What's New in Pervasive PSQL (v11)

Linux

Pervasive PSQL v11 SP1 では Linux オペレーティング システム向けに以下のものがサポートされます。

64 ビット ODBC ドライバー

Pervasive PSQL v11 SP1 は、Linux で 64 ビット アプリケーション用 ODBC インターフェイスをサポートするようになりました。64 ビット ODBC ドライバーは Pervasive PSQL Server 64 ビットおよび Pervasive PSQL Client 64 ビットでインストールされます。

Linux ディストリビューションの場合、個々の ODBC ドライバーはドライバー マネージャー UNIXODBC を介してロードされます。このドライバー マネージャーはデータ ソース名(DSN)から特定の Pervasive PSQL ODBC ドライバーへのマッピングを保持します。

Pervasive PSQL Server 64 ビットまたは Client 64 ビットがインストールされても、既に存在するユーザー定義の 32 ビット DSN に変更はありません。これは、これらの DSN は 64 ビット アプリケーションからは直接アクセスできないということです。 新しい DSN については、上記の両製品のインストールで 32 ビットおよび 64 ビット ODBC ドライバーが odbcinst.ini に割り当てられます。 この割り当てによって、1 つの DSN を 32 ビット アプリケーションと 64 ビット アプリケーションの両方で使用することができます。

既存の 32 ビット DSN を 32 ビット アプリケーションと 64 ビット アプリケーションの両方にアクセスさせたい場合は、それらを新しいスタイルの DSN として再作成する必要があります(表 7Pervasive ODBC Interfaceを参照)。

ODBC およびデータ ソース名(DSN)

クライアント アプリケーションのビット数が Pervasive PSQL Server 製品のビット数と一致している必要はありません。たとえば、64 ビット ODBC ドライバーや 32 ビット ODBC ドライバーは、Pervasive PSQL Server 64 ビットまたは Pervasive PSQL Server 32 ビットのどちらの接続にも使用することができます。

ただし、Pervasive PSQL Client の場合は、アプリケーションのビット数がクライアント マシン上の Pervasive PSQL Client のビット数と一致している必要があります。つまり、クライアント上で 64 ビット アプリケーションを使用するには、Pervasive PSQL 64 ビット Client がインストールされている必要があります。

Pervasive PSQL v11 は次の表で説明するように 3 つの ODBC ドライバーを提供します。

表 7 Linux 用の Pervasive PSQL ODBC ドライバー記述
INI ファイルにおける ODBC ドライバー記述
当該ドライバーがインストールされる PSQL 製品
一緒にインストールされる製品の動作
Pervasive ODBC Engine Interface
サーバー 64 ビット
サーバー 32 ビット
  • 既存のエンジン DSN との互換性を維持するため ODBC ドライバーを odbc.ini に割り当てます。
  • ローカルの名前付きデータベースへ接続します。
  • 「dsnadd」 ユーティリティを使用する場合、デフォルトでは作成されなくなりました(-engdsn オプションを指定する必要があります)。ODBC の変更によって影響を受けるユーティリティも参照してください。
  • Windows クライアント上で実行している ODBC アドミニストレーターでエンジン DSN を表示すると見ることができます。
  • エンジン DSN を使用するため既にコード化された 32 ビット アプリケーションに使用されます。
  • Pervasive PSQL v11 で 32 ビット エンジン DSN を使用することは推奨しません。以前の Pervasive PSQL v11 SP1 の新機能を参照してください。
Pervasive ODBC Client Interface
サーバー 64 ビット
サーバー 32 ビット
クライアント 32 ビット
  • 既存のクライアント DSN との互換性を維持するため ODBC ドライバーを odbc.ini に割り当てます。
  • ローカルまたはリモートの名前付きデータベース、あるいはエンジン DSN へ接続します。
  • クライアント DSN を使用するため既にコード化された 32 ビット アプリケーションに使用されます。
  • dsnadd ユーティリティで -host を指定する場合、デフォルトでは作成されなくなりました(-clntdsn オプションを指定する必要があります)。ODBC の変更によって影響を受けるユーティリティも参照してください。
Pervasive ODBC Interface
サーバー 64 ビット
クライアント 64 ビット
  • 新しい 32 ビットおよび 64 ビット DSN で使用するため ODBC ドライバーを odbcinst.ini に割り当てます。
  • ローカルまたはリモートの名前付きデータベースへ接続します。
  • 32 ビットおよび 64 ビット アプリケーション用に推奨されるドライバー記述です。
  • 「dsnadd」 ユーティリティを使用する場合、デフォルトで作成されます。ODBC の変更によって影響を受けるユーティリティも参照してください。
  • Windows クライアント上で実行している ODBC アドミニストレーターで、エンジン DSN としては表示されません。

よく寄せられる質問

次の表では、Pervasive PSQL v11 SP1 における Linux 向けの ODBC および DSN のサポートについてよく寄せられる質問(FAQ)の回答を記載しています。

表 8 Linux 向けの ODBC および DSN サポートに関する FAQ
質問
回答
32 ビット エンジン DSN は使用しない方がよいですか?
はい。新規アプリケーションまたは修正を施す 32 ビット アプリケーションの場合、エンジン DSN を使用するよりも、名前付きデータベースに接続する DSN を作成することをお勧めします。以前の Pervasive PSQL v11 SP1 の新機能も参照してください。
"DSN レス"接続とはなんですか?
DSN レス接続とは、ODBC ドライバー "Pervasive ODBC Client Interface"(既存の 32 ビット アプリケーション用)または "Pervasive ODBC Interface"(32 ビットまたは 64 ビット アプリケーション用)を使用して名前付きデータベースへ接続するものを指します。
Pervasive PSQL v11 SP1 Server または Client にアップグレードするときに、既存の 32 ビット エンジン DSN はどうなりますか?
移行のために必要な手続きはありません。既存のユーザー定義の 32 ビット エンジン DSN は引き続き適切に機能し、設定どおりに動作します。PSQL Server または Client マシン上のアプリケーションは、引き続き 32 ビット エンジン DSN を使用して動作します。
ただし、Pervasive PSQL Server 64 ビットでインストールされる DEMODATA サンプル データベースについては異なります。DEMODATA 用の DSN は、インストール時に "Pervasive ODBC Interface" を使用して再作成され、名前付きデータベースに接続します。
既存の 32 ビット DSN を 32 ビット アプリケーションと 64 ビット アプリケーションの両方にアクセスさせたい場合は、"Pervasive ODBC Interface" を使用してそれらの DSN を再作成し、ローカルまたはリモートの名前付きデータベースに接続する必要があります。
Pervasive PSQL v11 SP1 Client にアップグレードするときに、既存の 32 ビット クライアント DSN はどうなりますか?
移行のために必要な手続きはありません。既存のクライアント DSN は引き続きリモート エンジン DSN に接続します。
ただし、エンジン DSN の使用は推奨されないので、新規アプリケーションまたは修正を施す 32 ビット アプリケーションは、エンジン DSN ではなく名前付きデータベースに接続することをお勧めします。
エンジン DSN やクライアント DSN はまだ作成することができますか?
はい、作成できます。しかし、「dsnadd」 では -engdsn または -clntdsn オプションを指定する必要があります。ODBC の変更によって影響を受けるユーティリティを参照してください。いずれかのオプションで作成された DSN は 32 ビット アプリケーションのみに対応します。
以前のリリースの PSQL クライアント(PSQL v10.x クライアントなど)からの接続はどうなりますか?
Pervasive PSQL はリモート クライアント DSN を引き続きサポートするので、以前のバージョンのクライアントも接続することができます。
ただし、Pervasive PSQL Server 32 ビットおよび 64 ビットのどちらの場合もエンジン DSN は 32 ビットのみであることに注意してください。64 ビット エンジン DSN は Pervasive PSQL で作成することはできません。
Pervasive PSQL DSN 用の ODBC 接続文字列はどのようなものですか?
SQL Engine Reference』の「ODBC 接続文字列」を参照してください。
32 ビット アプリケーションを 64 ビットに移植する場合、DSN について何か行う必要がありますか?
"Pervasive ODBC Interface" を使用して、名前付きデータベースに接続する新しい DSN を作成する必要があります。
データベース エンジンと一緒にインストールされる DEMODATA サンプル データベース用の DSN はどうなりますか?
Pervasive PSQL Server 64 ビットまたはクライアント 64 ビットをインストールすると、"Pervasive ODBC Interface" を使用して DEMODATA 用の DSN が作成され、名前付きデータベースに接続します。これは、Windows の ODBC アドミニストレーターを使用するクライアントの場合、Pervasive PSQL Server から[エンジン DSN]の一覧で DEMODATA が見えなくなることを意味します。このクライアントは[データベース名]の一覧を見る必要があります。64 ビット アプリケーション場合、エンジン DSN を介して DEMODATA に接続することはできません。
作成したアプリケーションが DTI を使用して DSN を管理する場合はどうなりますか?
DSN 用の DTI 関数で管理するのは 32 ビット エンジン DSN のみです。そのため、将来的には DSN 用の DTI 関数は 32 ビット エンジン インターフェイス ODBC ドライバーと共に使用できなくなる可能性があります。以前の Pervasive PSQL v11 SP1 の新機能を参照してください。
(DSN を管理する DTI を使用する代わりに、SQL や ODBC ステートメントを使用することができます。たとえば、CREATE DATABASE を使用して名前付きデータベースを作成し、SQLConfigDatasource を使用して DSN を設定することができます)。
Pervasive PSQL v11 SP1 には 64 ビット ODBC および DSN をサポートする新しいユーティリティが含まれていますか?
64 ビット ODBC および DSN をサポートするために既存のユーティリティが変更されていますか?
一部の記述子フィールドは ODBC のさまざまな SQLSet... および SQLGet.... 関数を介して設定できますが、これらの関数が 64 ビット値対応されている一方、それ以外の関数はまだ 32 ビット値対応ですか?
はい。64 ビット ODBC ドライバーを使用している場合はそうなります。記述子フィールドを設定および取得するときは、適切なサイズの変数を使用するようにしてください。詳細については、次の Web サイト(英語サイト)を参照してください。
http://www.unixodbc.org/doc/ODBC64.html
説明の要点は、SQL_ROWSET_SIZE は SQLGetStmtOption と SQLGetStmtAttr の両方でサポートされるということです。64 ビット ODBC ドライバーを使用し、SQLGetStmtOption または SQLGetStmtAttr を呼び出した場合、属性パラメーターが SQL_ROWSET_SIZE に設定されている場合には、*ValuePtr に 64 ビット値が返されます。
将来的に、ODBC 接続で推奨される方策はありますか?
はい。新規アプリケーションまたは修正を施す 32 ビット アプリケーションは、ローカルでもリモートでも、名前付きデータベースへ接続するようにしてください。
将来的に Pervasive PSQL でエンジン DSN がサポートされなくなった場合には、アプリケーションで適切に対処してください。
(SQL や ODBC ステートメントを使用することで DSN を管理することができます。たとえば、CREATE DATABASE を使用して名前付きデータベースを作成し、SQLConfigDatasource を使用して DSN を設定することができます)。

ODBC ヘッダー ファイル

ODBC 用の sql.h、sqltypes.h および sqlext.h ヘッダー ファイルには、32 ビット アプリケーションと 64 ビット アプリケーションのコンパイルに違いがあります。64 ビット ODBC の説明については、UNIXODBC Web サイトで ODBC に関するドキュメントを参照してください。 たとえば、次の Web サイト(英語サイト)の情報が役立ちます。

http://www.unixodbc.org/doc/ODBC64.html

ODBC の変更によって影響を受けるユーティリティ

Red Hat Enterprise Linux 6

Pervasive PSQL は Red Hat Enterprise Linux 6 をサポートします。 この 64 ビット版の Linux ディストリビューションは、デフォルトでは 64 ビットのコンポーネントと実行可能ファイルのみをサポートします。64 ビット Red Hat Enterprise Linux 6 の配布メディアには 32 ビット ライブラリも含まれますが、デフォルトでこれらはインストールされません。

次の表では、Red Hat Enterprise Linux 6 について、Pervasive PSQL に必要な特定の 32 ビット ライブラリの説明など、インストールに関する注意事項をまとめています。

Pervasive PSQL 製品
64 ビット版 Red Hat Enterprise Linux 6 のインストールに関する注記
  • 64 ビット サーバー
  • 32 ビット サーバー
  • 32 ビット クライアント
Pervasive PSQL の RPM および TAR インストール ファイルは、32 ビット GLIBC および LIBSTDC++ ライブラリが存在しているか確認します。これらのライブラリが存在しない場合、Pervasive PSQL のインストールは停止し、メッセージを表示します。Pervasive PSQL をインストールするには、最初に glibc.i686 および libstdc++.i686 をインストールしておく必要があります。
Pervasive PSQL の RPM および TAR インストール ファイルは、32 ビット GTK が存在しているかどうかも確認します。GTK が存在しない場合、Pervasive PSQL は警告メッセージを表示します。このメッセージは、32 ビット GTK がインストールされなければ PCC、DDF Builder および GUI 手動認証ユーティリティが機能しないことを通知します。このメッセージの表示後、Pervasive PSQL のインストールは最後まで続行します。
PCC、DDF Builder および GUI 手動認証ユーティリティが動作するようにするには、以下の Linux パッケージをインストールします。
  • gtk2.i686
  • PackageKit-gtk-module.i686
  • libcanberra-gtk2.i686
  • gtk2-engines.i686
たとえば、次のように指定します。
yum install gtk2.i686 PackageKit-gtk-module.i686 libcanberra-gtk2.i686 gtk2-engines.i686
上記の 3 つのユーティリティを除けば、32 ビット GTK が存在しなくても Pervasive PSQL は機能することに留意してください。つまり、データベース エンジンは機能し、すべてのコマンド ライン ユーティリティも動作します。また、Pervasive PSQL ライブラリは存在するのでアプリケーションからのアクセスも可能です。クライアント アプリケーションは、32 ビット GTK を必要としなければ機能します。
  • 64 ビット サーバー
  • 32 ビット サーバー
Pervasive PSQL のインストールでは Samba の構成を試みます。ただし、Samba は、デフォルトでその一部のみがインストールされ Red Hat Enterprise Linux 6 で有効になっていません。
Samba 共有 PSQLDATA の作成に関するインストール エラーを無視することができます(smb.conf ファイルは存在しますが、それをサポートするものは何もありません)。このエラーは無害なので Pervasive PSQL は正常に機能します。


SDK アクセス方法

以前の Pervasive PSQL v11 の新機能