データベースの最も基本的な要素は、「値」です。値はデータの 1 つの要素であり、1 つの特性であり、特定のエンティティに使用します。たとえば、上図で氏名の "John Doe" や電話番号の "555-1212" は値です。
もう 1 つの要素は、「列」です。または、「
フィールド」とも言います。列は特性を表し、特定の値を持ちません。通常、列はその特性を説明する名前を持ちます。たとえば、電話帳では「
氏名」および「
電話番号」が列です。これらは特定の人物を検索しない限り、特定の値を持ちません。フィールドは、特定の行の一般的な特性を参照するのに使うことがあります。たとえば、前に示した表内で特定のボックスを指し、「このフィールドの値は何ですか?」と尋ねることができます。
もう 1 つの要素は、「行」です。または、「
レコード」とも言います。行は、ある特定のインスタンスに対するすべての値の集合体です。たとえば、電話帳で、氏名、住所、電話番号がすべて揃った 1 つのエントリが 1 つのレコードまたは行です。
「セル」は、特定のレコード内の 1 つの列です。行と列が交差している部分がセルです。各セルには固有の値があります。たとえば、2 行目の第 3 列にあるセルの値は 12345 です。
行と列の集合体は「テーブル」を構成します。テーブルは、まったく同じ構造を共有するデータのセットです。通常、テーブルはその内容を説明する名前を持ちます。たとえば、上図のテーブルは "電話帳" という名前が付けられています。PSQL では、各テーブルはハード ディスク上で別々のデータ ファイルとして保存されます。
「インデックス」は、特定の列に含まれるすべての値を順序付けしたリストです。テーブルには、インデックスを付けないようにすることもできますし、1 つ以上のインデックスを付けることもできます。データベース エンジンでは、インデックスを使ってデータベース内で特定のレコードを検索します。すべてのレコードを 1 つずつ順に検索していく必要はありません。データベース検索で頻繁に使用する列にインデックスを作成すると、高い確率でデータベースのパフォーマンスが向上します。
「データベース」は 1 つ以上のテーブルの集合体です。テーブル内のデータは、さまざまなテーブル間で必ずしも関連付ける必要はありませんが、通常は多くの関連付けが行われます。たとえば、後で述べる「食べ物の好み」テーブルと前に示した「電話帳」テーブルで 1 つのデータベースを構成することができます。PSQL では、ハード ディスク上の 1 つ以上のデータ ファイルとデータ辞書ファイル(DDF)で 1 つのデータベースが構成されます。DDF は、データベースの構造を定義するテーブル、列、その他の属性のすべての定義が含まれる特別なデータ ファイルです。
「スキーマ」は、データベースの全体の構造を説明する定義の完全なセットを指します。標準のスキーマでは、テーブル、列、インデックスおよびその他多くの属性が定義されています。データベースの DDF にはそのデータベースのスキーマが含まれます。
「リモート」は、使用しているコンピューターにはないが、アクセスしたいファイル サーバーまたはデータベースなどのオブジェクトを指します。ネットワーク上のデータベースに接続した場合は、リモート データベースに接続しています。リモートは、「
ローカル」の反意語です。リモートは、サーバー コンピューターまたはそのクライアントの 1 つのどちらで現在作業しているかによって、クライアントまたはサーバーのいずれかを指します。リモートは常に、使用しているシステム上にないオブジェクトを指します。
「ローカル」は、現在使用しているコンピューター、またはこのコンピューターに保存されているものを指します。ローカル データベースとは、そのデータ ファイルが現在使用しているコンピューターのハード ディスク上に保存されているデータベースです。ローカルは「リモート」の反意語です。ローカルは、サーバー コンピューターまたはクライアント コンピューターのどちらで現在作業しているかによって、クライアントまたはサーバーのいずれかを指します。
「リレーショナル」という語は、関連付けられたテーブルの形式で格納されているデータを指します。関連付けられたテーブルにより、データのサブセット間で関係を設定することができます。
たとえば、前に示した 2 つのテーブルには「氏名」という列があり、それぞれの値には同じ名前がいくつかあります。
電話帳テーブルの氏名と
食べ物の好みテーブルの氏名は相互に参照することができるので、「ステーキを好む人物の電話番号は?」などの質問に対して答える機能を持つことができます。また、「製品 A を購入した後で製品 B を最も多く購入する消費者の特徴は?」という質問にも答えることができます。
製品やドキュメント内で MicroKernel エンジンについて言及する場合、「テーブル」および「
データベース」という用語は一般的に使用せず、データ ファイルがこれらの用語に相当します。さらに、MicroKernel エンジンユーザーは通常、「
行」および「
列」よりも「
レコード」および「
フィールド」という用語を使用します。
PSQL Server では同時ユーザー ライセンス モデルを使用します。詳細については、ライセンス モデルを参照してください。ライブ マイグレーション、フェールオーバー、フォールト トレランス(FT)、高可用性(HA)および障害回復などのハイパーバイザー機能と一緒に使用するためにライセンスを追加する必要もありません。
『Getting Started with PSQL』を読めば、PSQL 設定をインストール、セットアップ、およびトラブルシューティングすることができるようになります。以下のトピックについて説明しています。
『What’s New in PSQL』は、PSQL の本リリースの新機能と、前リリースからの動作変更をまとめたものです。また、新機能の詳細が記載されたドキュメントの参照先も示します。
『Advanced Operations Guide』では、一般的な操作やいくつかの新しい操作を実行する手順を含め、管理者レベルでの詳細情報を提供します。以下のトピックが含まれます。
『SQL Engine Reference』は、データベース プログラマ向けの SQL リレーショナル データベース言語の完全なリファレンスです。SQL エンジンのパラメーターおよび制限についても説明しています。
『Status Codes and Messages』には、PSQL 使用時に受け取る可能性があるステータス コードと番号付きメッセージがすべて記載されています。