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Embarcadero などのランタイム ライブラリについてはいくつかのバリエーションがありますが、エンド ユーザーに配布する PDAC アプリケーションの基本的な構築方法は 2 つです。1 つは実行時パッケージを使用する方法で、もう 1 つはアプリケーションの実行可能ファイルに PDAC ライブラリを静的にリンクする方法です。また、C++ Builder では Embarcadero ランタイム ライブラリの動的または静的リンク オプションも提供します。
メモ
SDK で提供する DRM.DLL ファイル(Pervasive PSQL のインストール後、BIN ディレクトリに置かれます)は、配布するすべての環境設定のパスに配置する必要があります。また、PDAC アプリケーションを実行するターゲット コンピューターには Pervasive PSQL v10 SP1 クライアントまたは Pervasive PSQL エンジン(サーバーまたはワークグループ)が正しくインストールされていなければなりません。
実行時パッケージを使用する場合はいくつかの利点があります。最小の実行可能ファイルを提供することができます。これは、リンクの遅い環境で実行可能ファイルまたは更新のダウンロードや転送を行う必要がある場合には重要になります。このオプションを使用すれば、PDAC および Embarcadero のランタイム バイナリを共有することができます。これにより、多くの Embarcadero および PDAC アプリケーションを使用する環境内のディスク容量やメモリを大幅に節約することができます。
欠点は、より多くのファイルを配布し、これらをカレントにしておく必要があり、またその共有ファイルは、共有サブディレクトリにサード パーティ製の不正なバージョンの共有ファイルがインストールされることによって影響を受ける恐れがあることです。実行時パッケージを使用しない場合は、アプリケーションと DRM.DLL のみを配布する必要があります。PDAC ライブラリは実行可能ファイルに静的にリンクし、それに伴ってサイズは大きくなります。
実行時パッケージを使用する場合、開発者はアプリケーションの実行可能ファイルおよび適切な PDAC ライブラリ(PDAC インストール ディレクトリの redist サブディレクトリ内)の両方と、Embarcadero ランタイム ライブラリまたはその他のランタイム ライブラリ(コンパイラの bin ディレクトリにある borlndmm.dll が必要になることが多い)をエンド ユーザーに配布する必要があります。
Embarcadero コンパイラごとに redist ディレクトリがあります。このディレクトリには、.BPL ライブラリが含まれており、これらのライブラリは[実行時パッケージを使って構築]オプションを使ってコンパイルされたアプリケーションと一緒に配布する必要があります。
メモ
各 redist ディレクトリには .DCP または .BCP ファイルも含まれています。これらのファイルは、派生クラスを使用した開発が許可されるライセンスを持つ組織以外には再配布されません。.DPL パッケージと .BPL パッケージのみをアプリケーションと一緒に配布することができます。
PDAC アプリケーションは I*net Data Server で使用することはできません。I*net Data Server(IDS)は、Pervasive PSQL と別個にインストールできるコンポーネントではなくなりました。IDS の一部であった機能のほとんどは製品に統合されました。
ここでは、次に示すバージョンで構築と配布を行う手順を示します。
Delphi IDE で以下のように適切なオプションを設定します。
メモ
インストール時に PDAC パッケージが構築リストに追加されていた場合は、上記の手順は必要ありません。
メモ
PDAC パッケージをリストに追加しない場合、これらは実行可能ファイルにコンパイルされ、[実行時パッケージを使って構築]のチェックがオンになっていても共有ライブラリは使用されません。
PDAC ライブラリをアプリケーションの実行可能ファイルに静的にリンクさせるには、[実行時パッケージを使って構築]のチェックをオフにしておきます。
コンパイル時、[実行時パッケージを使って構築]のチェックをオンにしていた場合は、アプリケーションを配布するときに、アプリケーションそのもの、drm.dll およびその他のパッケージまたは 必要な DLL と共に以下に示すパッケージ ライブラリも配布する必要があります。
これらのライブラリは、¥SDK¥PDAC¥PDAC¥Delphi2006¥REDIST にあり、それぞれ個別の .DCP ファイルが含まれています。
これらのファイルは、アプリケーションの実行可能ファイルと同じサブディレクトリにインストールすることができますが、Pervasive ではターゲット コンピューターのパスに置くことをお勧めします。そうすれば、これらのファイルをほかのアプリケーションでも共有することができます。Pervasive PSQL インストール場所の BIN ディレクトリが Pervasive 実行モジュールの主ディレクトリである場合は、このディレクトリを使用するのが適切です。
さらに、Delphi の PDAC アプリケーションでは Pervasive PSQL エンジン(サーバーまたはワークグループ)または Pervasive PSQL クライアントのいずれかと、適切にインストールされ設定されているリモート サーバーが必要です。
Delphi 6 以降、Pervasive では Embarcadero 標準との互換性をより強化するようパッケージの名前付け規則を変更しました。また、Embarcadero 要件を満たすために、実行時パッケージを設定時パッケージから分けました。
旧バージョンの Delphi と PDAC から移行する場合の新しい実行時パッケージ名の解釈方法を以下に示します。
ファイル名の桁位置
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可能な値
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説明
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1
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p
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Pervasive
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2
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c、b または s
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Common、Btrieve または SQL
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3-5
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リリースによって異なる
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PDAC コンポーネントのメジャーおよびマイナー バージョン
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6
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r、d
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実行時または設計時
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7-8
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リリースによって異なる
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これらのコンポーネントを適用する Delphi のバージョン
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メモ
Delphi 6 で作業する場合、InfoPower 機能はメイン パッケージに結合されています。InfoPower 機能の Woll2Woll コンポーネント用のパッケージは独立していません。
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