Advanced Operations Guide (v11)

CLI ユーティリティによる設定

設定のコマンド ライン インターフェイス(CLI)バージョンは、Pervasive PSQL Control Center のプロパティ ダイアログ ボックスと同様の設定機能を提供します。CLI 設定は、Pervasive PSQL v11 SP2 でサポートされる Windows および Linux プラットフォームでのみ動作します。

Windows では、実行可能プログラムは bcfg.bat で、デフォルトで Program Files ディレクトリにインストールされます。

Linux では、実行可能プログラムの名前は bcfg といい、デフォルトでは /usr/local/psql/bin ディレクトリにあります。Linux 上で bcfg を起動するには、以下の条件に合致する必要があります。

表 6 Linux での bcfg の実行要件
要件
説明
Java Runtime Environment(JRE)
bcfg を実行するために必要な JRE コンポーネントは、Pervasive PSQL の一部としてインストールされます。bcfg は、Pervasive PSQL の一部としてインストールされる JRE の「ローカル」バージョンを使用します。
Pervasive PSQL サーバーまたはクライアント
同一マシンに互換性のある Pervasive PSQL サーバーまたはクライアントが既にインストールされている必要があります。『Getting Started with Pervasive PSQL』のPervasive PSQL Server および Client(Linux 版)のインストールを参照してください。

Linux で bcfg を実行する要件に合致しているのに、実行に問題がある場合は、以下のトラブルシューティング ガイドを参考にしてください。

表 7 Linux での bcfg の実行に関するトラブルシューティング ガイド
トラブルシューティングする状態
説明
"java.lang.UnsatisfiedLinkError" というエラーを受け取った。
このエラーは、ファイル ブラウザー アプリケーションを使用してスクリプト ファイルをダブルクリックして bcfg を起動しようとしたときに、よく起こります。コマンド プロンプトから bcfg を起動してください。
このエラーは、LD_LIBRARY_PATH 変数が設定されていない場合に発生します。ユーザー "psql" として bcfg を実行している場合、この変数は psql のプロファイルに設定されます。この変数は、以下のコマンドを使用して明示的に設定することもできます。
export LD_LIBRARY_PATH=$LD_LIBRARY_PATH:/usr/local/psql/lib
以下のエラー メッセージが返された。
"データベース エンジンに接続できません。ターゲット マシンがアクセス可能で、かつエンジンが実行されていることを確認してください。"
このエラー状況は、ローカル サーバーを管理しようとした場合に発生します。
ローカル サーバーを管理するには、pvsw グループのメンバーであるか root ユーザーである必要があります。
Getting Started with Pervasive PSQL』のLinux での Pervasive PSQL のアカウント管理も参照してください。

構成の設定

設定は、コマンド ラインから一度に 1 つずつ設定するか、入力ファイルに 1 つ以上を指定して設定することができます。


ヒント

入力ファイルを作成する便利な方法は、最初に出力ファイルを作成することです。その後、出力ファイルを編集して、その編集したものを入力ファイルとして使用できます。編集が許可される種類については、入力ファイルの編集を参照してください。


エンジンの再起動

入力ファイルを使用した場合、bcfg ユーティリティはファイルの処理後、データベース エンジンを再起動するよう促します。再起動は、入力ファイル内の設定に関係なく適用されます。エンジンを停止して起動することにより、その設定が有効になります。

コマンド ラインから構成を行った場合は、bcfg はその設定が再起動を要求する場合にのみ、データベース エンジンの再起動を促します。

エンジンの再起動方法については、設定の変更が有効になっていることを確認するを参照してください。

シナリオの例:コマンド ラインから単一の設定を構成する

ネットワークが停止した場合に、クライアントがサーバーに再接続するかどうかに関係する設定をオンにしたいとします。しかし、その設定の完全な名前がわかりません。その場合は、次の手順を踏みます。

  1. コマンド プロンプトで「bcfg -H 再接続」と入力し、Enter キーを押します。Linux 版の場合は "再接続" の部分を "reconnect" に置き換えてください。
    ユーティリティによって、文字列 "再接続" を含んでいるすべての設定がレポートされます。Linux の場合は英語でレポートされます。
    ID               設定名
    -----------------------------
    29               自動再接続の有効化
    148              自動再接続の有効化
    149              自動再接続タイムアウト
    29 と 148 の 2 つが目的の設定であるようですが、必要な設定は一体どちらなのでしょうか?
  2. bcfg 29」と入力して、Enter キーを押します。
    ユーティリティは、設定 ID 29 について次のようにレポートします。
    =====================
    自動再接続の有効化
    =====================
    ID: 29
    値:Off
    オプション:On     Off
    デフォルト値:Off
    説明:<クライアント設定> ネットワーク停止の場合に、クライアントがサーバーへの再接続を試みるかどうかを指定します。再接続されたクライアントは、エラーに遭遇しなかったかのように処理を続行します。
    説明によると、この設定はクライアントに適用されるものであり、現在 "Off" に設定されているということです。
  3. bcfg 29 on」と入力して、Enter キーを押します。
    ユーティリティは、システム設定 29 が更新されたことを知らせます。
  4. 設定が "On" になっていることを確認したい場合は、「bcfg 29」と入力して Enter キーを押します。
    ユーティリティは、設定 ID 29 について次のようにレポートします。
    =====================
    自動再接続の有効化
    =====================
    ID: 29
    値:On
    オプション:On    Off
    デフォルト値:Off
    説明:<クライアント設定> ネットワーク停止の場合に、クライアントがサーバーへの再接続を試みるかどうかを指定します。再接続されたクライアントは、エラーに遭遇しなかったかのように処理を続行します。
    値が "On" に設定されていることに注目してください。

入力ファイルの編集

入力ファイルには、少なくとも 1 つの設定に対する完全なレコードが 1 つは含まれていなければなりません。出力ファイルを基に入力ファイルを作成する場合、一部の設定を削除する際には、残す設定のレコードは完全な状態であるようにしてください。

完全なレコードには、ID と値のペアが少なくとも 1 つ含まれます。しかし、見やすくするために、先頭行の設定の見出しから設定の説明までを含めることをお勧めします。たとえば、以下は「自動再接続の有効化」に関するレコードの、推奨される最小レコードです。

=====================
自動再接続の有効化
=====================
ID: 29
値:On
オプション:On    Off
デフォルト値:Off
説明:<クライアント設定> ネットワーク停止の場合に、クライアントがサーバーへの再接続を試みるかどうかを指定します。再接続されたクライアントは、エラーに遭遇しなかったかのように処理を続行します。

入力ファイルに設定レコードを含めるという制限以外に、唯一変更が許可されるのはの割り当てです。割り当ては、オプションまたは範囲によってどのような値でも指定できます。

コマンド構文

bcfg -I inputfile [-S server] [-U username] 
[-P password] [-E] 
または
bcfg -O outputfile [-S server] [-U username] [-P password] [-E]
または
bcfg ID [value] [-S server] [-U username] [-P password]
または
bcfg -H <keyword | ''keyword with spaces''> [-S server] [-U username] [-P password]

オプション

-I
ユーティリティに入力ファイルを渡す場合の必須パラメーター。
inputfile
指定したサーバーに関する 1 つまたは複数の設定のレコードと、各設定に割り当てる値を含んでいるテキスト ファイル。
入力ファイルを作成する便利な方法は、最初に出力ファイルを作成することです。その後、設定値を必要に応じて編集し、その編集したものを入力ファイルとして使用できます。編集が許可される種類については、入力ファイルの編集を参照してください。
-O
ユーティリティ実行の出力結果をテキスト ファイルに送る場合の必須パラメーター。
outputfile
ユーティリティの実行結果として、指定されたサーバーの現在の設定を含んでいるテキスト ファイル。
ID
設定を示す、一意な 2 桁または 3 桁の整数。
設定のいくつかは、設定を有効にするためにデータベース エンジンの再起動を必要とします。再起動が必要な場合は、bcfg が再起動を促します。エンジンの再起動を参照してください。
value
設定に割り当てる値。有効な値は、設定レコードの「オプション」または「範囲」に示されています。
Value を省略した場合、ユーティリティは現在の設定を返します。
Value を記述した場合、ユーティリティは値の割り当てを基に設定を変更します。
-H
keyword を指定する場合の必須パラメーター。このパラメーターは、設定の ID と名前を列挙することにより、keyword に関するヘルプを示します。
keyword
ALLOW CLIENT-STORED CREDENTIALS や SUPPORTED PROTOCOLS など、設定の名前。
keyword は大文字小文字を区別しないことに注意してください。ただし、keyword にスペースを入れる場合は、文字列を二重引用符で囲む必要があります。
ユーティリティは、部分的なキーワードを基にヘルプを表示できます。たとえば、「-H クライアント」と指定した場合は、設定名の一部に "クライアント" という語を含んでいるすべての設定が返されます。Linux 版の場合は設定名が英語なので "クライアント" の部分を "client" に置き換えてください。「-H a」と指定した場合は、設定名に "a" を含んでいるすべての設定が返されます。
-S
設定がリモート サーバー(ローカル サーバー以外のサーバー)に適用される場合の必須パラメーター。
server
データベース エンジンを含んでいるリモート サーバーの名前、または IP アドレス。
-U
server へのアクセスにユーザー名が必要な場合の必須パラメーター。
username
server に接続するユーザー名。Pervasive PSQL セキュリティも参照してください。
server がローカル マシンの場合、以下の条件を満たしていれば usernamepassword は必要ありません。
  • 管理者として、あるいは Pervasive_Admin グループのメンバーとしてローカル マシンにログインしている。
  • ローカル マシンがターミナル サービスを実行していない。
-P
server へのアクセスにパスワードが必要な場合の必須パラメーター。
password
server へ接続する username と一緒に使用するパスワード。username を参照してください。Pervasive PSQL セキュリティも参照してください。
-E
inputfile の読み取り時、あるいは outputfile への書き込み時のエラーを無視します。


PCC による設定

設定のプロパティ