Getting Started with Pervasive PSQL (v11)

Pervasive リクエスターでサポートするネットワーク パスの形式

リクエスターを使用しているときは、Pervasive サーバー エンジンに接続してデータ ファイルにアクセスします。このセクションでは、Btrieve または SQL アプリケーションを使用してネットワーク上のファイルにアクセスする際に使用できる、さまざまなネットワーク ファイルの構文を紹介します。

Pervasive PSQL では、多くの操作環境で、UNC(Universal Naming Convention)およびドライブ パス形式(明確かつ最新)が使用できます。

パス形式についての詳細は、以下のセクションを参照してください。

お客様がアプリケーション開発者である場合は、URI 接続文字列をサポートする Btrieve API などの特定のアクセス方法についても留意してください。URI 文字列の詳細については、『Pervasive PSQL Programmer's Guide』のデータベース URI 参照してください。『Btrieve API Guide』の 「Create(14)」「Open(0)」 および 「Login/Logout(78)」 を参照してください。

UNC(Universal Naming Convention)パス形式

以下の UNC パス形式は、すべてのクライアントからすべてのサーバーへのパス表記に対応しています。

¥¥ServerName または<IP アドレス>¥share¥path¥file 
¥¥ServerName または<IP アドレス>¥share:[¥]path¥file 

UNC 構文は、ターゲット サーバーで実行しているネットワーク オペレーティング システム(NOS)の実際の種類に関係なく、正しく解決されます。IP アドレスを使用する場合は、ドット付き表記の IPv4 アドレス、または IPv6 用にサポートされる 2 つの形式のうちのいずれか 1 つを使用してください。UNC パスおよび URI 接続を使用した IPv6 を参照してください。


メモ

上記のすべてのインスタンスで、円記号(¥)はスラッシュ(/)に置き換えることができます。ただし、2 重の円記号(¥¥)は除きます。構文中の[¥]は、その円記号が省略可能であることを意味します。


IPv6

Pervasive PSQL クライアントは、Pervasive PSQL データベース エンジンを実行している IPv6 ホストへ接続します。これは IPv4 の場合も同じです。つまり、クライアントは DTI を介して、あるいは URI または UNC の記述によってサーバーを指定し接続します。サーバーの指定は、Pervasive PSQL サーバーまたはワークグループが実行されているマシンのマシン名または IP アドレスのどちらを用いても可能です。

UNC パスでは、(IPv6 アドレスでは使用可能な)コロンなど特定の文字を使用することはできません。UNC パスを用いる IPv6 の使用について以下に説明します。しかし、まずは IPv6 について理解できるよう、サポートされる IPv6 形式について簡単に説明します。

未加工の IPv6 アドレスは、コロンで区切られた 8 個のセグメントで構成されます。各セグメントは 4 桁の 16 進数値として記述できます。たとえば、「1234:5678:90ab:cdef:1234:5678:90ab:cdef」と表記されます。

Pervasive PSQL がサポートするのはユニキャスト アドレスのみです。Pervasive PSQL で使用できるユニキャスト アドレス形式は以下のとおりです。

表 4 Pervasive でサポートする IPv6 ユニキャスト アドレス形式
ユニキャスト アドレス形式
説明
ループバック
IPv6 でローカル ループバック アドレスは 0:0:0:0:0:0:0:1 と表記されます。このループバック アドレスは ::1 と省略表記することができます。
IPv6 のループバック アドレスは、IPv4 のループバック アドレス 127.0.0.1 に相当します。
グローバル
グローバル アドレスは 64 ビット プレフィックスを持ちます。先頭から 3 ビットは常に 001 で、次の 45 ビットはグローバル ルーティング プレフィックス、その次の 16 ビットにはサブネット ID が設定され、最後の 64 ビットはインターフェイス ID となります。
例:2001:db8:28:3:f98a:5b31:67b7:67ef
リンク ローカル
リンク ローカル アドレスは、同じリンク上の近隣ノードと通信を行う際にノードによって使用されます。 リンク ローカル アドレスは 64 ビット プレフィックスを持ちます。先頭から 10 ビットには 1111 1110 10、次の 54 ビットには 0 が設定され、最後の 64 ビットはインターフェイス ID となります。 このリンク ローカル アドレスのプレフィックスはたいてい FE80::/64 と表します。
例:fe80:0:0:0:713e:a426:d167:37ab(fe80::713e:a426:d167:37ab と指定することもできます)。
制限事項も参照してください。

IPv6 アドレスの修飾子

IPv6 にはアドレス識別子が含まれています。この識別子はショートカットとして機能したり、また詳細な宛先の指定に用いたりすることができます。 Pervasive PSQL は IPv6 に以下の修飾子をサポートします。

修飾子
説明
::
1 つ以上のゼロがコロンで区切られていることを表します。 たとえば、::1 は 0:0:0:0:0:0:0:0:1 に相当します。 この修飾子 :: は IPv6 アドレス内で 1 回のみ使用できます。
%
宛先ノードのゾーン ID またはインターフェイスを表します。ゾーン ID は IPv6 トラフィックの宛先のゾーンを指定する整数値です。
制限事項を参照してください。

UNC パスおよび URI 接続を使用した IPv6

UNC パスでは、コロンなど特定の文字を使用することはできません。 未加工の IPv6 アドレスではコロンを使用するので、UNC パスの扱いには異なる方法が使用できます。 Pervasive PSQL は以下の方法をサポートします。

IPv6-literal.net 名

ipv6-literal.net 名は以下に示す 3 つの変更を施した未加工の IPv6 アドレスです。

例:

当初のアドレス
fe80::713e:a426:d167:37ab%4
2001:db8:28:3:f98a:5b31:67b7:67ef
変更されたアドレス
fe80--713e-a426-d167-37abs4.ipv6-literal.net
2001-db8-28-3-f98a-5b31-67b7-67ef.ipv6-literal.net

Ipv6-literal.net 名は Pervasive PSQL で使用される URI または UNC で受け入れられます。

かっこ付き IPv6 アドレス

かっこ付き IPv6 アドレスとは角かっこで囲まれた未加工の IPv6 アドレスです。この形式は UNC で正しく動作するアドレスとしても参照されます。

例:

当初のアドレス
fe80::713e:a426:d167:37ab%4
2001:db8:28:3:f98a:5b31:67b7:67ef
変更されたアドレス
[fe80::713e:a426:d167:37ab%4]
[2001:db8:28:3:f98a:5b31:67b7:67ef]

角かっこの使用は、Pervasive PSQL における URI または UNC で使用する未加工の IPv6 アドレスには必要です。制限事項を参照してください。URI で、ゾーン ID を含めたアドレスを使用する場合、ゾーン ID 文字 "%" はエスケープ文字 "%25" に置き換えられることに注意してください。制限事項を参照してください。

制限事項

Pervasive PSQL で IPv6 を使用する際の制限事項を次の表に示します。

表 5 Pervasive PSQL での IPv6 の制限事項
制限事項
説明
Windows Server 2003 および Windows XP オペレーティング システムにおける Pervasive PSQL での IPv6 の使用
Windows Server 2003 および Windows XP オペレーティング システム上の Pervasive PSQL では IPv6 の使用がサポートされません。Windows 環境の Pervasive PSQL で IPv6 を使用できるようにするには、 Windows Vista 以降のオペレーティング システムを利用してください。
Linux ディストリビューションにおける Pervasive PSQL での IPv6 の使用
Linux ディストリビューション上の Pervasive PSQL では IPv6 の使用がサポートされません。
URI または UNC で未加工の IPv6 アドレスを使用する場合、その IPv6 アドレスには角かっこが必要
未加工の IPv6 アドレスは、URI または UNC で使用する場合は角かっこで囲む必要があります。これはその IPv6 アドレスが省略表記されているかどうかにかかわらず必要です。
例:
  • btrv://czjones@[2001:b1::23]/demodata
  • btrv://abanderas@[2001:12:34:56:78:90:12:23]/demodata
  • ¥¥[2001:12:34:56:78:90:12:23]¥acctsvr1¥Domestic¥file.mkd
IPv6 アドレスを角かっこで囲まなかった場合、URI を使用した Btrieve 呼び出しにはステータス コード 3014 または 3103 が返され、UNC を使用した Btrieve 呼び出しにはステータス コード 11、94 または 170 が返されます。
URI で、サーバー アドレスにゾーン ID を含める場合、ゾーン ID 文字 "%" は "%25" でエスケープされる
IPv6 アドレスを含めた btrv:// 接続を使用する場合、ホスト名に対するゾーン ID をエスケープする必要があります。
例:
UNC 形式のアドレスは次のように表記されます。
btrv://@[fe80::20c:29ff:fe67:2ee4%4]
このアドレスは、次のように変更されます
btrv://@[fe80::20c:29ff:fe67:2ee4%254]
IPv6 のみの環境における PCC の使用
IPv6 のみの環境の場合、PCC で利用できるのはトランザクショナルまたは DTI アクセス方法によってサポートされる機能のみです。 たとえば、IPv6 のみのマシン上の PSQL クライアントを IPv6 のみのサーバー マシン上のデータベース エンジンへ接続することができます。 PCC ではエンジンおよびクライアントのプロパティの表示や設定が行えます。これが可能なのはそれらの機能が DTI を使用しているからです。ただし、データベースを参照したり Table Designer を使用することはできません。それらの機能はリレーショナル インターフェイスなどの別のアクセス方法を使用しているからです。このアクセス方法は IPv6 でまだサポートされていません。
License Administrator(および clilcadm)
Pervasive ライセンス サーバーはまだ IPv6 をサポートしていません。このため、IPv6 上で License Administrator を使用しライセンスを管理することはできますが、このユーティリティでライセンスを認証することはできません。ライセンスを認証するには、IPv4 ネットワークまたはリモート認証を使用する必要があります。

ドライブ ベースの形式

以下のドライブ表記は、すべてのクライアントからすべてのサーバーへのドライブ表記に対応しています。

drive:file 
drive:[¥]path¥file 
file 
[¥]path¥file 
..¥file  

Linux パス形式

Samba を使用する Linux サーバーが受け取るパスは、相対的な優先順序で次のように処理されます。

共有名

¥¥<server>¥<sharename>¥<path> 

smb.conf ファイルでは、<sharename>(共有名)を受け付けるよう設定する必要があります。そうでない場合は、デフォルトで次のようになります。

絶対パス

¥¥<server>¥<absolute_path> 

smb.conf ファイルが適切に設定されていない、またはターゲット サーバー上で見つからない場合は、絶対パスを使用します。

Pervasive PSQL v11 SP2 の Linux バージョンの詳細については、Linux での Pervasive PSQL の使用を参照してください。


クライアント ネットワーク通信設定

TCP/IP を使用した Windows サーバーへの接続