Advanced Operations Guide (v11)

Windows Server 2003 用の Microsoft Cluster Service

このセクションでは、クラスター サービスのインストールと設定には精通していて、クラスター サービス グループに Pervasive PSQL v11 SP2 サービスを追加するための情報のみが必要であると仮定して説明します。

クラスター サービス技術に詳しくない場合は、クラスター サービスのインストール、動作確認およびタスクの実行方法について Microsoft のドキュメントを参照してください。

作業手順

このセクションは、どのようにしてクラスター グループに Pervasive PSQL サービスを追加していくと良いか、という形式で構成されています。推奨される手順は以下のとおりです。

クラスター サービスが正常に機能しているか検査する

Pervasive PSQL サービスをクラスター グループに追加する前に、クラスター サービスが正常に機能していることが必須です。クラスター サービスのインストール、動作確認、タスクの実行方法については、Microsoft のドキュメントを参照してください。

サーバーおよびディスク サブシステムは、Microsoft の クラスターのハードウェア互換性リスト(HCL)から選択することをお勧めします。


メモ

クラスター サービスを適切に設定しないと、Pervasive PSQL リソースを正しく動作させることができません。


ネットワーク クライアント通信の検証

クラスター環境に Pervasive PSQL を追加する前に、ネットワーク クライアントのクラスター共有記憶域との通信の確認を行うことをお勧めします。ネットワーク クライアントは、クラスター ノードの障害(フェイルオーバー)の前後に、クラスター共有記憶域と通信できる必要があります。次の手順によりこれを検証できます。

ネットワーク クライアントの通信およびクラスター フェイルオーバーを検証するには

  1. クライアント コンピューター上のドライブを共有記憶域サブシステムに接続します。この手順では、Pervasive PSQL リクエスターが現在またはこれから動作するコンピューターを使用していることを前提とします。
    例:
    クライアント コンピューターのコマンド プロンプトで以下のコマンドを実行します。
    net use X:¥¥WIN2K-Cluster¥Gdrive
    この例では、ワークステーションの ドライブ "X" を共有記憶域サブシステム "WIN2K-Cluster" の "G" ドライブに接続します。"WIN2K-Cluster" はネットワーク名です。"Gdrive" はファイル共有名です。
  2. 接続したドライブでコマンドが実行できるかどうかを確認します。たとえば、そのドライブに切り替え、dir コマンドを使ってディレクトリを表示します。
    x:
    dir
  3. 共有記憶域サブシステムの IP アドレスに接続できることを確認します。コマンド プロンプトから「ping ネットワーク名」というコマンドを実行します。たとえば、ping WIN2K-Cluster となります。
    コマンドが Reply from IP address のようなメッセージを返せば、その IP アドレスに接続できました。たとえば、次のようなリプライ メッセージは接続の成功を表します。
    Reply from 172.99.99.35:bytes=32 time<10ms TTL=128
    リプライ メッセージの IP アドレスが共有記憶域サブシステムの正しいアドレスであることを確認します。
  4. クラスター アドミニストレーターで、Cluster Name の行を右クリックし、次に[障害の発生]をクリックします。





    エラーが起きるまでこの障害の発生操作を繰り返します。この動作を何回繰り返す必要があるかは、[しきい値]の設定により異なります。
    障害の発生操作により、現在クラスターの共有記憶域を制御している実稼動ノードが停止します。クラスターのスタンバイ ノードがアクティブになり共有記憶域の制御を引き継ぎます。

    メモ

    フェイルオーバーが起こり、スタンバイ ノードが共有記憶域を制御していることを確認します。障害を発生できない場合、クラスター環境は正しく設定されていない可能性があり、Pervasive PSQL リソースが適切に動作しません。


  5. 手順 1 に使用したクライアント コンピューターで、接続したドライブでまだコマンドが実行できることを確認します。たとえば、dir コマンドでディレクトリを表示します。

エラーの前後で、クライアント コンピューターから共有記憶域サブシステム上でコマンドが実行できれば、クラスターは正常に機能しています。実行できない場合、クラスター サービスおよびリソースの設定をチェックしてください。

Pervasive PSQL のクラスター グループを追加する

次の作業は、後で Pervasive PSQL リソースを追加するクラスター グループを作成することです。クラスター グループは Microsoft クラスター アドミニストレーターを使って作成します。

クラスター グループの追加方法については、Microsoft Cluster Service のドキュメントを参照してください。Pervasive PSQL リソースをクラスター グループに追加する手順は、Pervasive PSQL サービスをクラスター グループに追加するで説明しています。

クラスター グループ内のすべてのリソースは同時に停止します。つまり、ノード上でグループ内の 1 つのリソースが停止すると、残りのリソースはオフラインになります。その後、グループ内のすべてのリソースはスタンバイ ノードへ転送され、オンラインになります。このため、Pervasive PSQL のためにクラスター グループを分けて作成することをお勧めします。これは必須ではありませんが、適切な管理手法です。

少なくとも、Pervasive PSQL のクラスター グループが以下のリソースを含むようにしてください。

フェイルバック

必要最低限のリソース(IP アドレス、ネットワーク名、物理ディスクおよびファイル共有)に加え、グループのフェイルバックを有効にすることができます。フェイルバックはクラスタリングの機能で、クラスター内の優先稼動ノードを指定します。

たとえば、クラスター内に優先稼動ノードの Server A と Server B があるとします。Server A が停止すると、Server B が制御を引き継ぎます。Server A がオンラインに復帰すると、自動的に制御が戻されます。この自動的な制御の移動は、フェイルバックと呼びます。つまり、クラスタリングは自動的に優先ノードにフェイルバックします。

フェイルバックはグループ名の[プロパティ]ダイアログ ボックスで指定します。


メモ

クラスター ノードが優先サーバーにフェイルバックした場合、Pervasive PSQL クライアントはデータベース エンジンとの接続を失います。自動再接続は行われません。アプリケーションでクライアントを Pervasive PSQL データベースに再接続するか、アプリケーションを再起動する必要があります。PCC で[自動再接続の有効化]がオンに設定されていても、自動的に再接続されません。

Pervasive PSQL は、フェイルバックが起きた場合、トランザクション状態を維持しません。トランザクションの状態は、優先サーバーに引き継がれません。トランザクションは、トランザクション開始前の状態に自動的にロール バックします。


Pervasive PSQL をクラスター ノードにインストールする

Pervasive PSQL v11 SP2 サーバーを各クラスター ノードにインストールします。各インストールで同一のオプションを選択します。『Getting Started with Pervasive PSQL』の Pervasive PSQL Server(Windows 版)のインストールを参照してください。

クラスター共有記憶域には Pervasive PSQL をインストールしないでください。クラスター共有記憶域は、Pervasive PSQL データベースが存在する場所です。


注意

最低限の構成を満たすマシンで Xtreme I/O(略称 XIO )という Pervasive PSQL コンポーネントが利用できます。

Pervasive PSQL をクラスター環境で使用する場合は、Xtreme I/O をインストールしてはいけません(マシンがフェイルオーバーによってオンライン化し、アクセスできない共有記憶域をそのままにしておくと、インストールされている XIO を含むノードがハングすることがあります)。


Pervasive PSQL サービスをクラスター グループに追加する

次の作業は、Pervasive PSQL サービスをクラスター グループに追加することです。

Pervasive.SQL (transactional) サービスをクラスター グループに追加するには

クラスター グループで、Pervasive PSQL トランザクショナル サービスは常に必要です。この作業は、クラスター内の 1 つのノードでのみ行います。クラスター内のほかのすべてのノードはその情報を共有します。

  1. Pervasive PSQL サービスが各クラスター ノードにインストールされており、各ノードに適切な管理権限が設定されていることを確認してください。Pervasive PSQL をクラスター ノードにインストールするを参照してください。
  2. Microsoft クラスター アドミニストレーターで目的のクラスター グループ名を右クリックし、次に[新規作成リソース]をクリックします。
  3. 新しいリソースのダイアログ ボックスで、リソースの名前を入力します。この名前は、クラスター アドミニストレーター内での表示のみに使用されます。オプションで、リソースの説明を入力することができます。
  4. リソースの種類]のリストをクリックし、[汎用サービス]をクリックします。
  5. グループ]のリストをクリックし、目的のグループをクリックします。
  6. 別のリソース モニターでこのリソースを実行する]オプションはチェックしないでください。
    たとえば、次のようになります。



  7. 次へ]をクリックします。[実行可能な所有者]ダイアログが表示されます。
  8. リソースの実行可能な所有者として機能するノードを指定します。[実行可能な所有者]のリストにノードを追加します。
  9. 次へ]をクリックします。[依存関係]ダイアログ ボックスが表示されます。
  10. 最初にオンラインにする必要のあるリソースを追加します。つまり、新しいリソースが依存するリソースです。[リソースの依存関係]のリストに次のリソースの依存関係を追加します。
  11. 次へ]をクリックします。[汎用サービス パラメーター]ダイアログ ボックスが表示されます。
  12. サービス名]に「Pervasive.SQL (transactional)」と入力します。
  13. 起動パラメーター]は空白のままにしておきます。
  14. ネットワーク名をコンピューター名として使う]オプションをクリックします。
    次のようになります。




    メモ

    ネットワーク名をコンピューター名として使う]オプションがチェックされていることを確認してください。このオプションにより、Pervasive PSQL トランザクショナル エンジンは共有記憶域上でファイルを直接開くことができ、パフォーマンスが向上します。


  15. 次へ]をクリックします。[レジストリの複製]ダイアログ ボックスが表示されます。
  16. 追加]をクリックします。[レジストリ キー]ダイアログ ボックスが表示されます。
  17. SOFTWARE¥Pervasive Software」と入力します。



  18. OK]をクリックします。
  19. 完了]をクリックして新規リソースを追加します。リソースの作成に成功したことを示すメッセージが表示されます。
  20. OK]をクリックします。
  21. クラスター アドミニストレーターで、今追加した Pervasive PSQL リソースを右クリックします。[プロパティー]をクリックします。
  22. 詳細設定]タブをクリックします。
  23. 再開する]オプションおよび[グループに適用する]オプションが選択されていることを確認してください。



    オプションで、しきい値期間を設定することができます。
  24. OK]をクリックします([適用]ボタンが有効な場合は、[適用]、[OK]の順にクリックします)。

アプリケーションがトランザクショナル エンジンのみを必要とする場合は、リレーショナル サービスをクラスター グループに追加する必要はありません。リレーショナル サービスのスタートアップ設定を変更するにはに進んでください。

Pervasive.SQL (relational) サービスをクラスター グループに追加するには

アプリケーションが Pervasive PSQL のリレーショナル エンジンを必要とする場合は、クラスター グループにリレーショナル サービスも追加する必要があります。アプリケーションがトランザクショナル エンジンのみを必要とする場合は、リレーショナル サービスをクラスター グループに追加する必要はありません。リレーショナル サービスのスタートアップ設定を変更するにはに進んでください。

  1. Pervasive.SQL (transactional) サービスをクラスター グループに追加するにはで説明したように Pervasive.SQL (transactional) トランザクショナル サービスを追加します。トランザクショナル サービスはリレーショナル サービスに必要です。
  2. クラスター アドミニストレーターで目的のクラスター グループ名を右クリックし、次に[新規作成リソース]をクリックします。
  3. 新しいリソースのダイアログ ボックスで、リソースの名前を入力します。この名前は、クラスター アドミニストレーター内での表示のみに使用されます。オプションで、リソースの説明を入力することができます。
  4. リソースの種類]のリストをクリックし、[汎用サービス]をクリックします。
  5. グループ]のリストをクリックし、目的のグループをクリックします。
  6. 別のリソース モニターでこのリソースを実行する]オプションはチェックしないでください。
    たとえば、次のようになります。



  7. 次へ]をクリックします。[実行可能な所有者]ダイアログが表示されます。
  8. リソースの実行可能な所有者として機能するノードを指定します。[実行可能な所有者]のリストにノードを追加します。
  9. 次へ]をクリックします。[依存関係]ダイアログ ボックスが表示されます。
  10. 利用できるリソース]のリストで、Pervasive.SQL (transactional) サービスをクラスター グループに追加するにはの手順で追加した Pervasive PSQL トランザクショナル リソースをクリックします。たとえば、トランザクショナル リソースに "Btrieve" という名前を付けていれば、"Btrieve" をクリックします。
  11. 追加]をクリックします。[依存関係]のリストにリソースが追加されます。
    リソースの IP アドレスおよびファイル共有はトランザクショナル リソースの依存関係なので、これらを追加する必要はありません。
  12. 次へ]をクリックします。[汎用サービス パラメーター]ダイアログ ボックスが表示されます。
  13. サービス名]に「Pervasive.SQL (relational)」と入力します。
  14. 起動パラメーター]は空白のままにしておきます。
  15. ネットワーク名をコンピューター名として使う]を選択します。
    次のようになります。




    メモ

    ネットワーク名をコンピューター名として使う]オプションがチェックされていることを確認してください。このオプションにより、Pervasive PSQL リレーショナル エンジンは共有記憶域上でファイルを直接開くことができ、パフォーマンスが向上します。


  16. 次へ]をクリックします。[レジストリの複製]ダイアログ ボックスが表示されます。
  17. DSN の操作方法を決定します。
    必要なら SOFTWARE¥ODBC キーを指定することができます。 ただし、これは、そのクラスター ノードにインストールされているすべての ODBC データ ソースおよび ODBC プロバイダーに影響します。 Pervasive PSQL は、そのクラスター ノードにインストールされている唯一の ODBC プロバイダーではないかも知れません。Pervasive PSQL が唯一の ODBC プロバイダーであれば、クラスター内で識別されるすべての Pervasive PSQL データ ソース名(DSN)が、すべてのクラスター ノードで使用できることを確実にする速い方法です。
    SOFTWARE¥ODBC を指定しない場合は、各クラスター ノードで個々の DSN を設定する必要があります。
    DSN の取り扱い方を以下の中から 1 つ決定してください。
    1. すべての ODBC プロバイダーを指定するには、[追加]をクリックします。[レジストリ キー]ダイアログ ボックスが表示されます。「SOFTWARE¥ODBC」と入力します。[OK]をクリックして手順 18 に進みます。これで、クラスター内のすべてのノードは、それぞれのレジストリにこのキーを持ちます。
    2. 個別の DSN を指定するには、レジストリ レプリケーションでキーは追加しません。この処理の残りの手順を続け、それから各クラスター ノードで DSN を指定するにはの手順を実行します。
  18. 完了]をクリックして新規リソースを追加します。リソースの作成に成功したことを示すメッセージが表示されます。
  19. OK]をクリックします。
  20. クラスター アドミニストレーターで、今追加した Pervasive PSQL リソースを右クリックします。[プロパティー]をクリックします。
  21. 詳細設定]タブをクリックします。
  22. 再開する]オプションおよび[グループに適用する]オプションが選択されていることを確認してください。



    オプションで、しきい値期間を設定することができます。
  23. OK]をクリックします([適用]ボタンが有効な場合は、[適用]、[OK]の順にクリックします)。

リレーショナル サービスのスタートアップ設定を変更するには

この作業は、クラスター グループにリレーショナル サービスを追加しなかった場合にのみ必要です。(Pervasive PSQL をクラスター ノードにインストールする を参照してください)。クラスター グループにリレーショナル サービスを追加した場合は、この作業は必要ありません。

  1. オペレーティング システムのサービス コンソールにアクセスします。
    サービスを呼び出す手順は、お使いの Windows プラットフォームによって異なる場合があるので注意してください。
  2. 一覧から Pervasive.SQL (relational) サービスをダブルクリックしてプロパティ ウィンドウを表示します。
  3. スタートアップの種類]フィールドをドロップダウンします。
  4. スタートアップの種類には、[手動]または[無効]のいずれかのオプションをクリックします。
  5. OK]をクリックします。
  6. サービスが開始されている場合は、[停止]をクリックします。
  7. 閉じる]をクリックします。

Pervasive PSQL サービスをオンラインにする

Pervasive PSQL トランザクショナルおよびリレーショナル サービスは、通常ローカル システム アカウント下で実行されます。ドメインの権限の設定により、ローカル システム アカウントは Pervasive PSQL に関連するインストール動作の権限を持たない場合があります。Pervasive PSQL 製品のインストールで問題が起きた場合は、クラスター ノード アカウントのドメインの権限を調べてください。

インストール後、トランザクショナルおよびリレーショナル サービスは共にオペレーティング システムの起動時に自動的に開始されるよう設定されます。ただし、クラスタリングでは、クラスター アドミニストレーターがサービスの開始と終了(オンラインまたはオフラインにする)を制御します。このため、両方のサービスを停止してそれらを "手動" に設定する必要があります。サービスを停止し、オペレーティング システムのサービス コンソールから "手動" に設定します。

オペレーティング システムでサービスを停止した後、クラスター アドミニストレータを使用してそのサービスをオンラインにします。

クラスターで、トランザクショナル サービスは常に必要です。リレーショナル サービスは選択可能です。アプリケーションが Pervasive PSQL のリレーショナル エンジンを必要とする場合は、クラスター グループにリレーショナル サービスも追加する必要があります。

両方のサービスを追加したが、必要なのはトランザクショナル サービスのみである場合は、サービス コンソールを使用してリレーショナル サービスのスタートアップ設定を無効または手動に変更する必要があります。リレーショナル サービスのスタートアップ設定を変更するにはを参照してください。

共有記憶域にディレクトリをコピーする

共有ディスクには、Pervasive PSQL をインストールしたアクティブ ノード上にあるアプリケーション データ領域のディレクトリとファイルが必要です。デフォルトで、アプリケーション データ領域は非表示になっているので注意してください。次のコマンドを実行すれば、この場所にアクセスできます。

(アプリケーション データの場所は、オペレーティング システムによって異なります。『Getting Started with Pervasive PSQL』の Pervasive PSQL ファイルがインストールされる場所を参照してください)。

  1. 共有記憶域上に、必要なファイル用のディレクトリを作成します。
    説明のため、このセクションではディレクトリ記憶域をドライブ G: とし、ディレクトリに "config" という名前を付けました(G:¥config)。
  2. Pervasive PSQL をインストールしたアクティブ ノード上に %allusersprofile%¥Pervasive Software¥PSQL から以下のものをコピーします。

    名前
    ディレクトリ
    ファイル
    DBNAMES.CFG
     
    Yes
    defaultdb
    Yes
     
    Demodata
    Yes
     
    tempdb
    Yes
     
    Transaction Logs
    Yes
     

  3. Pervasive System Analyzer ユーティリティを使用してトランザクショナル テストまたはリレーショナル テストを行う予定であれば、%allusersprofile%¥Pervasive Software¥PSQL¥Samples ディレクトリも共有ディスクへコピーする必要があります。
    Samples ディレクトリは、Pervasive System Analyzer を使用する場合にのみ必要です。

Pervasive PSQL トランザクショナルおよびリレーショナル サービスは、通常ローカル システム アカウント下で実行されます。ローカル システム アカウントには必ず共有ディスクへの読み取り/書き込み権限を持たせる必要があります。共有記憶域に新規データベースを作成して、Pervasive PSQL データベースをクラスター共有記憶域に構築することができます。

PCC を使用して、クラスター共有ドライブに直接データベースを作成します。『Pervasive PSQL User's Guide』の新規データベースを作成するにはを参照してください。


メモ

データベースの作成では DSN の設定も行います。Pervasive.SQL (relational) サービスをクラスター グループに追加するにはの手順 17 でレジストリ キー SOFTWARE¥ODBC を指定した場合は、すべてのクラスター ノードが新しい DSN を認識します。このレジストリ キーを追加しなかった場合、各クラスター ノードで DSN を作成する必要があります。各クラスター ノードで DSN を指定するにはを参照してください。


PCC を使用してエンジンを構成する

次の作業は、Pervasive PSQL Control Center(PCC)を使用してエンジンを構成することです。このエンジン設定はレジストリに追加されます。クラスター内の 1 つのアクティブ ノードでエンジンを構成する必要があります。次に障害を発生させてクラスター内の次のノードに設定を移行します。

アクティブ ノードで以下の手順を完了します。

クラスタリング用のエンジンを構成するには

  1. アクティブ ノードで、(PCC の Pervasive PSQL エクスプローラーの)[エンジン]を右クリックし、[新規作成サーバー]をクリックします。
  2. サーバー名には、クラスター共有記憶域サブシステムのネットワーク名を入力します。
  3. 終了]をクリックします。
  4. PCC の Pervasive PSQL エクスプローラーで、今追加したサーバー名を右クリックし、[プロパティー]をクリックします。
  5. ディレクトリ]をクリックします。
  6. DBNames 設定ファイルのディレクトリ]に、クラスター共有ドライブ上の場所を入力します。これは手順 共有記憶域にディレクトリをコピーするでリストされたファイルをコピーした場所です。
    共有記憶域はマップされたドライブではなく、マウントされたドライブにしてください。つまり、共有記憶域のドライブ指定は、ドライブのマップによるものではなく、オペレーティング システムによって割り当てる(直接接続された共有記憶域用など)ということです。Pervasive PSQL サービスはデフォルトで「ローカル システム アカウント」に設定されます。このアカウントの場合、別のユーザー アカウントでマップしたマップ ドライブにはアクセスできません。マップされたドライブを使用する場合、PCC を実行するユーザーと Pervasive PSQL サービスを実行するユーザーが同一である必要があります。
  7. 適用]をクリックし、[はい]をクリックしてその設定を適用します。
  8. トランザクション ログのディレクトリ]に、クラスター共有ドライブ上の、ログを置きたい場所を入力します。
  9. 適用]をクリックし、[はい]をクリックしてその設定を適用します。
  10. プロパティ ツリーで[通信プロトコル]をクリックします。
  11. [TCP/IP マルチホーム]がオン(チェック マーク入り)になっていることを確認してください。オンになっていない場合は、[TCP/IP マルチホーム]チェックボックスをクリックして[OK]をクリックします。[はい]をクリックして設定を適用します。
  12. クラスター アドミニストレーターで、Btrieve サービスを右クリックし、次に[オフラインにする]をクリックします。



    これは SRDE サービスもオフラインにします。
  13. クラスター アドミニストレーターで、Btrieve サービスを右クリックし、次に[オンラインにする]をクリックします。



  14. クラスター アドミニストレーターで、SRDE サービスを右クリックし、次に[オンラインにする]をクリックします。



  15. クラスター アドミニストレーターで、Cluster Name の行を右クリックし、次に[障害の発生]をクリックします。





    エラーが起きるまでこの障害の発生操作を繰り返します。この動作を何回繰り返す必要があるかは、[しきい値]の設定により異なります。
    次のスタンバイ ノードが、新しく実稼動ノードになります。
    すべてのクラスター ノードで障害が発生するまで、この手順を繰り返します。この処理の完了後、必要ならば最初に障害を発生させたクラスター ノードに戻ります。そのクラスター ノードを実稼動ノードにする必要がなければ、これは不要です。

    メモ

    障害の発生を確認してください。発生しなければ、レジストリ設定がスタンバイ ノードに移行されません。


各クラスター ノードで DSN を指定するには

この作業は、Pervasive.SQL (relational) サービスをクラスター グループに追加するにはの手順 17 でレジストリ キー SOFTWARE¥ODBC を指定しなかった場合のみ必要です。レジストリ キー SOFTWARE¥ODBC を追加した場合は、この作業は必要ありません。

DSN はレジストリにキー エントリとして格納されていることに注意してください。クラスター アドミニストレーターが操作するのはレジストリ キーのみで、個々のエントリは操作しません。

1 つのクラスター ノードに DSN を作成し、障害を発生し、同じ DSN をスタンバイ ノードに作成することが必要です。これを、すべてのクラスター ノードに DSN が含まれるまで繰り返します。


メモ

この作業を行う前に、PCC を使用してエンジンを構成しておく必要があります。クラスタリング用のエンジンを構成するにはを参照してください。


  1. 実稼動クラスター ノードで、ODBC アドミニストレーターを開きます。
  2. システム DSN]タブをクリックし、[追加]をクリックします。
    データ ソースの新規作成]ダイアログ ボックスが表示されます。
  3. リストで Pervasive ODBC Engine Interface をクリックします。
  4. 完了]をクリックします。エンジン DSN セットアップのダイアログ ボックスが表示されます。
  5. 作成]をクリックし、データベース名を指定します。
  6. データベース名]に、Pervasive PSQL データベースの名前を入力します。
  7. 辞書のロケーション]にはデータベース ファイルが存在するクラスター共有ドライブ上の場所を入力または参照して指定します。これは、DDF ファイルの場所です。
  8. OK]をクリックして、エンジン DSN セットアップのダイアログ ボックスに戻ります。
  9. データ ソース名]に、データベースを参照するのに使用する名前を入力し、[OK]をクリックします。
  10. クラスタリングに関連するすべての Pervasive PSQL データベースについて、それぞれ手順 1 から手順 9 を繰り返します。
  11. クラスター アドミニストレーターで、Cluster Name の行を右クリックし、次に[障害の発生]をクリックします。





    エラーが起きるまでこの障害の発生操作を繰り返します。この動作を何回繰り返す必要があるかは、[しきい値]の設定により異なります。
    次のスタンバイ ノードが、新しく実稼動ノードになります。DSN を作成するのにエンジンを実行する必要があるため、障害の発生が必要です。
  12. 新しい実稼動ノードで、ODBC アドミニストレーターを開きます。
  13. システム DSN]タブをクリックし、[追加]をクリックします。
    データ ソースの新規作成]ダイアログ ボックスが表示されます。
  14. リストで Pervasive ODBC Engine Interface をクリックします。
  15. 完了]をクリックします。エンジン DSN セットアップのダイアログ ボックスが表示されます。
  16. データベース名]のリストで、目的のデータベース名を選択します。
    リストには、手順 1 から 10 で追加した名前がすべて含まれています。それは、これらの手順により共有記憶域上の dbnames.cfg が更新されているためです。
  17. データ ソース名]に適切な名前を入力します。つまり、手順 6 および 9 で使用した名前が、手順 16 および 17 で使用する名前と一致している必要があるということです。
  18. OK]をクリックします。
  19. まだ DSN を設定していないクラスターの各ノードについて、手順 11 から 18 を繰り返します。

クライアントから接続をテストする

以下の手順では、クライアントからトランザクショナルおよびリレーショナル接続をテストする方法を説明します。

Pervasive PSQL クライアントからトランザクショナル接続のテストを行うには

  1. Pervasive PSQL クライアントを実行中のコンピューターから、ドライブを共有記憶域サブシステムに接続します。
    例:
    クライアント コンピューターのコマンド プロンプトで以下のコマンドを実行します。
    net use X:¥¥WIN2K-Cluster¥Gdrive
    この例では、コンピューターの ドライブ "X" を共有記憶域サブシステム "WIN2K-Cluster" の "G" ドライブに接続します。"WIN2K-Cluster" はネットワーク名です。"Gdrive" はファイル共有名です。
  2. サンプル データベースの DEMODATA(DEMODATA フォルダー)を実稼動クラスター ノードからクラスター共有記憶域にコピーします。(この手順は、Pervasive PSQL データベースが既にクラスター共有記憶域にある場合には不要です。この手順はそうでないことを想定しています。)
    デフォルトで、DEMODATA は file_path¥PSQL¥Demodata¥ にあります。
    Pervasive PSQL ファイルのデフォルトの保存場所については、『Getting Started with Pervasive PSQL』の Pervasive PSQL ファイルがインストールされる場所を参照してください。
  3. クライアント ワークステーションのコマンド プロンプトで以下のコマンドを実行します(例としてドライブ X を使用します)。
    butil -stat x:¥demodata¥file.ddf
    コマンドが正常に実行できたら、Pervasive PSQL クライアントはクラスター共有記憶域のデータベースと通信しています。正常に実行された場合、ファイル バージョン、ページ サイズ、総レコード数などの情報が返されます。
  4. クラスター アドミニストレーターで、Cluster Name の行を右クリックし、次に[障害の発生]をクリックします。





    エラーが起きるまでこの障害の発生操作を繰り返します。この動作を何回繰り返す必要があるかは、[しきい値]の設定により異なります。
    これにより、現在クラスターの共有記憶域を制御している実稼動ノードが停止します。クラスターのスタンバイ ノードがアクティブになり共有記憶域の制御を引き継ぎます。
  5. 停止後、クライアント ワークステーションから次のコマンドを実行します(例として X ドライブを使用します)。
    butil -stat x:¥demodata¥file.ddf
    コマンドが正常に実行できたら、Pervasive PSQL クライアントはクラスター共有ドライブのデータベースと通信しています。正常に実行された場合、ファイル バージョン、ページ サイズ、総レコード数などの情報が返されます。

Pervasive PSQL クライアントからリレーショナル接続のテストを行うには

このテストは、クラスター グループにリレーショナル サービスを追加した場合にのみ必要です。

  1. Pervasive PSQL クライアントを実行中のコンピューターから、ドライブを共有記憶域サブシステムに接続します。
    例: net use X:¥¥WIN2K-Cluster¥Gdrive
    この例では、コンピューターの ドライブ "X" を共有記憶域サブシステム "WIN2K-Cluster" の "G" ドライブに接続します。"WIN2K-Cluster" はネットワーク名です。"Gdrive" はファイル共有名です。
  2. クラスター共有記憶域上に DEMODATA2 という名前のディレクトリを作成します。
  3. 実稼動クラスター ノードから DEMODATA2 ディレクトリへ、サンプル データベース DEMODATA のディレクトリのすべてのファイルをコピーします。
  4. 実稼動クラスター ノードで、オペレーティング システムの ODBC アドミニストレーターを開きます。
    ODBC アドミニストレーターを呼び出す手順は、お使いの Windows プラットフォームによって異なる場合があるので注意してください。
  5. システム DSN]タブをクリックします。
  6. 追加]をクリックします。[データ ソースの新規作成]ダイアログ ボックスが表示されます。
  7. リストで Pervasive ODBC Engine Interface をクリックします。
  8. 完了]をクリックします。エンジン DSN セットアップのダイアログ ボックスが表示されます。
  9. 作成]をクリックし、データベース名を指定します。
  10. データベース名]に DEMODATA2 を入力します。
  11. データ ファイルのロケーション]に DEMODATA2 を入力するか、参照して選択します。ドライブ文字も含めます。たとえば、G:¥DEMODATA2 となります。
  12. OK]をクリックして、エンジン DSN セットアップのダイアログ ボックスに戻ります。
  13. データ ソース名]に DEMODATA2 を入力し、[OK]をクリックします。
  14. システム DSN]タブで、[追加]をクリックします。
  15. Pervasive ODBC Client Interface をクリックして[完了]をクリックします。
    クライアント DSN セットアップのダイアログ ボックスが表示されます。
  16. リモート サーバー用の共有記憶域サブシステムのアドレスを入力します(これがネットワーク名です)。
  17. データ オプションとして "データベース名" をクリックし、[リストの取得]クリックします。
  18. データベース名リストから DEMODATA2 をクリックします。
  19. クライアント DSN の名前を入力します。たとえば、次のようになります。



  20. テスト]をクリックします。テストの成功は、クライアント DSN がエンジンと通信していることを示します。[OK]をクリックして[接続のテスト]メッセージ ボックスを閉じます。
  21. OK]をクリックし、クライアント DSN セットアップのダイアログ ボックスを閉じます。
  22. クラスター アドミニストレーターで、Cluster Name の行を右クリックし、次に[障害の発生]をクリックします。





    エラーが起きるまでこの障害の発生操作を繰り返します。この動作を何回繰り返す必要があるかは、[しきい値]の設定により異なります。
    これにより、現在クラスターの共有記憶域を制御している実稼動ノードが停止します。クラスターのスタンバイ ノードがアクティブになり共有記憶域の制御を引き継ぎます。
  23. 実稼動クラスター ノードで、ODBC アドミニストレーターを開きます。
  24. システム DSN]タブをクリックします。
  25. 手順 19 で作成したクライアント DSN をダブルクリックします。クライアント DSN セットアップのダイアログ ボックスが表示されます。
  26. テスト]をクリックします。テストの成功は、クライアント DSN がエンジンと通信していることを示します。[OK]をクリックして[通信テスト]メッセージ ボックスを閉じます。
  27. OK]をクリックし、クライアント DSN セットアップのダイアログ ボックスを閉じます。

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