じの、すごーく油っぽくて、口の中でとろけるというよりは、醤油でなんとかしろという刺身で、お勘定してしばらくしたらきっと気持ち悪くなるだろうという予感がした。

これは何とかしないといけないということで、帰る途中に馴染みのバルに寄って、スタンプが溜まったのでもらったコーヒー券を使って、マキアートとエスプレッソを二杯続けて飲んで、気持ちの悪い油っぽっさを口の中から洗い流して、やっと人心地ついたのだった。(2012/7/21)

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セクスィーな美女の紙巻き

ネットをブラウズ中に見つけて気になっていたバーに行って来た。ウリはセクスィーな美女が紙巻き煙草を手巻きしてくれるというところだ。駅から近かったのですぐに見つかった。狭い階段を二階に上がると椅子席とスタンディングに別れていて、客が二人、スタンディングで居ただけだったので、そのあたりに加わった。ウィスキーはアイラが揃っていたので躊躇なくカリラを頼んだ。

kamimaki
マスターにもらった特製の手巻き

さて、煙草を手巻きしてくれるのはカウンターの美女の筈なんだが、いやに日本語の上手い外国人が居て、
「マスター、どっから来たの?」
「え、僕山形だし」
「山形行ったことあるけど、マスターみたいな人は少なかったな」
「整形してイイ男になるってのもあるんじゃ」
「なるほどね、そうかも」
「で、どれしますか、スタンダードとフレーバー」
「こっちのスタンダードを」

なんてな具合に選ぶと、マスターは小さな紙を広げてに刻んだ煙草の葉を置いてから器用に巻く。最後に端を舐めて紙巻きを仕上げ、火をつけてくれた
「どう?」
「ま、いけるよ。でもこの店は美女が巻いてくれるんじゃなかったっけ」
「え、僕じゃいや?」
「端を舐めたし」
「じゃ女の子呼んで巻き直す?」
「いや、いいよそのままで。あまりマスターにばかり巻いてもらって、マスターが好きになってしまうのも困ると思って♡」

吸ってみたが葉巻程は強くなく、香りも割と軽めだな、
「フレーバーは嫌い?」
「いや、そんなことないよ。コーヒーでもハワイのはフレーバーものが結構あって、好きだよ」
「じゃこれとこれがそうなんだけど、やってみる?」
「じゃ、パイナップル・フレーバー」

そのうち女の子もやって来たが手巻きはできないようで、紙巻き器で巻き始めようとすると、くだんのマスターこれを制して、冷蔵ケースの中から袋を取り出してきて、別なのを巻いてくれた。あ々、これいいな、適当に強くてウィスキーと良く合うな。てな具合でだんだんに盛り上がって、マスターが環七で捕まった話や、そりゃ環七じゃ当たり前という話や、バイクの話やあれこれしているうちに、アルコールとニコチンで具合よく頭がフラフラしてきた。帰ろうとしたら、マスターが特製の手巻きをお土産に呉れたのだった。また行こう。(2012/11/30)

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フレンチも立ち飲み

standing french
パテ・ド・カンパーニュとバゲットそれに赤ワイン

立ち飲みなんつーのはオヤジとうらぶれた年寄りしかしないものと昔は決まっていたものが、近頃は何でも立ち飲みになってしまって、フレンチを謳う店までも立ち飲みが現れていて、今やごくありふれた風景になってしまった。もとよりこっちは根っからの立ち飲み派で、「土方の立ち喰い」という今の日本では差別用語とされているような単語を含む用例までも昔から馴染みで、何の不都合も感じない。

つけ加えれば「土方(どかた)の立ち喰い」というのは「飯場(はんば)」の作業員への給食が立って食べることを想定して行われていたという「飯場」どころか「蛸部屋(たこべや)」の名残ではないかと思われる。もちろん、こういう単語は現在では殆ど使われなくて、それと同時に日本にさほど遠くない過去にそのような状況があったということさえ忘れ去られて、忘れ去るのはまだ早過ぎるのではないかという思いからわざわざ書き記しているのだが。

逆に言えば「立ち喰い」という単語に過去のイメージを浮かべるような古い人間が一掃されたので、「立ち飲み」と「フレンチ」が結びついても誰も不審の念を浮かべないから出現したのであろうし、バルのバンコ・スタイルが別方向から出現したので、あたりまえの風景になったとも言える。

というわけで、ふと思いついて神保町の立ち飲みフレンチに行ってきた。この店、開店早々の頃に前を通りかかって関係者と思われる人に声をかけられた覚えがある。流行りの、民家を改装した店で、一階がキッチンとカウンター、二階にテーブルの客席があるらしい。フードはフレンチにしては安めの設定でフレンチ風居酒屋と考えると少し高めの設定であるな。ワインの種類が限られているせいなのかワインよりフードが主体のせいなのか、ワインの値段は高めだ。

ここでは、パテ・ド・カンパーニュが自分のお気に入りとなった。この店はワインを飲むというより晩御飯を食べるために行った方がよい感じであるな。(2012/12/7)

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平太郎のたいやき

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平太郎のたいやき、こしあん入りである

ひょんな事でとある人のお手伝いをしたら大変に感謝されて、お土産にできたてのたいやきを頂いた。家に戻って紙の袋を開けただけで小麦粉を焼いたいい香りがぱっと広がった。成城学園駅ちかくの平太郎のたいやきで、頂いたのはこしあんである。

四谷のわかばのたいやきがその重厚とも云える餡のおいしさに心惹かれるなら、この平太郎のたいやきはちょっと色濃く焼けてぱりっとした薄い皮とその内側のまだやわらかな皮の美味しさに頷いてしまう、という種類のものではないか。

たちまちに二匹を食べてから、さて、成城にたいやき屋なんてあったろうかと首をひねるも、どうも覚えがない。ググるとこの店、本店は愛知にあって、どういう訳なのか成城に設けた支店が本店以外としては最初の店らしい。知り合いが住んでいるとか?

さて、この店のたいやきはこしあんの他にあんとチーズ、あんとチョコレート、それに加えてそれぞれのたいやきを油で揚げたものも店先の品書きに書いてあるようだ。自分としてはしばらくの間、薄い皮とその内側のクリーミーな部分、そして尾っぽまでぎっしりと入ったこしあんの三位一体を支持することにしている。

三位一体というのはもちろんニカイア信条、正確には父と子に聖霊も加えて三位が同一本質であるとするコンスタンティノポリス公会議で再確認されたニカイア信条、のことである。同一本質と書いたがもともとはギリシア語でホモ・ウーシオスの訳である。で位、正しくは位格、がヒュポスタシスと呼ばれるものの訳であるのだ。(2012/12/14)

ハナマサの肉がワンランク・アップ!

料理通信
「料理通信」2013年1月号

月刊の「料理通信」という雑誌がある。Twitterで編集者A子をフォローしているのもあって、たまに購入する。2013年1月号は、「特集、この一冊で肉焼きが上達する!『肉焼き』レッスン」という内容の号で、「スーパーの肉を頂点の味に」という自分好みの記事に惹かれて早速購入した。

そもそもこの「B級グルメ」というタイトル自体が示しているように、できるだけ「安い」値段で「それなりの」食事の機会を見つけることに無上の喜びを感じ、その反対概念として「高くて」、「美味しい」食事にはこれまでの経験の所為もあってあまり喜びを感じない、有り体に言えば、「食事は安いもので十分」という、ガストロノミーからは遥か遠くに離れた星に住む自分に、ストライクの特集であったのだ。

これは是非とも試さざるを得ないということで、お得意のハナマサに寄ってオーストラリア生まれの牛モモ肉を買ってきた。これが実に安い。家に戻って、いつか使う日もあるだろうと記憶に無い程に昔に購入してあった厚い鋳鉄製のフライパンを取り出し、雑誌のレシピ通りに焼いてみた。タイムとセージも使ってみた。ポイントは肉汁で肉をふんわりと膨らませるところだな。

食べてみるとナイフの刃がすっと通るというような柔らかさでは勿論ないが、歯で噛み切れない程の固さでもなく、赤身のしっかりとした肉の味を「おお、これは、かなりのもんだね」と呟きながら堪能することができたのだった。家人にも食べさせてみると、最初は所詮ハナマサなんて、という感じがみえみえであったが、モノも言わずにパクパクとあっと言う間に一枚食べきったので、確かに、かなりイケてることがわかった。

その後も二回ほど計9枚のステーキを焼いてみたが、どれも一定の仕上がりが得られたので、実に、Bクラスの喜びを感じたのだった。 (2013/1/10)

果実園のモーニングはフルーツ・ヨーグルト

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フルーツ・ヨーグルトにトースト

目黒の駅ビルの中にあるフルーツ・パーラー果実園の朝は、自分のような老人が一人でモーニング・セットを頼む様子がよく見られる。フルーツ・パーラーの朝は老人、初老、中年の男に相応しいのではないか。二階にある店は朝日が差してあくまで明るく、ショーケースには瑞々しい果物が置かれ、ウェイトレスは笑顔で、どれもくたびれた男達には求める事ができないからだ。

reihoku mikann
JAれいほくのときめき夢味みかん

セットのコーヒーは冷めないように蓋付きのカップに淹れられてくるし、朝日の暖かさのせいで少しばかり長居してしまっても、空になったカップにウェイトレスがコーヒーを継ぎ足してくれるのも良い。

まあ、その話はもうよい。モーニング・セットは数種類あるのだが、この店ではフルーツ・パーラーとして一押しであろうと(勝手に)思われる、フルーツ・ヨーグルトを欠くわけにはいかないであろう。

大振りのガラスカップにたっぷりの季節の果物とヨーグルトが盛られていて、昨夜のアルコールであるとか、悔恨であるとか痛苦であるとか、あるいはまた屈辱であるとか、そういう黒々としたもの、その黒々したものに胃が痛む時、この真っ白なヨーグルトと香しい果物が、胃から始まって体の隅々までを浄化してくれるように思うからだ。

レジでお会計をしたら、袋に入ったみかんをおみやげに貰った。熊本県は天草の苓北町の、越冬袋掛けみかん「夢味 ときめき」という大層なみかんらしい。確かに甘くで美味しかった。(2013/4/4)

道の駅甲斐大和のうらじろまんじゅう

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「うらじろまんじゅう」と名乗っているが実のところ草餅である

道の駅「甲斐大和」は甲州街道の上り、新笹子トンネルに入る手前にあって、急な地形の谷底の、どちらかと言えば陰気な場所にある。自分もこの辺りは大抵の場合、中央高速で通り過ぎてしまうことが多いので、この道の駅にはたまにしか寄らないのであるが、寄った時には必ずこの「うらじろまんじゅう」を購入することにしている。

饅頭とは言い乍ら実のところ草餅であり、草餅ではあるが、使われているのがよもぎではなくて、うらじろ、正確にはオヤマボクチ(雄山火口)という粘り気のある植物が搗き入れられているのだ。よもぎ餅よりは軽い仕上がりとなっていて、美味しい。

甲州街道はトンネルを過ぎると大月で、笹一酒造があったり、嘗ての街道沿いの宿場を思わせる佇まいの民家が、トラックの轟々と通る道の脇にまだ建っていたりして、興味深い。これらの民家は街道を向いて座敷が広く開放されるような造りになっていて、今は勿論トラックの騒音と排気ガスが飛び込むから締め切りになっているが、馬車程度が前を通る時分にはさぞかし長閑なことであったろうと思われる。(2013/6/14)

なんてぴったりの立ち呑み

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北千住の「ごっつり」

たそがれから少し過ぎて、夕闇せまるなかに、行き交う人々の足元を照らす赤い提灯、ガタピシ言わせ乍ら戸を引くと体を斜めにした赤ら顔のおっさんが、カウンターと品書きがびっしりと張られた壁の間の隙間にこれまたギュウギュウ、という理想的な立ち飲み酒場だ。

日替わりの小皿の突き出しが五六品もあってどれもが200円、同じく300円、高くとも400円のつまみがこれも日替わりで各種。量は少ないとは云え、刺身類はどれも新鮮で、煮物に焼き物、揚げ物と揃って、どれもこれもが旨い。鯛刺をつくった後のカマがあればこれも焼いてもらって300円。旨い、旨過ぎるよ。これ程のコストパフォーマンスの高い立ち呑みがあるかね、いやないだろうね。近くに引っ越して来て、毎日、通いたい位だよ。

焼き場の店長のあんちゃんの他が、これまた若い女店員ばかりで、泣かせるね。二階にはテーブル席があるんだが、おっさんばかりの間に我が身を同化させて、ホッピーセットを頼むのが最高だな、今日は、っと、イワシの刺身と、牛すじ煮込みおでんね。おでん来ました、あったかい煮込みが、いや旨いね、体がこう暖まるよ。でイワシもつまんで、あ、もう飲んじまったよ。イワシも食べちまったよ。ナカお願い、それから千住ネギの一本焼きね。ほう、ネギを一本そのまま焼くのね。

ホッピーも旨いな、これ程に自分に合う酒があるだろうかね。お、ネギ来ました。皿の縁に赤みそと塩が足してあるね。ほら、ネギは中から熱いのが飛び出してくるからね、いや、其れくらいは知ってますよ、こっちだってイイ歳なんだから、ネギから出てくるこのネバネバが旨いわ、ほらこの青い所が特別だな、じゅるっと。さすが千住のブランドネギ。で、ホッピーをぐーっとね。お勘定!1300円ね、はいよって、これで1300円ってんだから。お、外が冷えてきたね、どーもーっ! (2014/1/23)

流行りから半周遅れ程度でお台場のパンケーキを食する

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お台場のBillsのパンケーキ

ホットケーキあるいはパンケーキの店はあらかた普及し終わって、街中では一定のニッチを占めるまでになったようだ。なったようだと言うだけで、実際に当人がこれを確認したわけでは全然ない。というわけで、一時期の流行りの熱も冷めたと思われるので、半周遅れで、世間の様子を見に出かけた。

場所はお台場とした。いつもなら、海底トンネルを過ぎて、真っすぐにゲートブリッジに向かい、これを渡ってから左手の公園で寝転がるか、もう少し先のポート・ストアで駐車して、昼のコンビニ弁当とするところが、今日は海底トンネルを出た所で左折し、お台場に向かったのだ。

お台場にもバイク駐輪場があるとは聞いていたので、調べてみたら、一番確実でありそうなのが、デックスの駐輪場で、ほどなく見つけて駐輪した。今日のお目当ては、ここから歩いて七八分程度の場所にある「Bills」である。そもそもは鎌倉の七里ケ浜でオーストラリア人が開いたカフェらしいのだが、時流にのってあちこちで支店を展開しているらしく、これから向かうのはその一つである。お台場も初期の頃の繁盛はないようだが、それでもこの平日に、修学旅行生やら、関西方面からの旅行客や、ヤンママの集団やらで店の前に行列ができていた。今さら引き返すこともないので、列に並んだ。

二十分ほどで案内された。結構広い店内である。で、オーダーしたのが
パイナップル、キウィ、ミントのスムージー ¥680
バターミルクパンケーキ w/スモークベーコン、パイナップル、メープルシロップ ¥1200
で、普段のランチから比べると格段の高級感ではあるな。

パンケーキはカリカリに焼いたベーコンの塩味とパイナップルの酸味とメープルシロップの甘みがミックスされて、こういうスタイルもあり、かと。自分のレパートリーが広がる感じがする。パンケーキに、この店のうりであるリコッタ・チーズが、若干でも含まれているかどうかについては不明なので、なんとも言えない。ただし、初めて食べるので、この薄めのふんわりと焼かれた三枚のパンケーキにケチを付ける筋合いでもない。

でもないのだが、このセットの原価率は相当に低いので、あちこちに支店を出しまくっているのも、さもありなんと。ま、口惜しかったらやってみろ、という話ではある。 (2014/4/17)

スタバで豪華なドリンクを頼んでみる

staba special
スタバのスペシャルドリンク

スタバにはバイクで出かけたりしているので、利用回数は多い。多いのでスタバ・カードを使っている。先日、残金がなくなってきたので追加したら、5000円で一枚の無料クーポンが貰えるということで、一枚頂いた。有効期限は今月いっぱいである。

クーポンの裏に小さい字で印刷されているのを読んでみると、このクーポン一枚で1000円までのドリンクが提供されると書いてある。つまり、オプションの追加がいろいろ可能であるということだ。ただし、例えば、早朝にこのクーポンを使って、コテコテのドリンクを飲む気にはならないので、機会を伺っていた、のが先日までの話。

ということで、とある平日の昼間、スタバに出かけた。注文カウンターで、クーポンを見せて、バリスタに相談してみた。「このクーポンで、キャラメル・フラペチーノの豪華版を飲みたいんだけど、まずショットを二つ追加して、他に何かお勧めあるかな」と、で、バリスタ、「そうですね。後はシロップやクリームがあるんですが、甘さはこれ以上欲しくないでしょう」、「そうだよね」、「んー、後はチョコチップの追加くらいかな、そんなもんですかね」、「じゃそれでお願い」ということで頼んでみた。

クーポンの威力を実感した程ではなかったが、ショットの追加はおいしさに大分プラスとなった気がした。チョコチップはお好みで、という位か。

(2014/6/15)

南青山のウェストでパンケーキを喰らう

pan cake
ウェスト青山ガーデンのパンケーキなり

いつもバイクで通る、赤坂→青山霊園→青山の道筋の途中から外れて、外苑東通りに入れば、右手に銀座ウェストのカフェがあって、そこのパンケーキが美味しいという話は知っていたので、思い立って出かけることとした。少しばかり気温は低くて、そろそろ冬用のバイクグローブでないと手が冷えるかな、という程度ではあったが、良く晴れて湿度も低く、午後からのお出かけ日和だったからだ。

外苑東通りを一旦Uターンして店に着くと、駐車場は用意されているのだが、さすがにバイク置き場はない。駐車場と植え込みの隙間に置いた。テラスでも良かったのだが、室内の席も空いていたので、そちらを選んだ。空間の広くとられたなかなか居心地の良いカフェだ。で、パンケーキとカプチーノを注文した。パンケーキは一枚と二枚のチョイスがあるのだが、ウェイトレスに聞いてみると二枚はかなりのボリュームがありそうなので、一枚ということで。

やがて、綺麗な焼き色のついた直径18cm、厚さも4cm程の立派なパンケーキがやってきた。添えられた小さめのナイフとフォークで頂きます、と。味はごく普通のパンケーキで、部分的に若干の粉っぽさと生っぽさがあったが、気にするほどのものではなかった。それよりも、やはりかなりのボリュームで、他所から眺めればひたすら食べているように見える程に、独りであった所為もあるが、食べ続けたのであった。パンケーキは、小麦粉が高級であればあるほど、味が均一になるので、途中で飽きを感じた程であった。だが、勿論、別に残すようなことはしなかったのだ。

この店は飲み物がお代わり自由で、二杯目はデフォルトのようだな。まだカップにあるのに勧めてくる。コーヒーの方には余り注意が行き届いていないようだ。抽出成分の濃さだとか、上に振ったココアの量のばらつき等から、そう思われた。今日はバイクの置き場所が適当であったので、あまり落ち着いていることができなかったが、電車と徒歩で、ゆっくりとした散歩がてらやってきて、テラスで霊園を背景に、道行く車を眺めるのが良いかも知れない。

なかなか、通っている原宿のコーヒースタンドのような味を出せる店は、数が限られておるな。

(2014/10/29)

暮れの浅草観音裏で飲み

asakusa
浅草観音境内の弁天山わきの提灯

暮れも押し詰まってきた29日、これといった用事がある筈もない。同じく用事のある筈のない友人と浅草観音裏で、暮れの雰囲気を味わおうではないかということで、待ち合わせし、そぞろ歩く。29日というのは、街中では大方の正月の準備も終わったのだが、いくらかの残った小さな用事を済ますために日でもあり、大晦日ほどには心忙しくもなく、賑やかではないが、静かという程でもなく、まことに酒を飲みに行くには結構なひにちであるのだ。

弁天山の鐘突きの準備もすっかり終わったようで、空のテントがいくつか張ってあって、大晦日には大層の人出となるのであろう。境内も人混みには遠いが、閑散としているのでもなく、正月を迎えるにあたっての慌ただしさがあるのでもないが、今年を送るしんみりとした雰囲気にあるのでもないのだ。

辺りはすっかり暗くて、ライトアップされた本堂が大きく境内に広がっているのであるが、まだ時間は早い。この時間に開く飲み屋は限られているのであるが、言問通りに面した、さくま、は既にのれんが下がっていて、引き戸を開けると、ほぼ満員であった。大おかみが、こちらを素早く品定めして、常連の間に一つだけ空いていた椅子の横にもう一脚割り込ませて、二人分の席を用意してくれたのであって、これで常連入りであるな。

往年の美人三姉妹で有名な、この店の客は常連の年寄りばかりであって、新参者の二人もあっという間に馴染んだのである。カウンターに並べられた、総菜風を盛り合わせてもらい、まぐろに、いわしの丸干しを追加すれば、充分である。カウンターの向こうの美人三姉妹の作った総菜は、蒟蒻に、昆布の細切り、えび芋、厚揚げ等々、煮物中心であるが、ステーキなどというものもあって、常連となればさぞ居心地がよいのであろう、と思われる店であった。

常連風にべたりと居着くのも、まだ早いと思われたので、河岸を変えた。もがみや、は明かりも消えて今年の営業は終わっていようであったので、小路に折れて、あたりをつけておいた、三豊へと入った。まだ時間的には大分に早かったせいで、客はおらず、大皿に造りを盛り込んでもらって宴会に持ち込もうという、なじみ客が居たが、間もなく席を立ったので、われわれ二人となった。この店はふぐ料理を売りにしていて、鴨鍋という話もあったが、前の居酒屋で既に酒も回っていたので、鍋は次の機会ということにした。

この店は居酒屋ではないのであるが、浅草らしくホッピーもあって、敷居の低い店である。で、話を聞くと、店は明日までということで、仕込みの量は少ないようだったが、築地で勧められて思わず買ってしまったという、メバチマグロとブリを刺身にしてもらった。鴨は合鴨でよいから食べたかったので、頼むと、ネギ巻きを出してくれた。三豊揚げという品書きがあったので、何かと尋ねると、先代が考えたもので、あれこれ工夫があるとの話であったが、すでにこちらは酩酊していて、細かな話は忘れてしまった。春雨の加わった衣で包まれた、クリームコロッケのような味わいの一品であったな。

ということで、暮れの忙しさとは無縁の落ち着いた観音裏の飲み会であったのだ。ん、鴨鍋は心残りであるな。

(2014/12/30)

猿楽町松翁でかきそば

kakisoba
牡蠣の入った蕎麦である

ネットで旨いそば屋であるとの記事を見かけて、牡蠣の入った蕎麦もある、との記事が心に留った。ということで、今日は一日雨模様である。カッパを着てまでバイクに跨がって出かける程の熱意は見せる意地がないので、素直に神保町に出かけることにした。ついでに、昼前に出かけて、この気にかかっていた蕎麦屋を訪ねることにした。

地下鉄を降りてもやはり冷たい雨である。暖かいものを食べると心に決めていたので、迷わずに店に向かった。実のところ、余程にしっかりと決めないと、決めること自体が面倒になって、このまま空腹を楽しむのもよいかと、コーヒーにサンドイッチ程度にしてしまうことが頻繁なのだ。

店は普段、神保町を歩き回る範囲の僅かばかり外側で、見慣れた食い物やのすぐ先にあった。のれんをくぐるとサラリーマンの昼時から少し外れた時間ではあったが、年配客がそこそこ入っていて、自分が加わってますます年配度が増した店内なのであった。壁に貼られた品書きをみると、有名どころの酒の名が並んでいて、つまみの値段と見比べると、少し金回りのよくなった高年者の入る店であることが分かった。最初は天婦羅蕎麦にしようかと思っていたのだが、かき蕎麦の品書きを見て、実は改めてかき蕎麦の店という紹介記事であったことを思い出したのだった。ということで迷わず注文した。

なるほどね、立派な牡蠣であるよ。四粒ほどであったか、蕎麦つゆにしては薄い色の汁に浮かんでいるのだ。ほうれん草と絹さやに葱三つ葉、昆布で巻かれたかまぼこ、椎茸、牡蠣の下に海苔が敷かれているな。牡蠣好きの自分であるから、牡蠣は旨いね。では、蕎麦を。んー、もっちりとした蕎麦だな。更級系の白い蕎麦だが、若干太めである。汁は鰹出汁であるが、全体的に老人向けのためか薄味であるな。

今日は寒かったので、汁もすべて飲んでみた。舌に出汁の味が残った。蕎麦もあまり感心しなかったのだが、こちらが風邪気味の所為であったのかも知れないな。あるいは、もっと醤油の色の濃い、蕎麦ももっと固めで田舎蕎麦風のものが自分の好みであるゆえ、かも知れない。牡蠣は吟味されていたけれどね。

B級グルメの筈だが、今日はB+グルメであった。

百軒店のヴィジュアルカレー

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ムルギーの卵入りカレー

昼時だったので、思い立ってムルギーに行ってみることにした。確か数年前に訪ねた時は、中途半端な時間だったため店が休憩に入っていてありつくことができなかったのだ。昼飯時を少し過ぎた頃であったので、今日は開いているであろうと。

百軒店は相変わらず猥雑な感じであったが、ムルギーはさらに相変わらず、昔のままであるのだ。さらに昔の話をすれば、先代が亡くなって暫くの間は休業していたのであったが、其の後にその店主の娘であったか親族であったか、が店を再開したという話であって、この話そのものが随分と前の話なのだから。

ということで、卵入りカレーを注文した。やってきたのは、ライスを堆く盛り上げたのち手前にカレーを敷いてその上にゆで卵の薄切りを並べた、というヴィジュアル重視のバンドのようなカレーである。ほんの僅かのチャツネが皿の脇に乗っていて、甘みがあるのは分かったが味わうほどの量ではないのが、よくわからない店の意図である。カレーとしての味は決して悪くはないのだが、ヴィジュアルに気を取られて、ライスとカレーの量が判然としないため、これでは、ライスが先になくなってしまうのではないか、とか、いや、カレーが先になくなったらどうしようか、などとつまらん心配をしながら食するカレーなのである。

(2015/2/17)

赤坂デリーモで贅沢なひと時

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デリーモのチョコレートパンケーキBlack Dandy

初夏の陽気の日曜日である。温暖化が進んで予想したとおりの気候になったので、知的に満足している。ファンであるBABYMETALが北米大陸で、快進撃どころか、既存概念を破壊しまくっているので、心から嬉しい。

という具合に気分が高揚したので、思いついて、チョコレート好きとして、かねてから目を付けていた、赤坂のDELIMMOに出かけた。今日はバイク置き場が空いていたので、それにも気分を良くしたのだった。昼下がりの店内は空いていてこれにも気分を良くした。店のマドモアゼルに相談しつつ、「ショコラ生地のスフレパンケーキにチョコチップ入りのショコラクリームとチョコレートソース、ラズベリーアイスをトッピング」したその名もBlack Dandy、それにエスプレッソを注文したのだった。

気分も乗っているので、やってきたパンケーキに何の文句のつけようがあろうか。美味しく頂いた後には、マドモアゼルに「ショコラのテイスティングは如何ですか、アールグレイとXXX(名前失念)です。エスプレッソに合うと思いますので」と笑顔の申し出があって、さらに気分をよくしたのだった。

大変に気分が良かったので、隣のいつものイタリアン・バルで、マキャートを飲み乍ら、なじみのリーゼントのバリスタとリトアニア出身の女子店員と無駄話するのは、アゲアゲのひとときの締めくくりとして、最高であったな。日もまだ高いし。

(2015/5/17)

赤坂しろたえでチーズケーキ

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チーズケーキとエスプレッソ

赤坂の「しろたえ」は、これまでに何度となく店の前をバイクで通過していたのだが、チーズケーキで有名なこの店の前を通り過ぎるだけでよいのかという、自問もあって、そのうちに寄ろうとは思っていたのだ。

というわけで急に思い立って、バイクで出かけた。赤坂のバイク駐車場も運良く空きが数台分残っていて、駐車することができた。駐車できない場合には渋谷に回って別の店でコーヒーを飲むつもりではあったものの、予定通りにならないのも口惜しいので、そういう状態にならなくて良かった。

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追加で頼んだチーズ・スフレ

そう広くない店舗であって、一階の禁煙席は席が空くのを待つ客が居たので、二階の喫煙席とした。近頃の傾向から喫煙者は漸減しつつあることを反映してか、二階には先客が一人しか居らず、ゆったりと坐ることができたのである。煙草臭くもないので、以外な穴場かも知れないなどと思ったり。

さて、注文はチーズケーキとエスプレッソとした。この店で一番有名なチーズケーキは小振りである。フォークで一口分切り掬ってみると、うむ、甘みの抑えられた、そして、チーズのくせの無さが相俟って、ごく上品な味だ。昔ながらの職人が丁寧に作ったという感じか。逆に言えば自己主張のないケーキとも言える。

ただ、現代のケーキとしても小振りであるので、瞬く間に食べてしまった。ま、小振りであることを見て取って、これはもう一個別のものを食べる機会かな、とも考えていたので、テンポよく味わったとも言えるのであるが。ということで、チーズスフレを追加した。これもまた上品な味であるな。もう一度食べたくなる、という味ではない。むしろ、この店はコーヒーを飲みに入って、ついでにチーズケーキでも食べてみようか、というカフェであるのではないか。

(2015/5/22)

渋谷キーフェルでパフェなど

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色々ベリーのパフェ

雨の日が続いている。特に今日は台風の近いためか、天気予報は朝から夜までずーーっと雨である。先週もずーーっと雨であったのに。カッパを着てバイクに乗る気合いはないので、家に居るしかないのだろうか。家に居るとどうなるかは、お決まり通りに、パソコンの前で一日過ごすことは分かり切っているので、取り敢えず出かけることとした。どこかで、返却期限の迫ったベルクソン読本の残りを読むことにしたのだ。ついでに、ノートパソコンと、思い付いて、随分前に再生機を持ってもいないブルーレイをDVDと取り違えて買ってしまい、今まで見る事もできず棚に放っておいたRolling Stonesのビデオもバッグに入れた。で、ひらめきました。渋谷あたりでパフェを食べようと。

なぜパフェかと言えば、この歳になって甘党になったからだ。なぜ甘党になったかと言えば、あまり酒を飲まなくなったからで、なぜ酒を飲まなくなったかと言えば、酒が不味くなったから、ではない、酒が不味くなるのは死期が近いというから、まだそういう状態ではないようで、酒は好きだ。単に、酒を飲んで酔った状態が気に入らなくなったからで、なぜ気に入らないかと言えば、基本的に独りで酒を飲んで酔うと、その後、楽しい時間を過ごせなくなるからに過ぎない。

ではなぜ甘党であり続けるのかと考えてみると、どうも食べる量が減ったために、アタマに回るべき糖が相対的に減ったからと思われる。歳をとっても余計なことを考え続けているためであろう、アタマが欲する糖の量の方は減らないので、その分だけ甘いものを欲しがっているのであろうと。ということで、出かける前にググって渋谷で三カ所ほど候補を挙げておいたのだ。

さて、渋谷についても雨脚は弱っていなくて、候補リストのなかで一番近い、"キーフェル グローバルクラブ"を目指した。場所はこの間、マッドマックスを見た映画館と同じビルである。入ってみると、ルノアールと同じタイプの喫茶店であるな。後で調べたら関西のチェーンらしくて、関西風の、リーマンをターゲットにした店である。二つ程あけた席にやってきたサラリーマンが、頼んだコーヒーに手もつけない内に眠り始めたのを見たからな。

さて、パフェだが、ドーンという感じでやって来た。革張りの椅子が深いせいもあるのだが、パフェのガラス器のふちが目のあたりにあるのだ。しかも器の底のチップは僅かで、アイスクリームと生クリームがぎっちりという、甘党にふさわしいパフェでもあるのだ。

この日は、さらにカラオケ店でRolling Stones、"CrossFire Hurricane"を観た上、さらに別の店でコーヒーも飲んで、なかなか充実したお一人様であったのだ。ところで、このビデオであるが、やはりスコセッシの"Shine a light"の方が出来が良いと思ったな。スコセッシの方が音楽に愛があるからだ。

(2015/9/8)

まだまだあるぞ