Installation Toolkit Handbook (v11)

インストールのシンプルなカスタマイズ

以下の 3 つの方法のいずれかを使用することで、インストールに対して簡単なカスタマイズが行えます。

MSI オプションを使用したインストール

ここでは、Windows インストーラーに含まれているオプションとパラメーターを使用した、インストールのカスタマイズについて説明します。

サイレント インストール

この quiet オプションを使用すると、ユーザーが介入することなくインストールが実行できます。サイレント インストールではそれ以外の別のインストールを自動的に起動することはできません。サイレント インストールの場合は、製品が完全な最新版になるよう別のインストールを実行する必要がある場合もあります。サイレント インストールで特に考慮すべき点を参照してください。

以下の手順では、コマンド ラインから、quiet オプションを指定して Pervasive PSQL v11 をインストールする方法について説明します。


メモ

インストール先のシステムに Microsoft Windows Installer(MSI)3.1 以上がインストールされている場合は、下記の MSIEXEC プログラム用の手順を使用します。インストール先のシステムに MSI 3.1 以上があるかどうかが不明な場合は、セットアップ実行可能ファイルを使用してインストールしてください。セットアップ実行可能ファイルを使用したサイレント インストールの例を参照してください。


quiet(サイレント)オプションを使用して Pervasive PSQL をインストールするには

  1. コマンド プロンプトから次のコマンドを入力します。
    MSIEXEC.EXE /i <PervasiveProductName>.msi TRANSFORMS=1041.mst /qn
    インストール プログラムはユーザーが介入することなくバックグラウンドで実行します。
  2. 現在のリリースに製品アップデートが含まれている場合はそれをインストールします。現在のリリース用の製品パッチを参照してください。

    メモ

    コマンド ライン構文の詳しいドキュメントについては Windows Installer SDK を参照してください。


quiet(サイレント)オプションを使用して Pervasive PSQL をアップグレードするには

  1. 既存の製品(アップグレード元の製品)に適用可能な製品アップデートがある場合は、最初にそれをインストールします。製品をアップグレードするためのパッチを参照してください。
  2. セットアップ実行可能ファイルを使用したサイレント インストールの例で説明されているセットアップ実行可能ファイル、または quiet(サイレント)オプションを使用して Pervasive PSQL をインストールするにはで説明されている MSIEXEC プログラムのいずれかを使用して Pervasive PSQL をインストールします。
    インストール先のシステムに Microsoft Windows Installer(MSI)3.1 以上がインストールされている場合は、MSIEXEC プログラムを使用します。インストール先のシステムに Microsoft Windows Installer(MSI)3.1 以上があるかどうかが不明な場合は、セットアップ実行可能ファイルを使用します。
  3. 現在のリリースに製品アップデートが含まれている場合はそれをインストールします。現在のリリース用の製品パッチを参照してください。

サイレント インストールで特に考慮すべき点

サイレント インストールではそれ以外の別のインストールを自動的に起動することはできません。サイレント インストールの場合は、製品が完全な最新版になるよう別のインストールを実行する必要がある場合もあります。そのような独立したインストールの例には次のようなものがあります。

製品をアップグレードするためのパッチ

アップグレードとは旧バージョンのリリースから現在のリリースに移行することです。現在のリリースにアップグレードする前に、パッチを適用しておく必要がある場合があります。現在のリリース用の readme ファイルを参照してください。これには必要なアップグレード パッチが挙げられています。アップグレード パッチが使用可能であれば、最初にそれをインストールします。


ヒント

このガイドの例では、Vista システムでの実行をより高速にするために、"eom" ログ フラグを使用します。このオプションは、エラー情報のみを含むログ ファイルを生成します。エラーが発生した場合は、サポートへ問い合わせる前に、"/l*v" ログ オプションを使ってコマンドを再実行し、詳細なログ ファイルを生成してください。


たとえば、Pervasive PSQL v10 から Pervasive PSQL v10 SP1 へのアップグレードに対しオプションのパッチが使用できます。Pervasive PSQL v10 用に保存した個別の設定を保持したい場合はパッチをインストールします。このパッチは Pervasive Web サイトからのみ使用可能です。

コマンド プロンプトから以下のコマンドを使用してパッチをインストールします。

Product_type_platform.msp /qn /leom "%temp%¥
product_pre-UpgradePatch.log" 

この場合、

Product は製品を示し、type および platform は製品の種類と製品を実行するプラットフォームを示します。たとえば、PSQLversionPatch_Client_x86.msp は、32 ビット プラットフォームの Pervasive PSQL クライアントを参照します。

現在のリリース用の製品パッチ

現在のリリース用のパッチは「製品アップデート」と呼ばれます。製品の現在のリリースによっては、サイレント インストールの後に製品アップデートを適用する必要がある場合もあります。製品アップデートが必要な場合、インストール メディアの ~¥Redist¥PVSW¥PSQL¥Patches¥ フォルダーにそのアップデートがあります。

そのフォルダーのパッチをインストールすると現在のリリースが確実に最新版になります。たとえば、以下のコマンドは 32 ビット版の Pervasive PSQL サーバー用の製品アップデートをインストールします。

path_to_installation_media¥Redist¥PVSW¥PSQL¥Patches¥
PSQLversionPatch_Server_x86.msp /qn /leom "%temp%¥
PSQLversion_post-InstallPatch.log" 

サイレント インストールが終了したことを判断する

サイレント インストールが終了したかどうかを判断するために次のいずれかの方法を使用できます。

  1. /qb、/qb!、/qb+、/qb-、/qb などの標準的な UI オプションのうちの 1 つを指定して Pervasive PSQL のインストールが実行されるよう、Windows Installer Process(msiexec.exe)に渡されるコマンドを修正します。MSI の UI レベルに関する詳しい情報については、Web サイトの Microsoft Developer Network(MSDN)ライブラリを参照してください。
    setup.exe コマンド ライン オプション /v の後のすべてが msiexec.exe に渡されることに注意してください。 InstallShield ランチャー(setup.exe)を使用して msiexec.exe コマンド ライン オプションを渡す方法の詳細については、Macrovision Helpnet Web サイトをご覧ください。
  2. インストール コマンドを順に実行する Windows バッチ スクリプトを作成します。バッチ スクリプトが完了すると、サイレント インストールが終了します。
    64 ビット版 Pervasive PSQL サーバーをインストールするバッチ スクリプトは次のとおりです。
    @echo off
    set TS_FILE=%windir%¥system32¥change.exe
    set PSQL_EXE=%cd%¥Server¥SetupServer_x64.exe
    set PSQL_LOG=%temp%¥SetupServer_x64.log"
    set MODE=REALLYSUPPRESS
    set PSQL_EXE_CLI=/S /v"/leom %PSQL_LOG% /qn REBOOT=%MODE%
    set PSQL_MSP_PATH=%cd%¥Server¥Redist¥PVSW¥PSQL¥patches
    set PSQL_MSP=%PSQL_MSP_PATH%¥PSQLversionPatch_Server_x64.msp
    set PSQL_MSP_LOG=%temp%¥PSQLversionPatch_Server_x64.log
    set PSQL_MSP_CLI=/leom %PSQL_MSP_LOG% /qn REBOOT=%MODE%
    echo Pervasive PSQL Install
    echo ...changing to 'install' mode
    echo for terminal services systems
    if EXIST "%TS_FILE%" change user /install
    echo run main PSQL MSI Installer
    "%PSQL_EXE%" %PSQL_EXE_CLI%
    if NOT exist "%PSQL_MSP%" goto RESUME
    echo run PSQL Patch Installer
    "%PSQL_MSP%" %PSQL_MSP_CLI%
    :RESUME
    echo -- Reset install mode, if needed
    if EXIST "%TS_FILE%" change user /execute
    echo PSQL Install Complete

    メモ

    この例は 64 ビット版のサーバー用です。その他の製品の場合は、インストーラー名やログ ファイルを各製品に応じた適切な名前に変更してください。また、Windows Vista などの特定のオペレーティング システムの場合は、Administrator(管理者)としてバッチ スクリプトを実行する必要があります。お使いのオペレーティング システムに応じた、バッチ スクリプトを実行するための適切な権限を必ず持っている必要あります。


PTKSetup.ini 設定を使用したインストール

このセクションでは、PTKSetup.ini 設定を使用するカスタム インストールをコマンド ラインから実行する作業例を示します。PTKSetup.ini 設定を使用するインストール方法には、この INI ファイルで設定を指定し、コマンド ラインからオプションを指定しないでインストールを実行するというもう 1 つの方法もあります。

PTKSetup.ini ファイルで値を設定することはできますが、INI キーや値をこのファイルに追加することはできないので注意してください。このファイルに INI キーや値を追加しても、それらが Pervasive Software で定義されていなければインストール処理で無視されます。

Pervasive PSQL キーの指定

Pervasive PSQL v11 より前のバージョンの Pervasive PSQL で、Pervasive PSQL キーは PTKSetup.ini ファイルで属性として指定できました。そのため、複数のインストールで同じキーを使用できました。本バージョンではインストールごとに独自の一意キーが必要となります。従来どおり、PTKSetup.ini にキーを指定することはできますが、そのキーはインストールが実行されるマシンごとに一意でなければなりません。

キーの配布にはさまざまな手段が用いられます。たとえば、パッケージの箱の上にキーを印刷する、箱の中に同梱する、エンド ユーザーへの電子メールに記載するなどの手段があります。キーの配布にどのような方法を用いたとしても、PTKSetup.ini におけるキーの一意性を保証する 1 つの方法は、アプリケーションのインストールでエンド ユーザーにキーの入力を促すことです。 その後、アプリケーションのインストールで PTKSetup.ini のローカル コピーにそのキーを書き込むことができ、PTKSetup.ini を使用するインストール処理を続行します。 PTKSetup.ini に有効なキーが指定されている場合、Pervasive PSQL インストール処理によってそのキーが自動的に認証されます。 キーが有効であるということは、インストールが実行されるマシンに対してキーが一意であるということです。

オプション機能のインストール

次の手順では、コマンド ラインからオプション機能を使用して Pervasive PSQL v11 をインストールする方法について説明します。

Pervasive PSQL をマニュアルなしでインストールするには

  1. DOS コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
  2. 次のコマンドを入力します。
    MSIEXEC.EXE /i "<PervasiveProductName>.msi" PVSW_PSQL_INSTALL_DOCUMENTATION=0 TRANSFORMS=1041.mst
  3. Enter キーを押します。
    インストール プログラムは、オプション機能の一覧からマニュアル オプションを削除して実行します。

キーの認証を含む Pervasive PSQL のインストール

  1. DOS コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
  2. インストールが実行されるマシンに対する一意のキーを使用して、以下のコマンドを入力します。
    MSIEXEC.EXE /i "<PervasiveProductName>.msi" PVSW_PSQL_LICENSE_KEY=NG2ZE-ZKS3C-D2CFK-9IR6K-G2C3X TRANSFORMS=1041.mst
    Pervasive PSQL キーの指定も参照してください。

MSI オプションと PTKSetup.ini 設定を使用したインストール

PTKSetup.ini ファイルの設定に加えて MSI オプションとパラメーターも使用して、Pervasive PSQL v11 インストールをカスタマイズすることができます。この方法を使用すれば、PTKSetup.ini 内のプロパティを無効にし、コマンド ラインから追加オプションを使ってインストールを実行できます。

このセクションでは、これらの両方のオプションを使用してカスタマイズされたインストールの作業例を提供します。ここで提供する例は、前述の例で使用した、PTKSetup.ini ファイルで値を設定する方法とコマンド ラインでオプションを指定する方法を組み合わせたものです。

Pervasive PSQL をマニュアルなしで quiet オプションを使ってインストールするには

  1. PTKSetup.ini ファイルで、以下のプロパティを探します。
    ;PVSW_PSQL_INSTALL_DOCUMENTATION=1
  2. このプロパティの値を 0 に変更し、次のようにします。
    PVSW_PSQL_INSTALL_DOCUMENTATION=0

    ヒント

    必ず先頭の ";" を削除してコメントを外し、プロパティが含まれるようにしてください。


  3. DOS コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
  4. 次のコマンドを入力します。
    MSIEXEC.EXE /i <PervasiveProductName>.msi TRANSFORMS=1041.mst /qn
  5. Enter キーを押します。
    これで、インストール プログラムはバックグラウンドでサイレントに実行され、ユーザー マニュアルはインストールされません。
    サイレント インストールで特に考慮すべき点も参照してください。

Pervasive PSQL をキーの認証付きで Quiet オプションを使ってインストールするには

  1. PTKSetup.ini ファイルで、以下のプロパティを探します。
    ;PVSW_PSQL_LICENSE_KEY=
  2. 次に示すように、このプロパティの値を、インストールが実行されるマシンに対する一意のキーに変更します。
    PVSW_PSQL_LICENSE_KEY=NG2ZE-ZKS3C-D2CFK-9IR6K-G2C3X
    Pervasive PSQL キーの指定も参照してください。
  3. DOS コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
  4. 次のコマンドを入力します。
    MSIEXEC.EXE /i <PervasiveProductName>.msi TRANSFORMS=1041.mst /qn
  5. Enter キーを押します。
    これで、インストール プログラムはバックグラウンドでサイレントに実行され、ユーザー マニュアルはインストールされません。
    サイレント インストールで特に考慮すべき点も参照してください。

セットアップ実行可能ファイルで別の設定ファイルの場所を使用する

MSI のパブリック プロパティである PVSW_CFG_FILE を設定して完全に修飾されたファイル パス名を渡すことによって、別の設定ファイルを使用することができます。このプロパティは、コマンド ラインで Windows のプロセス(msiexec)に渡す必要があります。

このプロパティを渡す前に、プロパティにスペースが含まれているかどうかを確認します。このプロパティにスペースが含まれていない場合は、次の例のように指定します。

SetupName.exe /V"PVSW_CFG_FILE=c:¥temp¥ConfigFile.ini"


メモ

/V コマンド ライン オプションの後にスペースを入れないでください。


プロパティにスペースが含まれている場合は、次の例に示すように、そのプロパティの値を二重引用符で囲み、先頭に円記号(¥")を付ける必要があります。

SetupName.exe /V"PVSW_CFG_FILE=¥"c:¥Documents and 
Settings¥UserName¥temp¥ConfigFile.ini¥"" 

上記の例を組み合わせて使用すれば、MSI の複数のプロパティ設定を渡すこともできます。

SetupName.exe /V"PROPERTY1=0 PROPERTY2=¥"c:¥My 
Path¥Some File.txt¥"" 

MSI 実行可能ファイルで別の設定ファイルの場所を使用する

対象とするターゲット システムに、現在サポートされている Windows インストーラーのバージョンがある場合は、MSI 実行可能ファイルを使用するだけです。MSDN のサポート技術情報(Knowledge Base)で Windows インストーラーのコマンド ラインオプションに関するトピック「Command-Line Options」(英語)に記載されている MSI パブリック プロパティを指定する手順に従います。

msiexec.exe /i "{パス}¥MSIPackage.msi" PROPERTY1="プロパティ値
" PROPERTY2=0 

カスタム インストールの概要

インストールの高度なカスタマイズ