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このセクションでは、Pervasive PSQL Vx Server のライセンスに関する以下の項目について説明します。
Pervasive PSQL Vx Server は高度に仮想化された環境をサポートするよう設計されています。たとえば、Vx Server は完全仮想化、部分仮想化および準仮想化に加え、クラウド コンピューティング(プライベート、コミュニティおよびハイブリッド)にも対応しています。Pervasive PSQL Vx Server にはホスティング、接続プール、インターネットまたはイントラネットの使用に制限はありません。ライブ マイグレーション、フェイルオーバー、フォールト トレランス(FT)、高可用性(HA)および障害回復などのハイパーバイザー機能と一緒に使用するためにライセンスを追加する必要もありません。
仮想化環境による技術および動作は従来のものとは異なるため、その仮想環境に適したライセンス モデルが必要です。Pervasive PSQL Server および Workgroup 用のユーザー カウント ライセンス モデルでは不十分です。このモデルは、多くのユーザーまたはデバイスが別々のデスクトップから頻繁にレコードを追加、更新および削除するような従来型のクライアント/サーバー アプリケーションに適しています。
Pervasive PSQL Vx Server が使用するライセンス モデルでは、ユーザー数ではなくデータベース サーバー処理の作業量に重点を置くようになりました。このモデルは容量に基づいており、仮想化環境におけるライセンス執行に対応しています。たとえば、Pervasive PSQL Vx Server のインスタンスごとに、使用セッション数および使用データの両方に対して容量制限が設けられています(各インスタンスは仮想ホスト名およびすべての仮想 MAC アドレスによっても識別されます)。
「セッション」とは、トランザクショナル エンジン インターフェイスによって使用されるクライアント ID、またはリレーショナル エンジン インターフェイスへの接続と定義されます。「クライアント ID」とは、データベース トランザクション コンテキストを一意に識別するために、アプリケーション、クライアント プラットフォームおよびデータベース エンジンによって提供される要素を組み合わせた 16 バイトの構造体と定義されます。
使用セッションの数は同時セッションの数です。「使用セッション数」は端的に「セッション数」ともいいます。「セッション数の制限値」とは、使用許諾契約書に従って許可される最大同時セッション数をいいます。
セッション数に関するメッセージは、Pervasive PSQL のさまざまなログ リポジトリに記録されます。メッセージ ログを参照してください。
データベース エンジンは、Pervasive PSQL システム ファイル、メタデータ ファイル、dbnames.cfg およびデフォルトのシステム データベースへのアクセスなど、独自の内部処理用にさまざまなセッションを使用します。これらの内部セッションについてはセッション数を消費しません。
「使用データ」とは、同時に開く全データ ファイルの合計サイズと定義されます(データ ファイルは、アプリケーションで処理されるデータを提供するために、そのアプリケーションによって作成されるファイルです)。「使用データの制限値」とは、使用許諾契約書に従って許可される、同時に開く全データ ファイルの総量です。
使用データの値は、データ ファイルが初めて開かれたときに増加します。データ ファイルが既に開かれていれば、それ以降に開く際には総量に加算されません。使用データは、開くファイルのサイズが増加した場合にも増えます。既に開かれているファイルのサイズが大きくなって使用データの制限を超えても、そのファイルに対する操作は引き続き許可されます。
使用データの値は、データ ファイルを開いた最後のユーザーがそのデータ ファイルを閉じたとき減少します。複数のユーザーが同じデータ ファイルにアクセスできるので、そのデータ ファイルを開いたすべてのユーザーがそのファイルを閉じないと使用データは減少しません。
使用データに関するメッセージは、Pervasive PSQL のさまざまなログ リポジトリに記録されます。メッセージ ログを参照してください。
データベース エンジンは、Pervasive PSQL システム ファイル、メタデータ ファイル、dbnames.cfg およびデフォルトのシステム データベースなど、独自の内部処理用にさまざまなファイルを使用します。内部処理に使用するファイルによって使用データの値が増えることはありません。
任意のアプリケーションに必要なセッション数と使用データは次のように見積もることができます。
Pervasive Software ではセッション数と使用データの見積もりに役立つ Web ページを提供します。http://www.agtech.co.jp/products/pervasive/ を参照してください(変更された Monitor も、セッション数や使用データの見積もりに役立ちます。Monitor を参照してください)。
一般に、トランザクショナル インターフェイスおよびそれを使用する SDK アクセス方法の場合、データ ファイルを開くために使用する一意のクライアント ID ごとにセッションを 1 つ使用します。同じクライアント ID を使用してすべてのファイルを開く場合は、1 セッションのみが消費されます。各ファイルがそれぞれ異なるクライアント ID で開かれた場合、その開くアクションごとに 1 セッションを使用します。
一般に、リレーショナル インターフェイスおよびそれを使用する SDK アクセス方法の場合、使用中のテーブルを少なくとも 1 つ伴うデータベース接続ごとにセッションを 1 つ使用します。使用中のテーブルを伴わないデータベース接続はセッションを消費しません。データベースが接続されて 1 セッションとしてカウントされると、それ以降、そのデータベースにあるテーブルに対する操作はすべてこの 1 セッションに含まれるので、セッション数が加算されることはありません。
一度データベース ファイルが開かれると、セッションをそれ以上消費することなく特定の SQL クエリにほかデータベースを含めることができます。たとえば、別のデータベースとの JOIN を実行する、または基になる一時的なテーブルを必要とするビューを作成する場合、追加のセッションは使用されません。ただし、さらにテーブルを開いた場合は使用データに加算されるので注意してください。
セッション数および使用データをさらに詳しく見積もるために、セッション数を消費する Pervasive PSQL ユーティリティを次の表で挙げます。ここではセッション数を消費するユーティリティのみを記載します。使用データの増加量は、セッションに作用するファイルのサイズに応じて異なります。
Pervasive PSQL ユーティリティ1
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条件および使用されるセッション数2
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バルク データ ユーティリティ(BDU)
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データを読み込むテーブルごとに 1 セッション。
『Pervasive PSQL User's Guide』の「bdu」を参照してください。
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DDF Builder
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データベースが接続されるたびに 1 セッション、および "テーブル定義の作成" アクションが実行された場合に 1 セッション。これらのセッション数は DDF Builder を終了したときに解放されます。
『DDF Builder User's Guide』を参照してください。
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Function Executor
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Function Executor によって使用される一意のクライアント ID ごとに 1 セッション。
『Advanced Operations Guide』のFunction Executor の概念を参照してください。
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Pervasive PSQL Control Center(PCC)
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PCC によって開かれるデータベースごとに 1 セッション。『Pervasive PSQL User's Guide』のデータベースを参照してください。
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Pvddl
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データベースに対してスクリプトを実行するごとに 1 セッション。
『Pervasive PSQL User's Guide』の「pvddl」を参照してください。
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1 Pervasive DataExchange は Pervasive PSQL ユーティリティではありませんが、最大 1 セッションを消費します。
2 すべての場合において、使用データの増加量はセッションに作用するファイルのサイズに応じて異なります。厳密な増加量を提供することはできません。
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次の表では、セッション数および使用データが制限に達したときに予想される動作と推奨される対処方法をまとめています。
Pervasive PSQL Vx Server は容量ベースのライセンス モデルを使用するため、独自の製品キーが必要です。Pervasive PSQL Server または Pervasive PSQL Workgroup 用のキーを使用して Pervasive PSQL Vx Server を認証することはできません。Pervasive PSQL Vx Server のインスタンスごとにキーが必要です。
セッション数および使用データは、Pervasive Software またはアプリケーション ベンダーによって発行される Pervasive PSQL Vx Server キーに定義されています。キーは、セッション数の制限および使用データの制限に対するさまざまな値の組み合わせで利用することができます。詳細については、http://www.agtech.co.jp/products/pervasive/ をご覧ください。
Pervasive Software またはアプリケーション ベンダーでは、セッション数の制限値、使用データの制限値、またはその両方の制限値を上げるキーを提供します(概念上、このキーは Pervasive PSQL Server または Pervasive PSQL Workgroup 用と同じユーザー カウント追加キーです)。
キーを適用すると直ちに、セッション数の制限値、使用データの制限値またはその両方の制限値が増加します。データベース エンジンの再起動は必要ありません。追加キーは、期限なしキーがなければ適用できません。一時キーに対して追加キーを適用することはできません。
期限なしキーを削除する場合、そのキーに関連付けられている追加キーもすべて削除されます。
セッション数または使用データに対する制限値が増えると、データベース エンジンは Pervasive PSQL ログ リポジトリにメッセージを記録することに留意してください。このメッセージには現在の制限値と使用量が記録されています。メッセージ ログも参照してください。Monitor ユーティリティでセッション数と使用データの現在値、ピーク値および最大値を監視することができます。『Advanced Operations Guide』のデータベース リソースの監視を参照してください。
以下のステータス コードについては、両方のライセンス モデル(ユーザー数および容量ベース)に対応するように変更されています。
以下のユーティリティは容量ベース ライセンス モデルに適応させるため変更されました。
License Administrator では、キーに対するセッション数の制限値および使用データの制限値を表示します。セッション数の制限値および使用データの制限値を増やすキーを適用することもできます。キーによっては、単独の追加キーで両方の値を増やすことができます。詳細については、『Pervasive PSQL User's Guide』の ライセンス管理を参照してください。
Monitor にはセッション数と使用データに関して以下の変更があります。この変更の概要はグラフィカル ユーザー インターフェイスを対象としています。コマンド ライン インターフェイス(bmon)にも必要に応じて同様の変更があります。詳細については、『Advanced Operations Guide』の データベース リソースの監視を参照してください。
Monitor を変更することで、セッション数と使用データのライセンス要件が見積もりしやすくなります。たとえば、Monitor ではセッション数と使用データのピーク値を表示し、データベース エンジンの実行時間が通知されます。継続時間とピーク値を使用すれば、より正確な見積もりを行うことができます。容量を見積もる場合は、ピークの状態から測定される値を含めます。
容量ベース ライセンス モデルに関するメッセージは、Notification Viewer、PVSW.LOG およびオペレーティング システムのイベント ログの全ログ リポジトリに記録されます。 Notification Viewer へ記録されるメッセージは、オペレーティング システムのイベント ログおよび PVSW.LOG へも記録されます。 オペレーティング システムのイベント ログへ記録されるメッセージは、PVSW.LOG へも記録されます。 メッセージに、開いているファイルの一覧が含まれる場合、その一覧は PVSW.LOG にのみ記録されます。 『Pervasive PSQL User's Guide』のPervasive PSQL メッセージ ログも参照してください。
セッション数または使用データに対する容量が増加または減少した場合、データベース エンジンはメッセージを記録します。このメッセージには現在の容量値と使用量が記録されています。Monitor ユーティリティでセッション数と使用データの現在値、ピーク値および最大値を監視することができます。『Advanced Operations Guide』のデータベース リソースの監視を参照してください。
セッション数に関するメッセージはすべて情報メッセージです。セッション数のメッセージは、セッション数がその制限値に達したとき、セッション数がある一定期間後に許容範囲に戻るとき、セッション数の容量が変更したときに通知されます。
アクティブな同時セッションの総数がセッション数の制限値と等しくなった場合、データベース エンジンは新しいセッションのリクエストを拒否し、ステータス コード 161 をアプリケーションに返します。確立済みのセッションはそのまま動作し続け、中断されたり接続が切断されたりすることはありません。
セッションがそのファイル ハンドルをすべて閉じると、セッション数は減少します。セッション数を減らすためにリセット操作を行う必要はありません。しかし、セッションがリセットされないと、そのセッションによってセッション数が増えないとしても、Monitor でアクティブ セッションの一覧にそのセッションが表示されるので注意してください。『Advanced Operations Guide』のセッション情報の表示を参照してください。
使用データに関するメッセージのタイプは、情報、警告またはエラーです。必要に応じて、メッセージは修正方法に関するアドバイスを提供します。
使用データがその制限値の 90% に達したときに、最初にメッセージによって警告します。このメッセージでは、使用データがその制限値に近づいているので、まもなく対処する必要があると注意を促します。使用データが制限値の 100% に達した、または 100% をやや上回ったときは、追加メッセージが頻繁に表示されるようになります(現在開かれているデータ ファイルのサイズが大きくなったことが原因で使用データが増加する可能性もあるので、100% を上回るバッファが提供されます)。
メッセージが単なる説明であれば、ファイルに対する操作が可能です。ファイルを初めて開いた場合、または既にファイルが開かれており、そのサイズが増加した場合のいずれを問わずメッセージが記録されます。
開かれるファイルによって使用データの制限値の 110% を超える場合、データベース エンジンはそのファイルを開くリクエストを拒否し、ステータス コード 161 をアプリケーションに返します。PVSW.LOG およびオペレーティング システムのイベント ログに記録されるエラー メッセージには、そのファイルの名前、サイズおよび使用データの制限値が記載されます。既に開かれているファイルは引き続き使用可能で、それらのファイルへのアクセスが中断されたり接続が切断されたりすることはありません。
以下の SDK アクセス方法は、容量ベース ライセンス モデルに適応させるため変更されました。
DTO への変更はすべて DTO2 にのみ適用します。『Distributed Tuning Objects Guide』の「DTO2」を参照してください。
通常、アプリケーションに対する変更は必要ありません。お使いのアプリケーションが既に Pervasive PSQL Server または Workgroup で動作しているのであれば、Pervasive PSQL Vx Server でも動作します。
アプリケーションで DTI または DTO を使用しており、容量ベースのライセンス モデル用の追加機能を使用する場合は、アプリケーションを修正する必要があります。影響を受けるアクセス方法を参照してください。
Pervasive PSQL Vx Server は、データベース エンジン用のキーが有効かどうかを定期的に検証します。この検証にはインターネット接続が必要です。
定期的な検証処理でキーが無効と判定されると、そのキーの状態は "アクティブ" から "検証失敗" に変わります。この状態でも 30 日間はデータベース エンジンが正常に機能するので、検証失敗を修正するための時間は十分にあります。
検証失敗への対応を適時に行う必要があるため、キーの状態の変更は Pervasive PSQL Vx Server で使用されるさまざまなログ リポジトリからできるだけ早く通知されるようになっています。『Pervasive PSQL User's Guide』のPervasive PSQL メッセージ ログを参照してください。
この期間が終わる前に検証失敗を修正しなかった場合は、キーの状態が "無効" に変わります。これにより、このキーは無効となりデータベース エンジンはデータ ファイルにアクセスできなくなります。
たとえば、ネットワークがインターネット接続を失った場合、接続を復旧し Pervasive PSQL Vx Server を再検証するための期間が 30 日間設けられます。 Pervasive PSQL Vx Server はさまざまなメッセージ リポジトリにメッセージを記録して、インターネット接続が失われていることを通知します。猶予期間内にインターネット接続が復旧されない場合、Pervasive PSQL Vx Server キーは無効になります。
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