ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダー

ADO.NET Entity Framework (EF) Core は、クロスプラットフォーム開発をサポートする、.NET 用の軽量で拡張可能なオブジェクトリレーショナルマッパー（O/RM）です。これにより、開発者は .NET オブジェクトを使用してデータベースを操作できるようになり、データ中心のアプリケーションで記述および保守する必要のあるコードの量を減らすことができます。

Zen ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーは、ADO.NET Entity Framework Core を使用するアプリケーションで使用できます。以下をサポートしています。

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Microsoft ADO.NET Entity Framework Core 3.1

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.Net Standard 2.1 でサポートされるすべてのプラットフォーム。詳細については、https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/standard/net-standard を参照してください。

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Microsoft Entity Framework Core および Actian Zen データベースの両方でサポートされるすべての機能。詳細については、https://docs.microsoft.com/ja-jp/ef/core/what-is-new/ を参照してください。

ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーは、ADO.NET データプロバイダーを使用して ADO.NET データベースサーバーと通信します。つまり、ADO.NET データプロバイダーによって定義された機能は、ここで特に断りがない限り、ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーに適用されるということです。同様に、ADO.NET データプロバイダーに合わせて作られたすべてのパフォーマンス構成が、ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーで実現されます。

メモ：Zen ADO.NET Entity Framework Core のアプリケーションを開発する場合は、Visual Studio 2017 以降が必要です。

ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーについて

ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーはマネージコードのみで構築されています。つまり、完全に共通言語ランタイム（CLR）の内部で、実行およびデータベースへの接続が行えます。

クライアントライブラリや COM コンポーネントなどネイティブオペレーティングシステムで実行するコードはアンマネージコードと言います。マネージコードとアンマネージコードは 1 つのアプリケーション内に混在させることができます。ただし、アンマネージコードは共通言語ランタイムの外部にまで影響が及ぶため、現実的には複雑になり、パフォーマンスも低下します。また、セキュリティの危険にさらすことにもなりかねません。

名前空間

ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーの名前空間は、Actian.EntityFrameworkCore.Zen です。

アセンブリ名

Zen ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーは、Actian.EntityFrameworkCore.Zen.dll という名前のアセンブリを使用します。

これを使用するには、SDK ダウンロードで入手できる ADO.NET データプロバイダーに示されているお使いのバージョンの最新 SDK の .zip アーカイブをダウンロードして、NuGet パッケージ Actian.EntityFrameworkCore.Zen を展開します。その後、プロジェクトにパッケージを追加します。

ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーの構成

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ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーを構成するには

.Net Standard 2.1 を対象とするアプリケーションを作成します。詳細については、https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/standard/net-standard を参照してください。

NuGet パッケージ Actian.EntityFrameworkCore.Zen をインストールします。

新しいコンテキストクラスをアプリケーションに追加し、次のコードを使用して OnConfiguring メソッドをオーバーライドします。

public class MyContext : DbContext

{

protected override void OnConfiguring(DbContextOptionsBuilder optionsBuilder)

=> optionsBuilder.UseZen(connection string);

}

Zen ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーでの接続文字列の使用

Zen ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーは接続文字列に含まれている情報を使用して、基となる Entity Framework Core をサポートする ADO.NET データプロバイダーに接続します。

接続文字列オプションのデフォルト値の変更

ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーで使用される接続文字列オプションのデフォルト値の多くは、Zen ADO.NET データプロバイダーで使用されるデフォルト値と同じです（詳細については、表 35 を参照してください）。表 21 は、ADO.NET Entity Framework Core アプリケーションで接続文字列オプションを使用する場合には、違うデフォルト値になるオプションを示しています。

表 21

ADO.NET Entity Framework Core アプリケーションで使用される接続文字列オプションのデフォルト値

接続文字列オプション

ADO.NET Entity Framework Core アプリケーションでのデフォルト値

Parameter Mode

サポートされません。

Statement Cache Mode

ExplicitOnly 値のみサポートされます。

DB File Directory Path

Environment.SpecialFolder.CommonApplicationData。Environment.SpecialFolder 列挙型およびサポートされるフィールドの詳細については、https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/api/system.environment.specialfolder?view=netcore-3.1 を参照してください。

Code First のサポート

Entity Framework Core は Code First の機能をサポートしています。これらの機能のサポートを実装すると、長い識別子名の処理に必要な変更など、データプロバイダーへの変更が必要になります。ただし、アプリケーションの変更は必要ありません。

Code First の実装は型マッピングの変更を必要とします。詳細については、Code First の型マッピングを参照してください。

長い識別子名の処理

ほとんどの Zen 識別子の最大長は 20 バイトです。サーバー上で作成するオブジェクトの名前はクラス名とプロパティ名から取られるため、識別子名がこのサイズを超える場合があります。また、制約名は多くの場合、いくつかのオブジェクト名を連結して作成されます。このような場合には、識別子の最大長を超える可能性がさらに大きくなります。

列の場合、データプロバイダーは識別子の末尾をチルダ文字 ~ に置き換えることにより、識別子をデータベースで許容される識別子の最大長に短縮します。たとえば、文字列 ColumnMoreThanTwentyCharacters は ColumnMoreThanTwent~ に短縮されます。

テーブルの場合、データプロバイダーは識別子の末尾を整数のハッシュコードに置き換えることにより、識別子をデータベースで許容される識別子の最大長に短縮します。たとえば、文字列 ATableWithAVeryLongTableName は ATableWit_1738385675 に短縮されます。

DB ツールを使用して DB オブジェクトのアクセスや表示を行った場合、作成されたテーブルの名前が、モデルクラス名とプロパティ名から予想される名前とは異なる場合があります。

ADO.NET Entity Framework Core での Code First Migrations の使用

Entity Framework Core では Code First Migrations をサポートしています。これにより、データベースを削除して再作成しなくても、データベーススキーマを更新することでモデルクラスを反映できるようになります。

移行は、モデルの変更に従って、データベーススキーマを増分で更新できるようにします。データベースに対する各変更セットは、移行として知られるコードファイルで表されます。移行は、通常、タイムスタンプを使用して管理され、データベース内のテーブルは、どの移行がデータベースに適用されたかを追跡します。

Code First Migrations は型マッピングの変更を必要とします。詳細については、Code First の型マッピングを参照してください。

Code First Migrations を実装するには、Zen ADO.NET Entity Framework Core データプロバイダーを構成した時点で、次の NuGet パッケージをインストールします。

Microsoft.EntityFrameworkCore.Tools（バージョン 3.1）

リバースエンジニアリングの使用（スキャフォールディング）

データベーススキーマに基づいてエンティティ型クラスおよび DbContext クラスをスキャフォールディングする処理は、リバースエンジニアリングと呼ばれます。これは、EF Core パッケージマネージャーコンソール（PMC）の Scaffold-DbContext コマンド、または .NET コマンドラインインターフェイス（CLI）の dotnet ef dbcontext scaffold コマンドを使用して実行できます。

ADO.NET Actian Zen Entity Framework Core データプロバイダーでリバースエンジニアリングを使用するには、データプロバイダーを構成した後、次の手順を実行します。

NuGet パッケージ Microsoft.EntityFrameworkCore.Tools（バージョン 3.1）をインストールします。

次の Scaffold-DbContext PowerShell コマンドを実行します。

Scaffold-DbContext 'connection string' Actian.EntityFrameworkCore.Zen

必要に応じて、Scaffold-DbContext PowerShell コマンドにパラメーターを追加することができます。詳細については、https://docs.microsoft.com/ja-jp/ef/core/managing-schemas/scaffolding?tabs=vs を参照してください。

.Net Core CLI 環境でリバースエンジニアリングを使用する場合は、https://docs.microsoft.com/en-in/ef/core/managing-schemas/scaffolding?tabs=dotnet-core-cli を参照してください。

Code First の型マッピング

CLR 型から Code First モデルの Actian Zen データ型へのマッピングは、モデル中心の型マッピングを示しています。このマッピングでは、CLR 型は、データベースの作成時に使用される Zen（ストア）型に影響を与えます。一部の CLR 型はいくつかの異なる Zen 型にマップすることができます。

列は次のように定義されています。

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［CLR 型］列は、共通言語ランタイムの型名を示しています。

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［型マッピングに影響を与えるプロパティ値］列は、型マッピングに影響を及ぼす可能性のある、あらゆるプロパティ値を示しています。

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［Zen 型］列は、ネイティブな型名を示しています。

表 22

CLR 型から Code First モデルの Actian Zen データ型へのマッピング

CLR 型

型マッピングに影響を与えるプロパティ値

Actian Zen データ型