DDF Builder User's Guide (v11)

Pervasive DDF Builder の概要

DDF Builder は Java ユーティリティで、基となるデータ ファイル(以後、「Btrieve ファイル」と呼びます)に変更を加えることなく、Pervasive PSQL データ辞書ファイル(DDF)の表示、作成、変更が行えます。DDF Builder ではさまざまな機能を提供しますが、主に以下のような目的で使用できます。

DDF Builder には上記以外にも次のような機能があります。また、これ以外にもさらに機能があります。

DDF Builder を使用する理由

DDF Builder は、Btrieve データ ファイルを変更することなく、Btrieve データ ファイルへのリレーショナル アクセスを追加することができる特殊なユーティリティです。通常、DDF Builder は日常的に使用するユーティリティではありません。DDF Builder は既存の Btrieve ファイルへのリレーショナル アクセスを追加するために必要に応じて使用するもので、データ辞書ファイルのテーブル定義を作成したり、正しく構成されていないテーブル定義へ接続するために既存のデータ辞書ファイルを変更したりします。


メモ

DDF は SQL メタデータ用のスキーマを定義します。DDF は、DDF Builder で SQL アクセスをオブジェクト、つまり SQL テーブルで表すことができるようにするシステム テーブルです。DDF を直接変更するのではなく、SQL テーブル オブジェクトに対して作業します。SQL テーブルを作成、変更または削除すると、DDF Builder が DDF を変更します。

1 つのデータベース内にあるすべての SQL テーブルは同じ DDF のセットに定義されます。


旧バージョンの Pervasive PSQL Control Center のテーブル設計では、リンク モード非リンク モードの 2 つの作業モードを提供しているものもあります。 リンク モードではテーブル定義とデータ ファイルの両方を変更することができますが、非リンク モードで変更できるのはテーブル定義のみです。 DDF Builder では、IN DICTIONARY 呼び出しを使って非リンク モード同様のモードを使用することで、Btrieve ファイルを変更することなく DDF を変更します。

DDF Builder では行わないこと

DDF Builder は既存の Btrieve データ ファイルを変更する目的には使用できません。既存の Btrieve ファイルおよび DDF を変更してリレーショナル アクセスを提供するつもりであれば DDF Builder を使用すべきではありません。その場合は、既存の Btrieve ファイルを変更する Pervasive PSQL Control Center やその他の Pervasive PSQL ユーティリティを使用することをご検討ください。

また、DDF Builder はキーの作成や変更に使用するものではありません。キーに関する操作を行う場合は、Pervasive PSQL Control Center の Table Editor を使用します。DDF Builder は DDF の作成や変更を目的としています。

PCC を使用しない理由

Pervasive PSQL Control Center は物理データ ファイルとデータ辞書ファイルを同時に操作する、つまりリンク モードで操作することを目的としています。PCC 内で DDF のみを変更しないでください。

必要な知識

DDF Builder を使用する場合に最も重要なのは、作業対象のデータの構造を完全に理解しておくことです。データの構造を理解していないと、DDF Builder でテーブル定義を作成したり変更することが難しくなるため時間がかかり、このユーティリティの効果が得られません。

その他の有用な情報

Pervasive PSQL データベースからデータがアクセスされるときに用いられるトランザクショナルとリレーショナルという 2 種類の主要なアクセス方法について理解していることも役立ちます。DDF Builder の機能の大部分は、トランザクショナル アクセスについての知識が役立ちます。それ以外の機能については、リレーショナル データベースの一般的な概念についてよく理解していることが必要です。


メモ

このマニュアルは、トランザクショナル アクセス方法とリレーショナルの概念について理解していることを前提として説明しています。これらトランザクショナルおよびリレーショナルに関する説明や、キー、インデックス、ページ タイプ、スキーマなどの一般的な用語についての定義は行いません。

DDF Builder を使用する前に理解を深めておく必要がある場合は、下記の Pervasive PSQL マニュアルを参照してください。デフォルトで、Pervasive PSQL 開発者リファレンスのマニュアルは Pervasive PSQL データベース エンジンのインストール時に一緒にインストールされます。


トランザクショナル アクセス

トランザクショナル アクセスの場合、アプリケーション プログラムは物理的または論理的のどちらの経路でもデータ レコード内を前方および後方に移動することができます。トランザクショナル API を使用することで、アプリケーション プログラムは直接制御を備え、開発者はデータの基本構造の知識に基づいてデータ アクセスを最適化することができます。Btrieve API を使用することはトランザクショナル アクセスの 1 例です。

トランザクショナル アクセスについて理解を深めるには、以下のマニュアルを参照してください。

リレーショナル アクセス

リレーショナルとは、データがテーブル、行、列の集まりとして表されるアクセス方法です。リレーショナル モデルは、開発者を基となるデータ構造から切り離し、データを単純な表形式で表します。ODBC はリレーショナル アクセス方法の 1 例です。

リレーショナル アクセスについて理解を深めるには、以下のマニュアルを参照してください。

次に行うこと

DDF Builder でテーブル定義に対して変更を行うと DDF の構造が変更されます。このユーティリティの使用前の注意事項として、作業対象のファイル(DDF も含む)を必ずバックアップしておいてください(Btrieve ファイルは、ファイルのページ構造内にデータが格納されるため、データ ファイルとも呼ばれます)。


メモ

DDF Builder では既存の Btrieve ファイルのレコード レイアウト構造を変更できません。このユーティリティを使って新しい Btrieve ファイルを作成することはできます。


セキュリティの無効化

Pervasive PSQL セキュリティ モデルが有効なデータベースに対して作業する場合、DDF Builder でそのファイルを開く前にはそのデータベースをオフラインにし、すべてのセキュリティを解除しておきます。

DDF Builder のコンポーネント

ユーティリティ以外にも、DDF Builder では以下のコンポーネントがあります。

ログ ファイル


ヒント

デフォルトのインストール先については、『Getting Started with Pervasive PSQL』の Pervasive PSQL ファイルがインストールされる場所を参照してください。


ユーザー向けドキュメント

DDF Builder には『DDF Builder User's Guide』というユーザー マニュアルがあり、これは Pervasive PSQL v11 SP2 のユーザー向けドキュメントの一部として含まれています。このドキュメントはデフォルトで、システムの Program Files ディレクトリで以下の子ディレクトリ下にインストールされます。

<Program Files>¥bin¥plugins¥ 

Pervasive PSQL v11 SP2 のすべてのユーザー マニュアルは次の jar ファイルに含まれています。

com.pervasive.psql.doc_1.0.0.jar 


ヒント

デフォルトのインストール先については、『Getting Started with Pervasive PSQL』の Pervasive PSQL ファイルがインストールされる場所を参照してください。


チュートリアル ファイルのフォルダー

DDF Builder では、第 3 章の DDF Builder チュートリアル に含まれているチュートリアルで使用するファイルのセットをインストールします。このチュートリアル ファイルはデフォルトで、システムの Application Data ディレクトリで以下の子ディレクトリ下にインストールされます。

<Application Data>¥DDFBuilder¥tutorials¥ 


ヒント

デフォルトのインストール先については、『Getting Started with Pervasive PSQL』の Pervasive PSQL ファイルがインストールされる場所を参照してください。



DDF Builder について

DDF Builder の起動