User's Guide (v11)

Pervasive PSQL メッセージ ログ

Pervasive PSQL ではメッセージ用のさまざまなログ リポジトリを提供して、トラブルシューティングを支援します。ログは大きく分けて 2 つのカテゴリに分類されます。

次の表にログ リポジトリの概要を示します。

表 19 Pervasive PSQL メッセージ ログ リポジトリ
リポジトリ
記録元
ライセンス管理コンポーネント
ライセンス管理コンポーネント(Windows)
Pervasive PSQL の全コンポーネント(Linux)
Pervasive PSQL の全コンポーネント(Windows)

ライセンス メッセージ

ログ リポジトリのいくつかはライセンス メッセージに重点を置いています。これは、Pervasive PSQL のライセンス コンポーネントが、データベース エンジン用のキーの有効性を定期的に検証するからです。キーが無効と判定されると、そのキーの状態は "アクティブ" から "検証失敗" に変わります。この状態でも一定の期間内はデータベース エンジンが正常に機能するので、検証失敗を修正するための時間は十分にあります。

この期間が終わる前に検証失敗を修正しなかった場合は、キーの状態が "無効" に変わります。これにより、このキーは無効となりデータベース エンジンはデータ ファイルにアクセスできなくなります

検証失敗への対応を適時に行う必要があるため、キーの状態の変更はできるだけ早く通知されるようになっています。たとえば、1 つのメッセージがすべてのメッセージ リポジトリに記録されます。リポジトリの中で最もわかりやすいのは Pervasive Notification Viewer です。(License Administrator でもキーの状態が表示されます。このため、いつでも検証動作を実行して状態を再確認することができます。 『Pervasive PSQL User's Guide』のライセンス管理を参照してください)。

キーの状態の変更

次の表では、キーの状態の変更に応じて返されるメッセージのタイプについて説明します。

表 20 キーの状態の変更に応じたメッセージのタイプ
メッセージのタイプ
キーの状態の変更
シナリオ
 
変更前
変更後
 
警告
アクティブ
検証失敗
検証動作によってキーの検証失敗が検出されました。たとえば、マシン署名を判別できないためキーと一致しなくなった、または 1 つまたは複数のライセンス コンポーネントをロードできないなどが原因です。
この状態でも一定の期間内はデータベース エンジンが正常に機能するので、検証失敗を修正するための時間は十分にあります。
警告
無効
検証失敗
キーが無効になった原因のいくつかは修正されていますが、まだ解決する必要がある問題が少なくとも 1 つあります。
キーの状態は検証失敗に変わったため、一定の期間内はデータベース エンジンが正常に機能するので、検証失敗の原因を修正することができます。
エラー
検証失敗
無効
検証失敗の原因を修正するために提供された期間が過ぎました。検証失敗の原因となる状態が期限内に修正されませんでした。キーは無効になり、データベース エンジンはデータ ファイルにアクセスきません。
情報
検証失敗
アクティブ
検証失敗となった原因が修正されています。キーは有効になり、データベース エンジンはすべて機能します。
情報
無効
アクティブ
キーが無効になった原因が修正されました。キーは有効になり、データベース エンジンはすべて機能します。

状態が "期限切れ"(一時キーの場合のみ適用)、または "非アクティブ"(前バージョンの Pervasive PSQL で登録されたままのキーに適用)となっているキーに関するメッセージは記録されないので注意してください。

ログ記録の頻度

次の表は、ライセンス メッセージが記録される頻度を特定の動作別に示しています。

表 21 メッセージのログ記録の頻度(起因動作別)
起因動作
ログ記録の頻度
ログ リポジトリ1
20 で示したキーの変更状況
即時
  • Pervasive Notification Viewer
  • オペレーティング システムのイベント ログ
  • Pervasive PSQL のイベント ログ
キーが検証失敗状態のまま
1 日 1 回通知
  • Pervasive Notification Viewer
  • オペレーティング システムのイベント ログ
  • Pervasive PSQL のイベント ログ
ライセンス管理ユーティリティから、またはプログラムから API を呼び出して実行される検証動作
Pervasive PSQL User's Guide』の認証残り回数を表示するには、『Distributed Tuning Interface Guide』の PvValidateLicenses()、および『Distributed Tuning Objects Guide』の ValidateLicenses を参照してください。
即時
  • オペレーティング システムのイベント ログ
  • Pervasive PSQL のイベント ログ
Pervasive PSQL ライセンス サーバーから発生した警告またはエラー メッセージ
即時
  • オペレーティング システムのイベント ログ
  • Pervasive PSQL のイベント ログ
1メッセージ ログは一方向の階層に従って記録されます。Pervasive Notification Viewer へ記録されるライセンス メッセージはオペレーティング システムのイベント ログへ、さらに Pervasive PSQL イベント ログへと記録されます。オペレーティング システムのイベント ログに記録されるライセンス メッセージは、Pervasive PSQL イベント ログにも記録されます。

Pervasive Notification Viewer

Pervasive Notification Viewer(以下「Notification Viewer」)は、ライセンス コンポーネントによって記録されるメッセージを表示するアプリケーション ユーティリティです。このユーティリティは、注目すべきライセンス メッセージ(表 21 を参照)をわかりやすく通知することを目的としています。

Notification Viewer は、デフォルトで Pervasive PSQL Server(Windows および Linux バージョンの 32 ビットおよび 64 ビット版)および Pervasive PSQL Workgroup のインストール時に一緒にインストールされます。Windows プラットフォームの場合、Pervasive PSQL をインストールすると、このユーティリティはスタートアップに登録される(また[スタート]メニューにも追加される)ので、Windows の再起動時にこのユーティリティも再開することができます。

Windows プラットフォームの場合、この実行可能ファイルの名前は notifyviewer.exe です。 このユーティリティはユーザーに対し、単独で実行するインスタンスを提供します。Notification Viewer が既に実行されている状態で新たに Notification Viewer を起動しようとすると、実行済みの GUI が画面の最前面に表示されます。

Linux ディストリビューションの場合、このユーティリティは notifyviewer という名前のシェル スクリプトです。このシェル スクリプトは実行するたびに、新たな Notification Viewer インストタンスを起動します。Linux を再起動した場合は、Notification Viewer を手動で再起動する必要があります。Linux の再起動時、このシェル スクリプトは自動的には実行されません。

コマンド ライン オプション

次のコマンドライン オプションを使用すると、このユーティリティの実行方法を指定できます。

オプション
説明
(オプションなし)
オプションを指定しないでこのユーティリティを実行する場合は、GUI が表示され、オペレーティング システムがシステム トレイをサポートしている場合はトレイ アイコンが現れます。
-tray
このオプションを指定してユーティリティを実行すると、GUI が表示されずトレイ アイコンを表示します。オペレーティング システムでシステム トレイがサポートされない場合は、GUI が表示されます。

Notification Viewer では、システム トレイ アイコンとグラフィカル ユーザー インターフェイス(GUI)の 2 つのインターフェイスを提供します。

システム トレイ アイコン インターフェイス

デフォルトで、Windows の場合は、Notification Viewer を実行すると GUI は表示されずトレイ アイコンが表示されます(Linux の場合、Notification Viewer は GUI として実行し、その Linux ディストリビューションがシステム トレイをサポートしている場合は、システム トレイ アイコンを表示します)。ユーティリティが実行されると、ライセンス メッセージの監視を開始します。

Notification Viewer が未読のメッセージを検出すると、トレイ アイコンは未読メッセージを示す表示に変わります。トレイ アイコンを参照してください。

Notification Viewer は 2 種類のツールヒントも表示します。ツールヒントをマウスでポイントすると、重要な未読メッセージがある場合はそのメッセージ数、未読メッセージの総数が表示されます。メッセージがすべて既読の場合はユーティリティの名前が表示されます。通知する必要があるメッセージを Notification Viewer が検出した場合は、バルーン形式のツールヒントが表示されます。Windows の場合、このツールヒントは直接閉じるか、キーボードまたはマウス操作を行わない限り表示され続けます。Linux の場合、このツールヒント上をクリックして閉じる必要があります。

ポップアップ メニュー

トレイ アイコンのポップアップ メニューには、[Pervasive Notification Viewer を開く](GUI を開く)および[終了](ユーティリティを終了する)があります。このポップアップ メニューはトレイ アイコンを右クリックすると表示されます。

トレイ アイコン

次の表ではトレイ アイコンの意味を説明します。

アイコン
説明
Notification Viewer は実行中でライセンス メッセージを監視しています。このアイコンは、すべてのメッセージが開封済み(既読)である "正常" な状態を示しています。
Notification Viewer には未読メッセージがあります。
このアイコンは、未読メッセージがすべて開封されない限り表示され続けます。左パネルを参照してください。

グラフィカル ユーザー インターフェイス

トレイ アイコンをダブルクリックするか、トレイ アイコンを右クリックして[Pervasive Notification Viewer を開く]をクリックすると Notification Viewer GUI を開くことができます。Linux の場合はデフォルトで、Notification Viewer は GUI として実行し、そのシステム トレイ アイコンが表示されます(Linux での起動動作を変更する場合は、notifyviewer シェル スクリプトに -tray オプションを 渡します)。Linux ディストリビューションでシステム トレイがサポートされない場合、Notification Viewer は GUI を表示し、システム トレイ アイコンは表示しません。その場合は、シェル スクリプトを実行して Notification Viewer を起動してください)。

この GUI が表示されると、未読メッセージが直ちに GUI へ追加されます(さらに、トレイ アイコンにツールヒントが表示され、アイコンは未読メッセージを示す表示に変わります)。

Pervasive PSQL は、通知ファイルにある記録の既読または未読状態をユーザーごとに監視します。つまり、GUI を表示している各ユーザーからはすべてのメッセージが見えますが、メッセージの既読または未読状態はユーザーごと異なるということです。

Notification Viewer の 画面を閉じるとこのユーティリティは終了します。システム トレイがサポートされる場合は、画面を閉じることで GUI が非表示になり、ユーティリティが実行中であることを示すトレイ アイコンが表示されます。

ツールバーとパネル

28 で示すように、Notification Viewer GUI にはツールバーと 2 つのメイン パネルがあります。

図 28 Notification Viewer の GUI

GUI 要素
説明
ツールバー
2 つのオプションを提供します。
  • [未読のみ表示](オンとオフで表示を切り替える)
  • [すべて開封済みにする]
左パネル
スクロール可能なメッセージの一覧が含まれます。 メッセージは一番上に最新のメッセージが来るようソートされ、"今日"、"昨日から 1 週間前"、"それ以前" の 3 つのグループに分けて配置されます。各グループ ノードは展開したり閉じたりすることができます。
各メッセージには、情報のタイプを表すイメージ アイコン、タイトル文字列、日付および簡単な説明が表示されます。そのメッセージが未読の場合、テキストはすべて太字で表記されます。
メッセージを読むには、そのメッセージをクリック(選択)します。一度選択すれば、そのメッセージ テキストの書体は太字から標準に変わります。
右パネル
メッセージの詳細を示します。ここではそのメッセージについて詳しい説明を記載し、場合によっては問題を解決する提案事項も提供されます。

オペレーティング システムのイベント ログ

Pervasive PSQL のライセンス管理コンポーネントは、Windows プラットフォーム上でオペレーティング システムのイベント ログにメッセージを書き込みます。Linux ディストリビューションの場合、Pervasive PSQL の全コンポーネントがオペレーティング システムのイベント ログへメッセージを書き込みます。

Windows プラットフォームのイベント ログ

Windows オペレーティング システムでは、"アプリケーション"、"セキュリティ" または "システム" として分類されるイベントの記録方法を提供しています。Pervasive PSQL はライセンス メッセージを Windows の "アプリケーション" イベント ログのみに記録します。このメッセージは PVSW.LOG に書き込まれるライセンス メッセージのサブセットです。

ライセンス メッセージは "エラー" または "警告" として分類され記録されます。これには、キーの状態の変更に起因するメッセージのほか、警告、エラー メッセージが含まれます(表 21 を参照)。さらに、表 20 で挙げているような特定の情報メッセージも記録されます。

イベント ログの表示

Windows オペレーティング システムでは、イベント ログを表示および操作するための「イベント ビューアー」という GUI を提供しています。このユーティリティは、Windows コントロール パネルから、あるいはコマンド インターフェイスで eventvwr.msc コマンドを実行してアクセスすることができます。イベント ビューアーのインターフェイスは、Windows XP/Windows Server 2003 と Windows Vista 以上では異なっているので注意してください。

どのイベント ビューアーを使用した場合でも、Pervasive PSQL はイベントに対し以下の項目を表示します。

さらに Windows Vista 以上では、[キーワード]列に "クラシック"、[ログ]列に "アプリケーション" を表示します。イベント ビューアーではさらに列が表示できるようになっていますが、Pervasive PSQL はそれらに対するデータを提供しません。

Linux ディストリビューションのイベント ログ

Linux ディストリビューションの場合は、Pervasive PSQL の全コンポーネントが Linux の標準ログ システム syslog にメッセージを書き込みます。syslog はデフォルトで /var/log/messages ディレクトリに書き込みます。SQL 接続マネージャーに限り、任意でメッセージを event.log ファイルに記録することもできます。

event.log ファイルと bti.ini

Bti.ini は Lnux ディストリビューションで使用される Pervasive PSQL 設定ファイルです。デフォルトで、このファイルは /usr/local/psql/etc ディレクトリにあります。

このファイルを使用すると、SQL 接続マネージャー用の構成を行うことができます(INI ファイルの[SQLManager]セクション)。設定の 1 つである LogEvent は、イベント ログ ファイル(event.log)に記録するイベント メッセージのタイプを決定します。デフォルトで、event.log ファイルは /usr/local/psql/bin ディレクトリにあります。

bti.ini の SQLManager セクション用の各種パラメーター
説明
MgrPort
SQL 接続マネージャーで使用されるポート番号を設定します。デフォルト値は 1583 です。
MgrUseTransport
SQL 接続マネージャーで使用されるプロトコルの種類を設定します。これは TCP に設定する必要があります
LogEvent=msg_type
msg_type には以下の値のいずれかを指定します(デフォルトは 1 です)。この値はイベント ログ(event.log)に記録するメッセージのタイプを示します。
  • 0 - 記録しない
  • 1 - エラーのみ
  • 2 - エラーと警告
  • 3 - エラー、警告および情報メッセージ
  • 4 - エラー、警告、情報メッセージおよび connect.log
InstallDirectory=/usr/local/psql
接続ログ /usr/local/psql/connect.log をアクティブ化します。

Pervasive PSQL のイベント ログ

Windows プラットフォームの場合、Pervasive PSQL の全コンポーネントが Pervasive PSQL のイベント ログへステータス、エラー、警告および情報メッセージを書き込みます(Linux ディストリビューションの場合、Pervasive PSQL は専用のイベント ログを使用しません。その代り、Pervasive PSQL の全コンポーネントが Linux の標準ログ システム syslog にメッセージを書き込みます。Linux ディストリビューションのイベント ログ を参照してください)。

Pervasive PSQL のイベント ログは PVSW.LOG という名前が付けられ、デフォルトで <アプリケーション データ ディレクトリ>¥PSQL¥logs ディレクトリにあります。Windows プラットフォームでは Pervasive PSQL の全コンポーネントがこのログ ファイルに書き込みます。複数の Pervasive ベースのアプリケーションが同じマシン上で動作している場合、これらのアプリケーションは PVSW.LOG を共有します。

PVSW.LOG のフィールド

PVSW.LOG は、次の表 22 で説明されている形式のテキスト メッセージで構成されます。

表 22 PVSW.LOG のフィールド
フィールド
内容
Date
yyyy/mm/dd/ 形式で表される自動日付スタンプ。
Time
hh:mm:ss 形式で表される自動時刻スタンプ。これらの表示形式は地域の設定に従います。
Component
エラーを返すコンポーネントのファイル名(拡張子なしのプレフィックスのみ)。
Process
コンポーネントのインスタンス ID。これは、コンポーネントのプロセス ID です。
Process Name
コンポーネントのパスおよび名前(最後の 15 文字に短縮)。
Computer Name
プロセスをホストするマシンに割り当てられた名前(最初の 15 文字に短縮)。
Type
1 文字:I は情報、W は警告、E はエラーです。
Message
呼び出し元のコンポーネントに関連するリソースから取得される文字列、または呼び出し元のコンポーネントから直接渡されるテキスト文字列から成るメッセージ テキスト。
メッセージ テキストには数値が含まれることもあります。この数値の形式は 10 進数または 16 進数です。16 進数と 10 進数を区別するため、16 進数値の前には "0x" 文字が付けられます。
メッセージ テキストの中には、OEM アプリケーション固有の情報(ベンダーの Web サイトへのリンクやトラブルシューティング情報など)が含まれている場合もあります。

エントリの後に、標準の 16 進形式のバイナリ データが続くことがあります。バイナリ データの長さには、制限がありません。

PVSW.LOG のエントリ例

以下は、PVSW.LOG に含まれるデータのタイプの例です。

Date
Time
Component
Process
Process Name
2011/05/10
09:53:06
LicenseMgr
9048
NTDBSMGR.EXE

Computer Name
Type
Message
USRegion2Svr
W
ライセンスは検証に失敗しました。 猶予期間は 14 日間残っています。


基本的なトラブルシューティング

一般的なトラブルシューティング