Getting Started with Pervasive PSQL (v11)

ゲートウェイ構成のセットアップ

ゲートウェイ構成で説明したように、データベース エンジンがインストールされていないコンピューター上にデータ ファイルが存在する場合にのみ、このセットアップを使用する必要があります。

すべてのコンピューターにデータベース エンジンがインストールされている場合は、ほかの構成を使用する必要があります。


メモ

データが存在するコンピューターが起動時にデータベース エンジンを起動していない場合は、誤ってゲートウェイ構成が適用されます。ほかのワークグループ エンジンがデータにアクセスしようとしたときに、ローカル データベース エンジンが起動していないと、アクセスを試行するデータベース エンジンが自身をそのデータ ファイルのゲートウェイとして確立します。

この状況は、本章で説明したように固定ゲートウェイを指定するか、またはローカルのワークグループ エンジンを再起動する前にデータをリクエストするコンピューターがないことを確認した上で、データが存在するコンピューターをシャットダウンし、再起動することによって解決することができます。データ ディレクトリから ~PVSW~.LOC ファイルを削除してゲートウェイが再確立されないようにする必要があります。

ゲートウェイのみがファイルを提供するように設定したい場合は、Gateway Locator ユーティリティ を使用して静的なロケーター ファイルを設定するのが最も良い方法です。


動的または固定ゲートウェイ

2 つの異なるゲートウェイ構成をセットアップすることができます。デフォルトの動作は、「動的」ゲートウェイ構成です。この構成では、リモート データ ファイルを最初に開いたエンジンが、ディレクトリ内のすべてのファイルを閉じるまでゲートウェイ エンジンとして機能します。次にデータ ファイルを開いたエンジンが新しいゲートウェイ エンジンになります。この構成は最も柔軟性がありますが、エンジンが複数のネットワーク プロトコルを試行したり、既存のゲートウェイ エンジンをチェックするので、データベースへの初期接続に時間がかかります。


メモ

複数の共有データ ソースを扱うピアツーピア構成で動的ゲートウェイを使用しないでください。この構成はサポートされているので設計どおりに動作しますが、複数のエンジンが複数のデータのロケーション間でオーナーシップをやり取りするので、接続に著しく時間がかかります。また、リモート コンピューター上のワークグループ エンジンがローカルのハード ドライブにあるデータのゲートウェイとなる状況が発生する可能性もあります。ローカルのワークグループ エンジンの方がより高いパフォーマンスでデータを提供できる場合、この待ち時間は明らかに無駄なものです。

この状況を防ぐには、各コンピューターの起動時に、そのすべてのコンピューター上のワークグループ エンジンが起動するようにしておきます。また、通常、ワークグループ エンジンはユーザーがログオンするまで起動しないので、各コンピューターでログオンしておく必要があります。

各コンピューター上にあるデータ ファイルのゲートウェイとしてそれぞれのコンピューターを固定で割り当てることによって、この状況を防ぐこともできます。このタスクを実行する方法については、固定ゲートウェイをセットアップするにはを参照してください。


もう 1 つの構成は、「永続」または「固定」ゲートウェイ構成と言います。この構成では、特定のディレクトリのゲートウェイ エンジンとして、特定のエンジンを割り当てます。ほかのエンジンがデータにアクセスしようとしたときに、このエンジンが起動していなかった場合は、エラー コードが返されデータを使用することはできません。

動的ゲートウェイをセットアップするには

  1. これはデフォルトの動作です。各コンピューターのワークグループ エンジンが、名前付きデータベース(およびそのデータ)にアクセスできることを確認してください。『Advanced Operations Guide』の「名前付きデータベース」を参照してください。
    これでゲートウェイは、リモート データにアクセスするワークグループ エンジンに応じて動的に割り当てられます。

固定ゲートウェイをセットアップするには

特定のディレクトリに対して固定ゲートウェイ エンジンを指定するには、固定ゲートウェイ エンジンにする名前が含まれる ~PVSW~.LOC ファイルの属性を読み取り専用に変更する必要があります。このタスクを実行する方法はいくつかあります。

Gateway Locator ユーティリティを使用する

  1. オペレーティング システムの[スタート]メニューまたはアプリ画面から Gateway Locator にアクセスします。
  2. ターゲット ディレクトリ]フィールドに、固定ゲートウェイをセットアップするためのデータ ファイルが含まれているディレクトリのパスを入力または参照します。
  3. ディレクトリ ステータス]領域で[変更]をクリックします。表示されるダイアログ ボックスで[ゲートウェイを割り当てる]オプションをクリックし、ゲートウェイにするコンピューターのネットワーク名を入力または参照します。[OK]をクリックします。
  4. Gateway Locator のメイン ウィンドウに戻り、[永続割り当て]のチェックをオンにします。[終了]をクリックします。

DOS コマンド ラインを使用する

  1. DOS コマンド プロンプトで ATTRIB +R コマンドを使用し、~PVSW~.LOC ファイルの属性を変更します。
    たとえば、現在のディレクトリがファイルの存在するディレクトリの場合、次のコマンドを入力することができます。
    ATTRIB +R ~PVSW~.LOC 
    

Windows エクスプローラーを使用する

  1. 固定ゲートウェイを割り当てるためのディレクトリに含まれる ~PVSW~.LOC ファイルを右クリックします。ショートカット メニューから[プロパティ]を選択します。
  2. プロパティ]ウィンドウの[全般]タブで、[属性]セクション内にある[読み取り専用]チェック ボックスをクリックします。[OK]をクリックします。

Gateway Locator ユーティリティでの作業

Gateway Locator ユーティリティでは、ネットワークにおけるゲートウェイ構成の制御と確認が行えます。このセクションでは、さまざまな目的でこのユーティリティを使用する方法について説明します。

このユーティリティを使用すれば、特定のディレクトリにあるデータ ファイルのゲートウェイとして使うワークグループ エンジンをユーザーが指定したり変更することができます。Gateway Locator ユーティリティは、Pervasive PSQL v11 SP3 ワークグループ エンジンでのみ使用することができます。

Gateway Locator は、ロケーター ファイル ~PVSW~.LOC を読み込んで操作することにより動作します。このファイルは、ゲートウェイ エンジンを割り当てた任意のディレクトリに常駐します。このファイルがロック(使用中)されている場合、Gateway Locator は、その特定のディレクトリのゲートウェイとして使われるワークグループ エンジンを見つけることはできますが、変更することはできません。

Gateway Locator ユーティリティを起動するには

  1. オペレーティング システムの[スタート]メニューまたはアプリ画面から Gateway Locator にアクセスします。
図 3 Gateway Locator のメイン ダイアログ ボックス


メモ

Gateway Locator はデータ ディレクトリ用にゲートウェイを設定するために使用できます。データ ディレクトリの場所はこのツールでは保存されません。したがって、[変更]をクリックする前にディレクトリ パスを必ず設定する必要があります。


  1. ターゲット ディレクトリ]で、検索または変更するゲートウェイ エンジンのデータ ファイルが含まれているディレクトリのパスを入力または参照します。
  2. デフォルトのターゲット ディレクトリは、現在の作業ディレクトリです。[...]ボタンをクリックすると、次のダイアログ ボックスが表示され、ターゲット ディレクトリを選択することができます。
図 4 Gateway Locator の[フォルダーの参照]ダイアログ ボックス

ゲートウェイ ワークグループ エンジンの検索

ターゲット ディレクトリを選択して、[リフレッシュ]ボタンをクリックすると、選択したディレクトリ(存在する場合)のゲートウェイ エンジンの名前が[割り当てられたゲートウェイ]ボックスに表示されます。選択したディレクトリ用のゲートウェイが存在しない場合は、ボックスに[割当てなし]と表示されます。

ゲートウェイ ワークグループ エンジンの変更

ターゲット ディレクトリの選択後は、[変更]をクリックし、特定のディレクトリのゲートウェイとして機能させるワークグループ エンジンを選択します(そのディレクトリのロケーター ファイルがロックされている場合、このボタンは使用不可になります)。次のダイアログ ボックスが表示されます。

図 5 [ゲートウェイの割り当て]ダイアログ ボックス

ゲートウェイとするサーバーのマシン名を入力または参照します。

図 6 [コンピュータの参照]ダイアログ ボックス


ピアツーピア構成のセットアップ

サービスとしてのワークグループ エンジンの起動