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PSQL Vx Server Product Guide (v11) |
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データのバックアップ
『Advanced Operations Guide』の「ログ、バックアップおよび復元」 の章では、Pervasive PSQL で提供されるデータ バックアップ ソリューションについて説明しています。Pervasive PSQL Vx Server では、従来のソリューションに加え 以下のようなソリューションが含まれています。
ご自分のバックアップ ソフトウェアが Microsoft のボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)を認識しない場合は、Pervasive Backup Agent をご自分のバックアップ ソフトウェアと連携して使用することができます。VSS フレームワークは Windows Server 2003 以上のオペレーティング システムに含まれています。
バックアップ ソフトウェアが VSS を認識する場合は、VSS によるバックアップ時に Pervasive PSQL VSS Writer が自動的に起動します。バックアップ ソフトウェアが既に VSS を認識している場合は、Pervasive Backup Agent を使用する必要はありません。
Pervasive PSQL VSS Writer と Pervasive Backup Agent は併用できますが、それに伴う利点は特にありません。どちらか一方の方法を選択すれば、バックアップ処理はより簡潔になります。
Pervasive Backup Agent
Pervasive Backup Agent は Pervasive PSQL Vx Server に含まれるオプション製品です。この製品はデフォルトではインストールされません。Pervasive PSQL Vx Server のインストール後に、Backup Agent をインストールしたい場合は、Pervasive PSQL Vx Server インストール メディアからインストールする必要があります。インストール選択ダイアログで Pervasive Backup Agent を選択してください。Pervasive PSQL Vx Server がインストールされている同じマシンに Pervasive Backup Agent をインストールする場合、別個のライセンスは必要ありません。
Pervasive Backup Agent を使用すれば、Pervasive PSQL データベース ファイルに対する Continuous オペレーションの設定と管理を簡単かつ迅速に行うことができます。 Continuous オペレーションの設定と管理は、Pervasive PSQL データベースのバックアップを行う際の重要な部分です。これには Microsoft のボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)を使用しません。 Backup Agent は開いているファイルに対する Continuous オペレーションの設定と管理を自動的に処理し、バックアップ中でもアプリケーションからデータを利用できるようにします。バックアップ作業が完了すると、Backup Agent は自動的に Continuous オペレーションからファイルを取り出し、バックアップ中にキャプチャされたすべての変更をロール インします。
Pervasive Backup Agent は、市販されている多くのバックアップ アプリケーションと互換性があります。そのバックアップ アプリケーションでは、ほかのアプリケーションを開始および停止できるコマンドを発行できる必要があります(そのコマンドで Pervasive Backup Agent を開始および停止できます)。
Pervasive Backup Agent に関する詳細については、『Pervasive Backup Agent Guide』を参照してください。
Pervasive PSQL VSS Writer
Microsoft のボリューム シャドウ コピー サービス(VSS)は、ライター、プロバイダーおよびリクエスター コンポーネントで構成されています。 Pervasive PSQL Vx Server はライター コンポーネントである Pervasive PSQL VSS Writer のみで VSS をサポートします。Pervasive PSQL VSS Writer はデータベース エンジンの機能であり、Pervasive PSQL Vx Server のインストール後に使用可能となります。Pervasive PSQL VSS Writer は Windows オペレーティング システムでのみ使用可能です。
(ボリューム シャドウ コピー サービスの詳細については、Microsoft Web サイトのテクニカル ドキュメント「SQL Server バックアップ アプリケーション ベンダ向けガイド」を参照してください)
概要
VSS によるスナップショット時、Pervasive PSQL VSS Writer は Pervasive PSQL データおよびトランザクション ログ ファイルすべてに対し、それらが存在するボリュームに関係なく、すべてのディスク I/O 書き込み動作を停止します。スナップショットの作成後、Pervasive PSQL VSS Writer はすべてのディスク I/O を再開させます。これには停止中に遅延された書き込みも含まれます。
Pervasive PSQL VSS Writer はディスク I/O 読み取り動作を停止することはありません。書き込みが不要である限り停止中に通常のデータベース処理を継続させることができます。Pervasive PSQL VSS Writer は、VSS サービスおよび VSS リクエスターのバックアップ動作によりパフォーマンスが低下するかもしれませんが、バックアップ フェーズ時は正常に動作します。
Microsoft ボリューム シャドウ コピー機能を使用すれば、バックアップおよび復元製品はバックアップ用にシャドウ コピーを作成することができます。それに含まれるファイルは次のいずれかの状態になります。
- 定義済みで、かつ整合状態にある
- "crash-consistent state"(クリーン リストアに適さない可能性があります)
以下の条件をすべて満たせば、VSS スナップショットのファイルは定義済み、かつ整合性のとれた状態になります。
- ファイルのライターが VSS 対応である
- バックアップおよび復元製品が VSS 対応ライターを認識し、そのライターにスナップショットの準備を通知する
- VSS 対応ライターはスナップショットの準備に成功する
条件を満たさない場合、ライターのファイルは "crash-consistent state" でバックアップされます。
VSS Writer の詳細
ここでは、Pervasive PSQL VSS Writer の仕様について説明します。
- サポートされるオペレーティング システム
- Pervasive PSQL Server がサポートされる Windows オペレーティング システムは Pervasive PSQL VSS Writer もサポートします。VSS フレームワークは Windows Server 2003 以上のオペレーティング システムに含まれています。
- Pervasive PSQL VSS Writer は、マシンのオペレーティング システムおよびインストールされている Pervasive PSQL と同じビット数に対応して機能します。Pervasive PSQL VSS Writer(32 ビット版)は 32 ビット マシンのみでサポートされ、64 ビット版は 64 ビット マシンのみでサポートされます。ビット数が一致しない場合、Pervasive PSQL は正しく機能しますが VSS Writer は利用できません。
- サポートされるバックアップの種類
- Pervasive PSQL VSS Writer はデータ ボリュームの手動バックアップまたは自動バックアップをサポートします。Pervasive PSQL VSS Writer は完全ボリューム バックアップおよびコピー ボリューム バックアップに対応し、増分、差分およびログ バックアップはサポートされません。VSS は Pervasive PSQL VSS Writer をコンポーネントとして認識します。ただし、Pervasive PSQL VSS Writer はコンポーネントのバックアップをサポートしません。VSS リクエスターがコンポーネントのバックアップで Pervasive PSQL VSS Writer を呼び出すと、VSS Writer は完全ボリューム バックアップまたはコピー ボリューム バックアップでの同じアクションを実行します。
- 仮想化環境のサポート
- Pervasive PSQL VSS Writer は仮想化環境で VSS バックアップをトリガーする VSS リクエスターをサポートします。仮想マシンのスナップショットを実行しても VSS バックアップは起動しません。
- マルチ ボリューム Pervasive PSQL データ ファイル
- Pervasive PSQL ファイルおよびトランザクション ログが複数のボリューム上に存在することもあります。Pervasive PSQL ファイルをバックアップする場合、ほかのボリューム上にあるトランザクション ログと関連ファイルは同時にバックアップする必要があります。互いに独立しているファイルは、関連しない Pervasive PSQL ファイルと同時にバックアップする必要はありません。
- バックアップ ソリューションの互換性
- 特定のバックアップおよび復元製品が Pervasive PSQL VSS Writer を認識するかどうか、スナップショットの準備をライターに通知するかどうかを判断するためには、その製品でバックアップを開始します。バックアップ処理の進行中に、pvsw.log で PSQL VSS Writer が Frozen または Thawed 状態を記録するかどうかを調べます。バックアップおよび復元製品が PSQL Writer に対しバックアップの準備を通知しない場合は、PSQL Backup Agent などの別のソリューションを使用して定義済みかつ整合状態で PSQL データ ファイルをバックアップする必要があります。
- Pervasive PSQL VSS Writer と復元操作
- バックアップ ソフトウェアで復元操作を実行する前に Pervasive PSQL サービスを停止してください。これを行わないと、VSS Writer が VSS リクエスターに対し、復元に参加できないことを通知します。データの整合性を保証するためには、トランザクション ログがデータ ファイルと共に復元される必要があります。Pervasive PSQL が実行している間に Pervasive PSQL データとトランザクション ログ ファイルが復元された場合、その復元結果は予測不能でデータの破損を招く恐れがあります。
- Pervasive PSQL VSS Writer および Pervasive Continuous オペレーション
- もう既に Pervasive Continuous オペレーションまたは Pervasive Backup Agent を使用する既存のバックアップ処理を利用されている場合もあるでしょう。そのバックアップ処理を Pervasive PSQL Vx Server および Pervasive PSQL VSS Writer でも引き続き使用することができます。Pervasive PSQL VSS Writer は Continuous オペレーションや Backup Agent の機能を妨げることはありません。ただし、Pervasive PSQL VSS Writer と Continuous オペレーション(または Backup Agent)を併用しても利点はありません。どちらか一方の方法を選択すれば、バックアップ処理はより簡潔になります。
- Pervasive PSQL VSS Writer が呼び出されたときにファイルが Continuous オペレーション モードに置かれている場合、VSS Writer はすべての Continuous オペレーションから独立して動作します。VSS バックアップが進行中にファイルが Continuous オペレーション モードに置かれた場合は、バックアップが完了した後に PVSW.LOG を見てください。Frozen および Thawed 状態が問題なく完了していること、またデータが定義済みかつ整合状態にあることを確認してください。
- Pervasive PSQL VSS Writer は Microsoft VSS フレームワークも必要とします。Backup Agent では Microsoft VSS フレームワークを使用しません。したがって、Microsoft VSS フレームワークが Pervasive PSQL VSS Writer を呼び出し、I/O 操作が停止された場合でも、Backup Agent はバックアップに参加しません。Backup Agent は別途バックアップ処理に追加する必要があります。そのバックアップ処理は Backup Agent の開始と停止を行う必要もあります。
 ライセンス |
 ハイパーバイザー製品との互換性 |
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