PSQL Programmer's Guide (v11)

アクセス方法の選択

開発戦略の選択肢には多くの要因が影響します。各種プラットフォーム上でツールを使用できるか、開発者が所定のプログラミング環境をよく理解しているか、また移植可能であるか、といった条件は、多くの場合、このプロセスにおいて決定的な役割を果たします。また一方で、開発者が柔軟性を持ち合わせている場合は、多方面の繊細な要因を考慮する必要があります。

パフォーマンスは常に考慮の対象になります。ただし、実行時のパフォーマンスと開発期間とのバランスをとらなければなりません。すなわち、プログラムを短期間で完成するのと、使用時に短時間で実行できるようにするのとではどちらがより重要であるかということです。

データベース プログラミングでは、データベースのインターフェイスは、開発期間と実行時のパフォーマンスの両方に影響を与えます。多くの場合、SQL と Btrieve のどちらを選択するかはこれらの要因だけに基づきます。

Pervasive PSQL 製品を初めて使う場合、ADO NET/OLE DB、ActiveX コントロール、JDBC、Pervasive Direct Access Components for Delphi and C++ Builder、その他のサードパーティ開発ツールなどのアクセス方法を使用して Pervasive PSQL アプリケーションを開発することができます。

Btrieve API に直接書き込みを行う場合は、Btrieve API プログラミングを参照してください。この章では、いくつかのプログラミング言語でヒントとコード サンプルを示します。

1 では、さまざまな Pervasive PSQL のアクセス方法を比較しています。

表 1 アプリケーション プログラミングのアクセス方法の比較
アクセス方法
特性
適応項目
Btrieve API
  • ほとんどの Windows プログラミング言語から DLL を呼び出し可能。
  • データベースの完全な機能セットを公開。
  • 最小サイズ。
  • 最大の柔軟性。
  • アプリケーションとデータの間の最短コード パス。
  • リレーショナル データベース管理システムにおける最小のコード オーバーヘッド。(ただし、データベース管理専用のアプリケーション コード数を増やす必要があります。)
  • クライアント/サーバー機能。
  • BLOB サポート。
  • サイズまたは実行時のパフォーマンスを重視するアプリケーション。
Java
  • シン クライアント。
  • プラットフォーム間の移植可能性。
  • インターネットまたはイントラネットの能力。
  • Winsock プロトコルと JNI プロトコルをサポート。
  • マシンと OS の独立性。インターネットと Web の能力。
  • 最小サイズ。
  • 優れた柔軟性。
  • インターフェイスに実装されている行セット、フィールドの抽象化。
  • 総合的なパフォーマンス。Java は、コードのオーバーヘッドの大きなインタプリタ言語です。
  • クライアント/サーバー機能、言語に固有のバージョン管理。
  • Web アプレット。
  • インターネットベース アプリケーション。
  • 各種ハードウェアおよび OS プラットフォームで実行しなければならないアプリケーション。
ADO/OLE DB
  • Visual Studio との優れた統合。
  • トランザクショナル、リレーショナルのいずれの状況でも動作。
  • インターネットまたはイントラネットに適応。
  • 行セット、フィールドの抽象化。
  • Visual Studio を使用したアプリケーション開発。
ADO.NET
  • 優れた総合的パフォーマンス。
  • インターネットの能力。
  • XML サポート。
  • 効率的なスケーラブル アーキテクチャ。
  • 実行時間が最重要である、管理された環境で実行するアプリケーション。
ActiveX
  • Visual Basic ネイティブ インターフェイス。
  • ほとんどの Windows プログラミング環境でサポート。
  • 優れた柔軟性。
  • 優れた総合的パフォーマンス。
  • インターネットの能力。
  • 行セット、フィールドの抽象化。
  • Extended オペレーション、テーブル結合機能。
  • クライアント/サーバー機能。
  • 実行時のパフォーマンスとコーディングのしやすさとのバランスが重要なアプリケーション。
  • ダウンロード時のフットプリントが最小であることや、Java のマシン非依存性は必要としないが、インターネット上のデータへのアクセスを必要とするアプリケーション。
SQL/ODBC
  • データベースの実装からアプリケーション インターフェイスを抽象化。
  • ほとんどのプログラミング言語、多数のアプリケーションがサポート。
  • リレーショナル アクセスのみ。
  • ラージ。一般的にネイティブ DBMS API への直接インターフェイスより低速。アプリケーションに「汎用」インターフェイスを提供。
  • 完全なリレーショナル インプリメンテーション。
  • ネイティブ機能のサブセット。
  • ほとんどすべての Windows プログラミング環境と多数の市販のアプリケーションでサポートされる標準インターフェイス。
  • さまざまなデータ ストアへの異種アクセスを必要とするアプリケーション、または特定のデータ ストアに依存しないアプリケーション。
  • リレーショナル データ ストアの保守を重視するが、なおかつ、実行時のパフォーマンスが重要であるアプリケーション。
Pervasive Direct Access Components
  • Delphi および C++ Builder の Embarcadero Database Engine に取って代わる。
  • トランザクショナルまたはリレーショナル コンテキストからデータにアクセスするクラス。
  • Embarcadero IDE を使用したアプリケーション開発。


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