Direct Access Components (PDAC) Guide (v11)

PDAC に基づくアプリケーションの配布

Embarcadero などのランタイム ライブラリについてはいくつかのバリエーションがありますが、エンド ユーザーに配布する PDAC アプリケーションの基本的な構築方法は 2 つです。1 つは実行時パッケージを使用する方法で、もう 1 つはアプリケーションの実行可能ファイルに PDAC ライブラリを静的にリンクする方法です。また、C++ Builder では Embarcadero ランタイム ライブラリの動的または静的リンク オプションも提供します。


メモ

SDK で提供する DRM.DLL ファイル(Pervasive PSQL のインストール後、BIN ディレクトリに置かれます)は、配布するすべての環境設定のパスに配置する必要があります。また、PDAC アプリケーションを実行するターゲット コンピューターには Pervasive PSQL v11 SP2 クライアントまたは Pervasive PSQL エンジン(サーバーまたはワークグループ)が正しくインストールされていなければなりません。


実行時パッケージの使用の決定

実行時パッケージを使用する場合はいくつかの利点があります。最小の実行可能ファイルを提供することができます。これは、リンクの遅い環境で実行可能ファイルまたは更新のダウンロードや転送を行う必要がある場合には重要になります。このオプションを使用すれば、PDAC および Embarcadero のランタイム バイナリを共有することができます。これにより、多くの Embarcadero および PDAC アプリケーションを使用する環境内のディスク容量やメモリを大幅に節約することができます。

欠点は、より多くのファイルを配布し、これらをカレントにしておく必要があり、またその共有ファイルは、共有サブディレクトリにサード パーティ製の不正なバージョンの共有ファイルがインストールされることによって影響を受ける恐れがあることです。実行時パッケージを使用しない場合は、アプリケーションと DRM.DLL のみを配布する必要があります。PDAC ライブラリは実行可能ファイルに静的にリンクし、それに伴ってサイズは大きくなります。

実行時パッケージを使用する場合、開発者はアプリケーションの実行可能ファイルおよび適切な PDAC ライブラリ(PDAC インストール ディレクトリの redist サブディレクトリ内)の両方と、Embarcadero ランタイム ライブラリまたはその他のランタイム ライブラリ(コンパイラの bin ディレクトリにある borlndmm.dll が必要になることが多い)をエンド ユーザーに配布する必要があります。

Redist サブディレクトリ

Embarcadero コンパイラごとに redist ディレクトリがあります。このディレクトリには、.BPL ライブラリが含まれており、これらのライブラリは[実行時パッケージを使って構築]オプションを使ってコンパイルされたアプリケーションと一緒に配布する必要があります。


メモ

各 redist ディレクトリには .DCP または .BCP ファイルも含まれています。これらのファイルは、派生クラスを使用した開発が許可されるライセンスを持つ組織以外には再配布されません。.DPL パッケージと .BPL パッケージのみをアプリケーションと一緒に配布することができます。


IDS の配布

PDAC アプリケーションは I*net Data Server で使用することはできません。I*net Data Server(IDS)は、Pervasive PSQL と別個にインストールできるコンポーネントではなくなりました。IDS の一部であった機能のほとんどは製品に統合されました。

Delphi または C++ Builder の構築と配布手順

ここでは、次に示すバージョンで構築と配布を行う手順を示します。

Delphi IDE で以下のように適切なオプションを設定します。

  1. プロジェクト]メニューから[オプション]を選択します。
  2. パッケージ]タブをクリックします。
    実行時にアプリケーションと PDAC ライブラリとを動的にリンクさせるには、[実行時パッケージを使って構築]のチェックをオンにし、次の表に示す適切な PDAC パッケージを編集ボックスのリストへ追加します。

    メモ

    インストール時に PDAC パッケージが構築リストに追加されていた場合は、上記の手順は必要ありません。


    アプリケーションで次の表の一番左側の列のコンポーネントを使用する場合、Delphi のバージョンに該当する右側の列のパッケージ(.BPL ファイル) が構築リストに表示されます。

    使用するコンポーネント
    必要なパッケージ
     
    Delphi 2006
    Delphi 2007
    RAD Studio 2009
    RAD Studio 2010
    RAD Studio XE
    RAD Studio XE2(32 ビット)
    [トランザクショナル]
    TPvSession
    TPvDatabase
    TPvTable
    TPvBatchMove
    TwwPvTable
    pc200d2006
    pb200d2006
    pc200r2009
    pb200r2009
    pc200r2010
    pb200r2010
    pc200rXE
    pb200rXE
    pc200rXE2
    pb200rXE2
     
    [リレーショナル]
    TPvSQLSession
    TPvSQLDatabase
    TPvQuery
    TPvUpdateSQL
    TPvSQLStoredProc
    TwwPvQuery
    TwwPvSQLStoredProc
    pc200d2006
    ps200d2006
    pc200r2009
    pb200r2009
    pc200r2010
    pb200r2010
    pc200rXE
    pb200rXE
    pc200rXE2
    pb200rX2
     

パッケージを選択するには、[コンポーネントインストール]の順にクリックし、ご使用の Delphi のバージョンに一致するディレクトリからパッケージを選択します。一度にすべてのパッケージを選択することができます。

Delphi のバージョン
ディレクトリ(デフォルトのインストール先)
Delphi 2006
Delphi 2007
¥SDK¥PDAC¥PDAC¥Delphi2006¥LIB
RAD Studio 2009
¥SDK¥PDAC¥Delphi2009¥LIB
RAD Studio 2010
¥SDK¥PDAC¥Delphi2010¥LIB
RAD Studio XE
¥SDK¥PDAC¥DelphiXE¥LIB
RAD Studio XE2(32 ビット)
¥SDK¥PDAC¥DelphiXE2¥LIB


メモ

PDAC パッケージをリストに追加しない場合、これらは実行可能ファイルにコンパイルされ、[実行時パッケージを使って構築]のチェックがオンになっていても共有ライブラリは使用されません。


PDAC ライブラリをアプリケーションの実行可能ファイルに静的にリンクさせるには、[実行時パッケージを使って構築]のチェックをオフにしておきます。

コンパイル時、[実行時パッケージを使って構築]のチェックをオンにしていた場合は、アプリケーションを配布するときに、アプリケーションそのもの、drm.dll およびその他のパッケージまたは 必要な DLL と共に以下に示すパッケージ ライブラリも配布する必要があります。

Delphi 2006/Delphi 2007 パッケージ構築リスト

これらのライブラリは、¥SDK¥PDAC¥PDAC¥Delphi2006¥REDIST にあり、それぞれ個別の .DCP ファイルが含まれています。

pc200d2006.bpl 
pb200d2006.bpl 
ps200d2006.bpl 

RAD Studio 2009 パッケージ構築リスト

pc200r2009.bpl 
pb200r2009.bpl 
ps200r2009.bpl 

RAD Studio 2010 パッケージ構築リスト

pc200r2010.bpl 
pb200r2010.bpl 
ps200r2010.bpl 

RAD Studio XE パッケージ構築リスト

pc200rXE.bpl 
pb200rXE.bpl 
ps200rXE.bpl 

RAD Studio XE2(32 ビット) パッケージ構築リスト

pc200rXE2.bpl 
pb200rXE2.bpl 
ps200rXE2.bpl 

これらのファイルは、アプリケーションの実行可能ファイルと同じサブディレクトリにインストールすることができますが、Pervasive ではターゲット コンピューターのパスに置くことをお勧めします。そうすれば、これらのファイルをほかのアプリケーションでも共有することができます。 Pervasive PSQL インストール場所の BIN ディレクトリが Pervasive 実行モジュールの主ディレクトリである場合は、このディレクトリを使用するのが適切です。

さらに、Delphi の PDAC アプリケーションでは Pervasive PSQL エンジン(サーバーまたはワークグループ)または Pervasive PSQL クライアントのいずれかと、適切にインストールされ設定されているリモート サーバーが必要です。

Delphi 6 より更新されたパッケージ名

Delphi 6 以降、Pervasive では Embarcadero 標準との互換性をより強化するようパッケージの名前付け規則を変更しました。また、Embarcadero 要件を満たすために、実行時パッケージを設定時パッケージから分けました。

旧バージョンの Delphi と PDAC から移行する場合の新しい実行時パッケージ名の解釈方法を以下に示します。

pc200r60.bpl 
pb200r60.bpl 
ps200r60.bpl 

ファイル名の桁位置
可能な値
説明
1
p
Pervasive
2
c、b または s
Common、Btrieve または SQL
3-5
リリースによって異なる
PDAC コンポーネントのメジャーおよびマイナー バージョン
6
r、d
実行時または設計時
7-8
リリースによって異なる
これらのコンポーネントを適用する Delphi のバージョン

    


メモ

Delphi 6 で作業する場合、InfoPower 機能はメイン パッケージに結合されています。InfoPower 機能の Woll2Woll コンポーネント用のパッケージは独立していません。



実装上の相違点 (PDAC)

PDAC セキュリティ